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08:40-09:20 召喚


 ここは、とあるマンションのリビング。広さはないが掃除が行き届いており、テーブルには一輪の花が飾られている。



「な・ん・で、もっと早く起こしてくれなかったっスかッ! かーちゃん!!」


「社会人にもなって何甘えた事言ってんの! 自分で起きてくるのが当たり前でしょ!!」



 開口一番に少々甘えた台詞を吐いた男。名を、木城(きじょう)悠馬(ゆうま)という。


 悠馬は約一月後の十月に誕生日を迎える十九歳。……にもかかわらず百六十センチに満たない身長と童顔で、一見して中学生にしか見えない。



「スーツどこっスかッ!」


「そこに掛けてあるでしょ!」



 こんな見た目ではあるが、悠馬はれっきとした社会人。国内外の食料品などを扱う小さな商社に勤めている、入社ニ年目の営業マンである。



「かーちゃん! 靴下は!?」



 普段はそれなりに規則正しい生活を送っており、寝坊など滅多にしない。ただ、祝日であった昨晩は高校時代の友達に誘われて、現役の大学生・専門学生達のノリに流されて、ついつい遅くまで盛り上がってしまった結果――



「ああもうッ!」



 このように涙目で慌てる事になった。現実は非情である。



「パン焼いたけど?」


「頂くっス!」



 パンにはしっかりとマーガリンが塗られている。


 木城典子(のりこ)、四十三歳。彼女は既に出勤の準備を終えている。職場が近所にあるため、悠馬と違って慌てる必要もない。悠馬が起きて来るのを待っていたあたり、優しい母である。


 悠馬はフガフガとパン咥えながらリュックに水筒を押し込み、玄関へ走って革靴を履く。



「ひってくフっス!」


「気をつけて行きなよッ!」



 パンを飲み込む間もなく玄関を飛び出し階段を一気に駆け下りると、駐輪場に停めてある自分の自転車に跨がった。



「ヤバイっス。……完全に遅刻っス!」



 そう呟きながら必死にペダルを回す。しかし、得てして急いでいる時に余計な足止めを食らうものである。今、悠馬の目の前で、幹線道路を横切る横断歩道の信号が赤に変わった。



