誰の案を選ぶ? ▶︎そのた
紫外線カットのポンチョがカバンの中に入っていた!
雨の日はいつもぽいっと出しちゃうのに、私グッジョブ!!!
馬車の中といえども、布しか防御のない場所では心許なかった。これがあれば防御力が上がるっ!
いそいそとポンチョを羽織り、フードを被る。
このポンチョね、紫外線・赤外線をカットする材質だけあって通気性ゼロなのよ。体の熱もこもってすぐに暑くなる。けど脱ぐわけにはいかぬぅうぅ!!!
「顔赤いけど大丈夫か?」
アリーシャさんが覗き込んでくる。私は頷く事しかできない。
「でも青くもなってるわよねぇ」
シルキーさんが気づく。それにゆっくり頷く。
乗り物酔いの最中だ。気を抜いたらレインボーモザイク再びになる。
「はい」
モクレンさんが何か飲み物をくれた。
飲んでも速攻でレインボーリバースしそうだけど、とりあえず飲んでみた。
炭酸のないラムネのような味で、爽やかなミントの香りも抜けて行く。
「活力ドリンク」
「あ、すごくスッキリしました。ありがとうございます」
よく、デカビッタンとケモハンがコラボしてたから、デカビッタン味かと思っていたけど、全然違った。
「ゴリ、休憩」
「ゴリじゃねぇ」
モクレンさんがゴルーダさんへ言うと、いつものツッコミが返ってくる。
馬車はゆっくり止まって道の端で停車した。
活力ドリンクと外の空気で生き返った…ってか私そんなに乗り物弱かったっけ…? 馬で進んでるせい?
馬かと思ったら馬じゃなく、お肉を採取できるモンスターじゃないか…! そういえば荷車を引く役割もあったな、あれ。
カバみたいなサイみたいな、でもモジャモジャの不思議生物。わりと逃げ足の速いやつ。
こいつと私の休憩をちょいちょい取ってくれる。申し訳ねぇ…。
いろんな場所、いろんな生物がケモハンのまんま。
何でケモハンの世界に飛んできたんだろって思っても、意味ないよね。
歪みに落ちたとか帰れないとかチラッと聞いただけで、なんかふっと納得しちゃってるんだよね。
「……嵐が来る…急ぐぞ!」
休憩が終わり、再び進んでしばらくした頃、ゴルーダさんの声が響くと、前後の布が閉じられた。シルキーさんとアリーシャさんは背もたれ壁? にがっしりと掴まりだす。
そして向かい側にいる私たちはというと、モクレンさんが私を抱きかかえて、空いたもう片方の手で背もたれ壁? を掴む。
「僕にしがみついてて」
「へ? …………ぶぉっ!!」
馬車の速度が速くなり揺れる揺れる。慌ててモクレンさんにしがみつく。
30分くらい、とんでもなく揺れて揺れてグロッキー復活した。
レインボーモザイクが近づいてる気がする。
馬車が…馬じゃないけどそれが停まると、少し大きめな町だ。今度は村じゃなくて町に見える!
アリーシャさんが雨の中飛び出して行った。
「宿屋空いてるといいわねぇ」
シルキーさんが言う。
馬車は町の入り口付近に預けるそうだ。
「あ、すみませんでした」
モクレンさんから離れる。
「ん、気にしない」
撫でられる。解せぬ…!
「お、アリーシャが腕で丸を描いている、宿が取れたようだ」
雨の中遠くに見えるアリーシャさんを見つけて合図に気づくゴルーダさん。荷物を手早く持ってアリーシャさんの方向へ駆けていく。
私は駆けずに、モクレンさんが抱っこだ。
「解せぬ…!」
「リン、足遅そう」
「否定できぬ…!!」
宿に着くだけでびしょ濡れだ。
シルキーさんとアリーシャさんに連行されてお風呂だ。他にも客がいたので黒髪隠しで、頭にタオルをぐるぐる巻きにされた。
お風呂で温まったので部屋で寛ぐ。
暖炉の前で髪を乾かす。ドライヤーもなければ魔法もないので、こうなってしまう。
雨降ってるせいか、気温は肌寒い。部屋の暖炉がありがたい。
また私はルードカプチェ装備を纏い、髪をしっかり隠す。今回の宿は1人部屋ではなく、女子部屋と男子部屋で別れているようだ。
そして晩ごはん! やっぱりここにもウェイトレス? ウェイター? で、カーチェ!! かっわいいー!!
「この街はカボチャが特産品で、いろんなカボチャ料理があるぞ! リンはカボチャ大丈夫か?」
「はい、好物です」
アリーシャさん、初心者に優しい…姐御ぉ…!
カボチャのパンにスープに煮付け…そしてウェルダン肉! メインは肉だった。
「ここのカボチャパンをこう、割って…肉を挟めば…絶品パンだ!」
アリーシャさんが美味しいパンを伝授してくれる。
「カボチャパンをスープにつけて、濃厚カボカボパンがいいんじゃない!」
シルキーさん流の美味しい食べ方もあった…!
「それならば煮付けを挟む方が、カボチャづくしだろうが」
おぉ、ゴルーダさんにもあった…!
「全部美味しそうですが、そんなに食べれないので今日は、そのままの味をいただきます」
これがケンカにならない解決法だっ! ふっ、私ってばオトナだわっ…!
「リンは僕と同じか」
そのまま派がいたぁああぁぁ!!!!




