夜中の砂浜で僕が思ったことは
君は
夜の砂浜
月の明かりたよりに
光る貝殻
探してた
ひとり
砂浜に立つと
波の音が
こわい
誰もいない夜の砂浜
闇の中
月の明かりをたよりに
ひとり
光る貝殻
探してた
海は
どこまでも暗く
こわい
月の明かりだけが
たしかに
わたしを
照らしていた
はっきりと
闇の中
大きく
浮かぶ
月
その
明かりだけを
たよりに
なぜ
貝殻を
探さなければ
いけないのか
なぜ
こんな夜中に
わざわざ誰もいない砂浜に来て
ひとり
探さなければ
いけないのか
問いよりも先に
わたしは
夜の砂浜に
来ていた
ひとり
光る貝殻を
探しに
月の明かりをたよりに
友達を傷つけたことか
別れた恋人を想ってか
自分が
至らなかったせいで
他人を
不幸にしてしまった
そんな想いを想って
誰かを想って
こんな夜中に
わざわざ
遠くの砂浜まで
ひとり
月の明かりをたよりに
夜の砂浜を
歩いていく
貝殻を探すつもりが
いつの間にか
暗い海と
月
をみながら
歩いていた
あてどもなく
闇からくる波は
おそろしい
のみこまれないよう
あまり
みすぎると
ひきこまれる
月だけが
たよりだ
はっきりと
わたしを
照らしている
月だけが
たよりだ
どうしても言い出せなかった
どうしても答えられなかった
どうしても守れなかった
こんなはずじゃ
こんなはずじゃ
なかったのに…
黒い海をみる
座り込む
ひきこまれそうだ
おそろしい
海
あまりにも
ひろすぎる
闇
あまりにも
深すぎる
ひきこまれないように
月の明かりだけをたよりに
暗く光る空をみた
大きく
浮かぶ
月
陸にあがるしかない
もと来た道を
もどるしかない
海と
闇と
光と
月と
この世と
あの世の
波打ちぎわ
その狭間で
濡らしている
泣いているのか
繰り返し
押し寄せる
波に問う
もと来た道を
たどるしかない
自分に泣く
それでも
生きる
自分に泣く
月も泣いているのか
わたしだけを
照らしていた
暗い
夜の砂浜で
まだ
しっかりと
踏みしめて
歩くことは
できないが
帰ろうと思う
あの人の
いる場所へ
まだ
できることが
あるなら
それを
探しに
帰ろうと思う
あの人の
いる場所へ
光る
貝殻を
探して
あの人のもとへ
夜中の砂浜で
みつけた
光る貝殻
それを
たよりに




