高難度・低難度クエスト ▶︎同時進行
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それから数日馬車で進み、港町に着く。後は船に乗れば王都だという。
船といえば、船酔い! レインボーモザイクを海にぶちまける未来しか浮かばないが、実はまだ馬車旅では、レインボーしていないのだ。
「モクレン、あんたそんなに、面倒見よかったかしらぁ?」
酔いそうになると酔い止めとして、活力ドリンクをくれたり、ご飯どき、ドカドカ盛りつけてくるゴルーダさんやアリーシャさん対策で、サッと私が食べれる量を盛りつけて私の前に置いてくれたりと、世話になりっぱなしなのだ。
そんな様子を見てシルキーさんが言葉をかけてきた。
「ほら、リンは子供」
「オトナですってば!!」
「あぁ、そうねぇ」
「え、ちょっ、納得しないでください!!」
あ、いかん、ツッコミが出始めてしまってるような、もう既に出ているような…
「リンは大人って言ってる割に、丁寧な言葉ぬけねぇよなぁ?」
アリーシャさんが不思議そうに首を傾げる。
「え、だってお世話になってる方々に、敬意を払うのは当然の事ですよ?」
大人だもん当然よ、当の然よっ!!
「他人行儀すぎ」
「っかぁー、そんなつれないこと言うなよ!」
「だめよぉ、そんな固い事言っちゃあ…!」
「リンディーは真面目なのだな…」
あっれぇ…思っていた反応じゃないぃいぃ…。
とはいえ、王都に送ってもらったら、さようならだ。そして王様か何かから「お前、イラネ」の烙印を貰って、そこでもさようならだ。
私はそれからの事を考えなきゃいけない。
太陽の光を避けて暮らさないと、生きていけないような体質だ。こんなめんどくさい奴と一緒になんて、居てくれる人はいないって事、今までの人生でよくわかっている。付き合いが深くなればなるほど、傷つく事も知っている。
そんなことを、目の前の彼らにぶつける気もサラサラないのだ。
「ふっ、私は真面目なオトナですからねっ」
あえてふざけて…いや、本音だ! 本音! 本音の返しをするよ!
「見た目は子供」
「仕草も可愛らしいわよぉ」
「こんなにちっこいしな!」
「何だか不安で目が離せないしな…」
うぉおぉおおい!!!! オトナだって言ってんだろぉおぉ?!!
つい、出そうになるツッコミを抑えて、にこやかに笑っておくが、深くフードをかぶっているので目元は見えない。
「さて、リンディーが子供なのは置いといて…」
まて、大人だって言ってんだろ、同い年として庇えや! って、また心の中でツッコミを入れて、お口バッテンだ。
「問題は船が出ているか、客室が空いているかだな」
ゴルーダさんは港の方へ目を向ける。が、建物ばかりで港に船があるかはわからない。
ゲームはそんな事気にせず、マップからファストトラベル出来たが、そんな事は出来ないので、現実世界なのだと噛み締める。
「リン、日陰」
モクレンさんは大きな日陰の中に手を引いて、連れて行ってくれる。照り返しも少ない上にベンチまである。
おかん属性なのかな、ってかマジモンの母ちゃんより面倒見がいいわ、コレ。
「あ、すみません」
「いいの」
旅の疲れか節々が痛いなぁ…25過ぎたらジワジワ感じてくるんだよね、体が弱っていく様を…。まずお肌は曲がり角ってより急勾配。
寝て起きても疲れが残って、スッキリしないことが増えた。筋肉痛が長引く。
もともと太陽を避けて生活してるから、外で運動もしないしジムに行くのすら億劫。
そりゃ衰えるわ! 家の中で運動は…お腹がヤバくなってきたら腹筋するくらいだから1ヶ月に30回くらい? 平均1日1回の腹筋って何だよ!!
「とりあえず、宿確保したわよぉ!」
「船に乗れればいいけど、どうなるかな」
ゴルーダさんは港へ船の手配、シルキーさんは街中の宿屋の確保に奔走していたようだ。
アリーシャさんとモクレンさんは連絡待ちで待機。
シルキーさんが先に合流した。アリーシャさんは船に乗れなかったら、宿に泊まると教えてくれる。
「露店で串焼き売ってた!! ゴリ来るまで食ってよう!」
アリーシャさんは、気づけばいなくなり、戻ってきた。
みんなで串焼きを頬張る。鶏肉のようにサッパリしたお肉だけど甘辛のタレが掛かっていて、ちょうどいい塩梅の味になっている。
他のみんなは、串2〜3本ペロリと食べるが、1本で十分な私は困っていた。
アリーシャさんは、他の人と同じ分量を毎回渡してくれる。食べれない、気持ちだけで充分、お腹いっぱい、様々な言葉を並べるが、私の気持ちは伝わらない。
「リン」
モクレンさんが呼ぶので彼の方を見ると口を開けてる。
あ〜んか?! お口あ〜んしてるぞ、食わせろって事か?! 手から串ごと持ってけや、あ〜んとかハードル高いってば! とツッコミも出来ず、串焼きを口に持っていくとパクついた。
「リン!」
アリーシャさんもお口あ〜んしてるぅう!!! お目め閉じてあ〜んとか可愛いぃいい!!! 黙っていれば色っぽい人だから、すごく絵になるぅ!!
同性なら恥ずかしさ無く、お口まで持っていける不思議。
「何してんだ、お前ら…」
餌付けタイム中に戻ってきたゴルーダさんが首を傾げてる。あ〜んタイムをガッツリ見られていた。
「私も知りたいです」
「アリーシャ、今度はリンちゃんの分もう一つ追加して! そしたら私もあ〜んする!」
「おっけー!!」
何なんだろう、これ。とフードに隠された私の目は、若干死んでいる。
日本人顔、ゴリイケメン、イケメン、巨乳美女っていう、ざっくりした設定しかないんですよね…。




