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13話 念願の魔法

 今日もいい朝だ。昨日の失態懲りて、今日は早起きをして身だしなみを整える。

 今日からは、ちゃんと授業が始まるので気を引き締めて頑張らないと。

 ……ちなみにだが、昨日の夜はエレナだけじゃなく、イデアとも風呂に入る羽目になったのだが、一昨日よりも思い出したくない記憶となったのだが、これからこれが毎日か思うと朝から気が滅入る。今日から気合入れなきゃ駄目なのに。


「おっはよー!サクラ、今日は準備大丈夫?」

 そんな事を考えている暇は与えないかのように、部屋の扉がノックされる。

「エレナ?今日も来てくれたの?」

 そう言いつつドアを開けるとエレナだけではなく、イデアも一緒に立っていた。

「おはようございます、サクラさん。今日は私も一緒に朝食に同行させて頂きたいのですが、大丈夫でしょうか?」

「あ、うん。良いけど……私も一緒で良いの?」

「もちろん!私はサクラともイデアとも一緒に食べたいから誘ったんだしね!」

「私もサクラさんともっと仲良くなりたいですから。サクラさんさえ良ければ是非!」

「あ…ありがとう……」

「じゃ、早く行こう!食堂でリエトとも合流する約束してるし!」


 懐かしいな、このなんだかドキドキワクワクしているこの感情。俺も昔、小学生の頃の友達と遊んでいた時はすごく楽しかったなぁ。何も考えず、ただ友達と遊ぶ事だけに夢中になっていたあの頃に戻った気分だ。

 実際若返っているから、そう感じているだけなのかも知れないが、それならそれで今を謳歌しよう。まぁ、性別まで逆じゃなければ完璧だったのになとはどうしても思ってしまうが、女だったお陰で、エレナもイデアみたいに良い人とも知り合えたのかなとも思えた。


 その後、リエトとも無事合流果たし、皆で仲良くご飯を食べて、教室に行く。

「遂に俺達も三年生だから、遂にあの授業が始まるな。」

「うん、すっごく楽しみ!」

「え、今日って何か特別な授業あった?」

「なんだ?サクラは別に楽しみじゃないのか?魔法の授業が。」

「いえ、サクラさんは一昨日この学園に来られたばかりなので知らないのだと思います。サクラさん、魔法の授業が受けられるようになるのは三年生からなんです。」

「ああ、なるほど。私も魔法は使ったことないから楽しみかな。」

 でも、それでエレナもリエトもそんなワクワクしてる訳か。


 確か、今日は丸一日使用する魔法の授業だったはずだ。実を言うと俺もここで正しい魔法の使い方さえ学べれば、魔法が使えるようになるのかなと思うと楽しみで堪らないんだけどな。

 それに先んじて勉強していた人以外は同じスタートラインというのもありがたい。

 俺だけが全く知識0の状態でどうやるのって感じで手間取っている時に、皆は当然のように魔法を使えている状況なんて正直嫌だし。


「あ、そろそろ授業も始まる時間だね。皆頑張ろ!」

「うん、頑張ろう。」

 エレナがそう言って、俺達は自分の席に戻ると同時に先生が来て、魔法の授業が始まった。

 午前中は魔法についての座学だった。


 今日は魔法についての基礎の基礎の内容だったので、俺にも授業が理解できた。

 とりあえず授業内容を徹底的に要約すると、どうやらこの世界の人間は、体内で魔素という物質を生成できるらしい。

 そして、この魔素と言う物質は、他の様々な物質に変化させる事が出来る万能物質の事で、この世界の魔法というのは、この魔素を変質させて使用するのだ。

 例えば、火の魔法が使いたければ、火をイメージする事によって、体内の魔素を火に変換して放つといった感じだ。

 俺が最初に魔法を使おうと試したときに、失敗したのはおそらくイメージが曖昧だったからだろう。


 そして、この魔法を使う上で必須となるイメージの手助けをするのが詠唱である。なので、全ての魔法は詠唱は必須ではない上に、詠唱の内容も自分好みに改変出来るといった特徴もある。

 まら形式上、魔法を教える時に名前が無ければ不便という理由で、一部の魔法には名前が付けられている。

 が故に、名前のないオリジナル魔法も数多に存在しているみたいだ。まぁ、個人の思い描いたイメージがそのまま魔法になるのならば、当然と言えば当然だろうな。


 後、人によって体内で魔素をどれだけ作れるか、またどれだけため込めるかは多少個人差があるようで、稀に例外もいるが、基本的に大抵の人は、魔素を作る機能か、魔素を溜め込む機能のどちらかが得意で、もう片方は不得手なようである。


 基本的にはこの体質により、その人の魔法の使い方が変わってくる。

 魔素を作る機能が発達している人は、所謂大技は使えないが、魔素の回復が早く、魔法の継続的な使用が得意である。

 逆に、魔素を貯め込める体質の人は、大技は使えるものの、自身の魔素を無計画的に使うと、暫く魔法が何一つ使えなく使えなくなるデメリットがある。

 だからどちらが一概に優れているとは言えず、その体質にあったスタイルが奨励されているらしい。


 ところどころで休憩を挟みながら、そんな感じの事を学び、午前の座学は終了した。

 昼食後に始まる授業は、魔法の実技だ。

 やっとこさ俺も魔法が使える時が来るのか、と思いつつも、人である以上、とりあえず腹は減るのでエレナ達と昼食に向かった。

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