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出来る事 ▶︎かんゆう


「うちのチームに入ってくれるよう頼んだが、まだ返事は貰えてない」

「そりゃそうよねぇ、まず国がどうするか決めないとだろうし…」

「え、ちょっと待ってください、それって落ち人の運命は国が握ってるって事ですか?!」


 きっとイラネされるけど…なんだか不安になってきた…。


「わたしのいた国では、過去に王族と結婚した人もいたらしいぞ」


 アリーシャさんがサラリと言うが、ますます不安だ。


「そんな仰々しいものではないはずだ…恐らく」


 ゴルーダさんもわからないだろうし憶測で答えるしかできないよね、私だってわかんないもん!

 ま、明日王都行きの船に乗るし、なるようになーれ。



「はぁい、リンちゃん!」


 シルキーさんから手渡されたのは、装備一式だ。

 大きめの黒いフードに、ウサミミがついていて、耳先へはピンクのグラデーションになっている。フードのポンチョで隠れるが、中は黒のゴスロリだ…マジか…アラサーにこれは無い…。


「アリガトウゴザイマス…」


 私の目が死んでいても、シルキーさんはお構いなしにはしゃいでいる。


「こっちも」


 モクレンさんまで手渡してくる。こっちも黒ベースだが猫耳フードだ。アルファ装備とベータ装備だろうな…。


「「よかったな、リンディーにぴったりの装備だな!」」


 ゴルーダさんとアリーシャさんに撫でられる。


「27歳にピッタリのうさ耳・ねこ耳なんて聞いたことがない」

「27に見えないから平気」

「くっそぉおおぉ、子供扱い!! 心がつらい!!!」


 つい心の声が出てしまった。

 だが、誰も気にしてない。いや、気にしろよ!!



 そして夜が明けた。

 乗船予約をしていた船に乗り、客室へ入る。1日かかるけど、王都まで一直線らしい。



「ぎもぢわるい〜〜」

「うぇえぇぇ……」


 意外な事に、シルキーさんとアリーシャさんがダウンしてる。

 私はと言うと、めちゃくちゃピンピンしている。

 そんな2人を介抱する私、まさにオトナじゃん!


「意外だな、リンディーが元気なのが」

「だね」

「私もそう思ってます」


 馬車で散々酔ったのに、船は平気。解せぬ、いや、酔いたくないからこれでいい。


 唸り声がうるさいから、モクレンさんが安眠薬ハイパーを飲ませた。

 これ、プレイヤー飲めないやつだよ、調合素材のはずだが…。まぁ、おかげで静かになったね!


「えーと、ヤマハミの討伐報酬が5万ゼニゼニ、そこに掛かった回復薬代とか、別途経費はありますか?」

「いや、無い」

「じゃあ、報酬の2割はチーム経費でプールして、今回の報酬は、おひとり1万ゼニゼニですね。あと、その他のクエスト報酬も計算だけしちゃいますね」


 ごくごく、簡単な計算だが、ゴルーダさんとモクレンさんは目を白黒させている。

 つか、古の獣なんて仰々しい名前ついてるくせに、討伐報酬がやっすい!! いや、ケモハンはそんなもんだけど、こう、実際に命掛けてるハンターさんを見てしまうと、バカにしてる金額だなぁと思う。


 ゲームだとそのうち、お金があまるけど、実際は服や生活用品だってかかるから、結構カツカツらしい。

 その中から、私のお世話代まで出してもらってて申し訳ないなぁ。


「リン、天才」

「国に取られてしまう…どうする、モクレン」

「秘匿一択」


 おぉい?! なんか勝手に決めてるぞぉ?!


「リンディー、君の能力は途轍も無く高い。恐らく国に報告すれば、その能力を買われて、働く事は可能だろう」

「はぁ」

「そして、国のあらゆる機関に求められて、あちらへ移動、そちらへ移動、と引っ張りだことなると思われる」

「はぁ」

「晴れの日だろうが、雨の日だろうが、リンディーの体の状態など考慮されず、移動がつきまとうだろう」

「ひぃ!」

「現に、俺の知り合いで計算能力の高い者がいたが、商業ギルド、冒険者ギルド、鍛治ギルド、あらゆる場所から手助けを頼まれるにも関わらず、給金は安いと嘆いていた」

「ほぉ」

「リンディーのような、体の弱い者に耐えれるとは思えない。国はヒトひとりの体の状態など、考慮してくれんからな」

「ほぉ」


 長々と説明を受ける。頭から抜けかけていくが、ひとつわかることは、お日様浴びる生活をさせられる可能性があるって事。


「なので、計算ができる事を国に秘匿し、うちのチームに入ってくれれば、太陽の光を浴びずに、生活ができるようになる。知らない国で、知らない人たちと人脈をイチから作り上げるよりは、知っている俺たちの所に来る方が、好条件だと、俺は思ってる」

「まぁ、ですよねぇ。ただ、価値や相場を知らない私が、お役に立てるかはわからないんですが」

「チームハウスにいるカーチェが、そこは教えてくれる。あいつは世話焼きで親切で、覚えもいい」


 めちゃくちゃプレゼンしてくるよ、ゴルーダさん。


「ひとまず、王に会って決めな」


 モクレンさんはプレゼンに参加せず、サラッと言う。


「わかりました。まずは、王様のとこまでお願いします」

最新作のあの狩ゲーに、アルファとベータが無くて驚いている。

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王城ではどんなハプニングが発生するのか……。
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