ドラゴンも逃げ出す婚約破棄 ~ あ、コントロールができない、解除しちゃう!ま、いっか ~
さて、目の前の寸劇をどうしようか。
「貴様には愛想が尽きた!身分が低いと言うだけでミリィを罵り、挙句に階段から突き落とすとは何という女か!私ロイド・ゲルーマンはここにラーティア・ヘルトとの婚約を破棄し、ミリィ・オスラムと婚約することを誓う!」
この人、多分、何も調べてないよね?
ふわふわいじめられっ子を装って横に引っ付いてるあの子に言われるままなんだろうけど。
「ロイド様ぁ、怖かったぁミリィ。グスン」
「私のミリィ、怖がる必要はない。こうして守っているからな」
「うん、ありがとうぉ、うれしいっ!」
そっか。ああいう可愛げがなかった私も駄目なんだね。
でもねぇ。
私、ううん、我が一族にそれを求める方が無理だと思うんだけどなぁ。
ま、この際どうでもいっか。うん。
「国王陛下、破棄、でよろしいですわね?」
今、入場してきた国王に確認をする。あらあら真っ青な顔色で走ってくるわ。
「この、痴れ者がぁっ!!」
ゴッチィ~ン・・・
「おごぉっ!ち、父上、何を」
「しっかりしてぇっ、ロイド様ぁっ」
「誰ぞあるっ。この謀反人を連れていけぇっ!」
「「「「「む、謀反人!?!?」」」」」
陛下、周りが固まっちゃってますよ。誓約書の事言ってないんですか?
ですが、これは決められたこと。もう戻りません。
「お世話になりました、陛下。それでは失礼いたします」
「ま、ま、待ってくれ、ラーティア嬢。い、今しばらくの猶予をっ!」
「できるかどうか、陛下が一番ご存じのはずですわね?」
「ぐっ・・・そこを何とかっ!」
「さっきのやり取りで無効になりました。誓約書の項目、お忘れですか?」
「そ、それ、はっ・・・!」
服の裾に取りすがられそうになりながら、私は会場から続く中庭まで移動。
ここならいいかしらね。
無駄に高いヒールの底を芝生に打ち付けて、発動!
ぶおおぉぉ・・・
私を中心に巨大な魔法陣が現れて白く輝き、国の結界を消滅させると、魔法陣の脇に座り込んだ国王が泣き出した。
「ああっ。ついに、遂に我が国が潰えてしまうっ!!」
「父上っ!何事ですかっ!?」
「この馬鹿者が!我が国の守護龍を取り逃がしおって!」
「「守護龍ですと(ですって)っっ!!!」」
あ。変化が解ける・・・本来の真白き龍の姿に。
さあ帰りましょうかね。
枷も外れたし。じゃあね。
婚約破棄=結界の消滅は割とあるお話です、が。ドラゴンそのものが居たらどうなるか?が出発点です。それにしても国王陛下、何気にひどいです。
第2回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞に、初めて応募しました。




