ゲームを開始します。▶︎はい
某狩ゲー買った記念に投下。
ノリと勢いと、箸休めで書いていた物が完結したので、ノリと勢いでアップします。
箸休めにもならないかもですが、どうぞ!
私はただの一般女子だ。
27歳で女子って言うなって? 女は生まれてから死ぬまで女子だ、そこはあえて女子を貫こう。
普通に働いて、帰ってご飯と風呂の後ゲームして寝て、を5日繰り返したあと、2日はゲームに費やす。
乙女ゲー、ギャルゲー、RPGからシューティング、格闘ゲーム、アクション、MMOまでなんでもやる。
会社でもゲーム好きとして知られている。
そんな私は、会社の同僚や関連会社の人と、昼休みに携帯ゲーム機で狩ゲームを嗜む。
バケモンハンター通称ケモハン。今ホットなゲームだ。
「ちょっ、爆弾おいてくれ!」
「さっき使ったじゃん、人を爆弾製造機と思ってんの? 作るから待ってろ!」
「出来るんすかっ!!」
「アイテムポーチは、調合素材しかない私をなめるなよ!」
「回復持てしwwww」
空き会議室で昼休みはゲームだ。
午後から弊社の連中と打ち合わせをする、別会社の人も一緒にだ。彼はゲーム仲間だ。
こういう水面下での活動も、円満な関係作りに役立ってるのだ。だから人事部よ、給料をあげてくれ。マジで。
ピピピピピ…と昼休み終了10分前にアラームが鳴る。
クエストが終わっていればキリよくゲームは終了で、まだクエスト中だったら、本気の本気でクエストを終わらせにかかる。
今日は本気の本気モードだ。
面白プレイを沢山してあそんだ。いい昼休みだった。
無事、昼休み5分前にゲームを終了させて、別会社のゲーム仲間を、打ち合わせが行われる会議室へつれていく。
会議室へ案内して私は退室する。
昼休み明けの午後イチから会議って、相手の会社の都合考えてないよね。お昼休みの間に移動して、こっちの会社に来いって頭おかしいと思う。
移動だって立派な業務時間じゃん。それを昼休みにぶち込まれるのは、自分でなくとも腹立つ。
ゲーム仲間は、昼休み前に移動して、こっちでゲームしながら昼休みをちゃんと取る。
ご飯を食べるのは、みんな揃ってゲーム機の同期接続してる間。サンドイッチやコンビニ弁当を食べる。
ゼリー飲料で済ませる時もある。
今日はたまたまゲーム仲間が来社だから、こうやって休んで? もらえたからよかったけど…と思いつつも、ヒラっヒラの平社員が意見しようものなら睨まれる。せちがらい。
「とは言え、会議はありがたーい。声の大きい課長が、午後イチからいないのは天国よねー」
そう、会議はこれがあるからいい! 私はついつい心の声が出てしまう。
会議に出る人は、オフィスにいないのだ。
「そうだよねー、その怒鳴りつけいらなくね? って毎日思うもん。ペーパーレスの時代にわざわざ紙にプリントアウトしないとブチギレとか、意味わかんない。結局ハンコはインターネットで押すんだし」
席に戻り、隣の席の子と軽くお喋りだ。もちろん手はキーボードを打つ手は、私も彼女も止めない。
いつものように時折お喋りして、ガツガツ仕事を片付けて定時退勤。
「おーい、19時にメンテ明けるから、いつものルーム集合なー」
オフィス内1番のイケメンに誘われる。勿論ゲームにだ。
今日は14時から、ゲーム内イベント中型アップデートのメンテナンスをしていた。
17時半の今現在はまだメンテナンス中。
「オッケーっす! お疲れ様っした!」
私はいつもの感じで軽く挨拶して、会社を後にする。彼も手元の仕事が片付いたら帰るはずだ。
オフィスの1番のマドンナ…違う、イケメンの彼と軽い調子で話す事ができる私は、オフィス内の女子から女子扱いされていないので、イジメもなく平和だ。
女子の敵は、女子であって、オタクではないのだ。
彼女らの推しはイケメン君であり、私はイケメン君の友達であるモブポジションだから、彼女らと同じ土俵ではないのだ。
オタクばんざーい。
女子が集まると怖いのだが、バレンタインはバッチリ見られていた。
――遡る事数ヶ月前のバレンタイン
「おう、今日はバレンタインだ。私に渡すものがあるだろう」
「待ってろ待ってろ、女キャラでしか作れないバレチョコ、ばっちり作ってきたから」
そう言って、私たちは携帯ゲーム機を取り出す。
イケメンはゲーム内では、女性の容姿をしたキャラクターを操作している。
女キャラの方が、装備のビジュアルが可愛いのは、どのゲームでも『あるある』なのだ。
そんな中私は、ゴリッゴリの男キャラを使う。
バレンタインイベントは、女キャラしか生成出来ない『バレンタインチョコ』を素材に、装備が作れるイベントだ。
同じグループに所属したうえで、3ヶ月以上経過したメンバーでないと渡せないという、即席カップルやぼっち泣かせのイベントだ。
前のシリーズからこういうイベントはあったので、ゲーム仲間たちは、グループを作れるようになったらすぐ作って所属して、即席お断りイベントに備えるのだ。
「……あいつ、社内1のイケメンと会話、ってかゲームしかしてないわね…」
「だから言ったじゃないですか、彼女はただのオタクなんですよ。彼女の目には、彼はゲーム仲間としか映らないんですよ」
バレンタインデーにチョコをあげるどころか、ゲーム内アイテム寄越せという姿をバッチリ目撃されて、イケメン狙いの女子たちの中で、私は女子から、ただのオタクへとランクアップ…ダウン? した瞬間だった。
勿論リアルでのチョコは渡してない。
かわりに、こっそりお高めのエナジードリンクを渡した。
「バレチョコ15個足りないからよろしく」
と、足りない素材も請求だ。
勿論1ヶ月後のホワイトデーには、自分がそっくり同じ目に遭う。
エナドリは私があげたやつより、1ランク高い物が返ってきた。ホワイトデーちっく!
そんなオタクが過ごしたバレンタインは、社内のイケメン狙いの女子の間で有名な事を、私は知っている。
そう、オタクは恋愛敵にならない、と下に見られてる!