「ゼエ、ゼエ。……フゥ」



 悠馬は天を仰ぐ。大きくため息をつきながら、ズボンのポケットから年季の入ったスマートフォンを取り出した。

 社会人の基本であるホウレンソウ――報告・連絡・相談のためである。



『―――、――ガチャッ』



 間もなく反応がある。



『はい、なろうグローバルフーズで「あッ、社長っスか!? 自分っス、木城っス!!」



 通話口から落ち着いた男性の声が聞こえるなり、悠馬は喋りだす。まるで落ち着きがない。



『……木城くんでしたか。どうしましたか?』



 通話相手の男性は、成田(なりた)一郎(いちろう)六十ニ歳。悠馬が勤務する商社の社長であり、悠馬の直属の上司でもある。



「すみません。その、今朝は少し遅れてしまうかもしれないっス」


『分かりました。……何か、あったのですか?』


「ーーッ!」



 悠馬は声にならない悲鳴を上げる。正直に寝坊しましたなどと答えるのは、一端(いっぱし)の社会人として少々恥ずかしい。遅刻には正当な理由が必要である。



「ええと……っスね」



 その理由について全く頭に無かった悠馬は、当然慌てる事になる。結果、次の言葉を口にした。




「と、トラブルに巻き込まれたっス!!!」




 ―――これはない。


 相手に無用な心配をかける上、その『トラブル』とやらの詳細を聞かれた時には再度、自分自身が困る事になる。悪い意味での典型例であろう。



『それは、大丈夫ですか? どうか今は無理をなさらず。落ち着いたらまたご連絡下さい』


「あっハイ、了解っス。……すみません」



 通話を切り自己嫌悪でガックリとうなだれる。大きくため息をついて顔を上げると、目の前の横断歩道の青信号が点滅しているのに気がついた。



「急がないとっス!」



 再び足元のペダルを踏みこんだ。その時——―






「……?」



 突発的な破裂音を伴い白いスパークが瞬く。一つが現れたに続き、二つ、三つ、そして無数のスパークが悠馬の視界を占める。



「ちょッ!」



 視界が白で埋め尽くされる。



「うあッ!!」



 バチンと一際大きな音が鳴り、強烈な光が悠馬の目を焼いた。



――――

―――




「………?」




 ゆっくりと感覚が戻ってくる。すると悠馬の耳に、金属同士のこすれる音に混ざった人の声が聴こえてくる。



「おぉッ!」

「成功したのか!?」

「さすがはジェームズ様」

「……なんか妙に小さくないか?」


「ーーーーッ!?」



 完全に回復した悠馬の視界に入ったそれは、まさに騎士の集団であった。

 胸、腰、足を覆う板金鎧に頭を覆う鉄兜。砂埃で汚れ各所に大小の傷が刻まれた品々は、それらが本物である事を物語っているように見える。そういった装備品に限らず、その内側から覗く顔や腕にも傷を持つ者が多い。

 そんな厳つい集団が悠馬を囲い、ギラギラとした視線を悠馬に集中させているのである。はっきり言って怖い。



「な、な、な、な」



 場所は屋内のようであり、地面のアスファルトは石畳になっていた。悠馬を中心に蛍光色の円が大きく描かれており、さらに複数の記号を重ねたような複雑な紋様が描かれている。



「勇者様ッ!」


「ふぁッ!?」



 悠馬の背後から、太い男の声が響いた。悠馬が恐る恐る振り向くと、そこには一人の大男が仁王立ちしている。



此度(こたび)は我ら召喚の式にお応えくださり、心より感謝いたします。勇者様」



 赤茶色の整えられた口髭を生やした、外国人風の美丈夫(イケメン)。年は三十を越えた所か。悠馬に比べれば間違いなく年上であろう。

 周囲の騎士と違って鎧を着ておらず、赤地にきらびやかな刺繍(ししゅう)が施されたローブを羽織っている。周囲の騎士達よりも頭一つ背が高く、ローブの隙間から見える胸板も厚い。



「……ええと、そのユウシャ? って自分っスか?」



 恐る恐る悠馬が尋ねると、対面の大男は笑みを深めて首を縦に振る。悠馬が困惑しつつ周りを見渡せば、周りの騎士達も同様に首を縦に振る。



「いやいや。自分、ユウシャなんて人じゃないっスよ! 悠馬って言うっス。木城悠馬っス!」


「ほぅ、勇者様はユウマ様と仰るのですか。失礼しました、私はジェームズ・クドゥルと申します。ユウマ様には是非ともその勇者としてのお力を……」


「いや、だから自分ユウシャなんて人じゃ……」



 言葉はだいたい(・・・・)通じるものの、肝心の中身が噛み合わない。途方に暮れそうになった悠馬は、はっと我に帰った。



「大変っス! 今何時っスかッ!?」


「時間ですか? 先ほど四の鐘がなったばかりですが」



 四の鐘とは何の事か。悠馬は顔をしかめてズボンのポケットからスマートフォンを取り出した。

 そこに表示された時刻は、九時三分。会社の始業時間を過ぎている。



「こんなことしてる場合じゃないっス! 自分、急いで行かないといけないっス! 会社に遅刻してしまうっスよッ!!」



 突然荒れだした悠馬に、対面の大男――ジェームズは首を傾げた。



「ユウマ様? その、『カイシャ』というのは「という事で自分もう行くっス! っていうか、ここどこっスかーーッ!!」



 悠馬が見る限りにおいて、この場所は少なくとも通い慣れた通勤経路のそれではない。日本であるのかすらも怪しい未知の景色である。

 頭を抱える悠馬に対し、相対する大男は次のように回答した。



「ここは我らがグルーナ公国の北端、魔族領との境に位置するキレス砦という所です。確かに、召喚に応じて異世界から来られたユウマ様にとっては新天地になるのでしょうな」


「ん? 異世界……? 召喚!? 異世界召喚って、どういうことっスかッ!!」



 聞いたことのない国名と何よりも『異世界』などという不穏な言葉に、悠馬は大きく目を剥いた。異なっていたのは国ではなく、世界そのものであるらしい。

 ちなみに、昨今のアニメや小説などで度々登場する『異世界』の概念であれば、悠馬も大体知っている。悠馬が昨晩会った友達の間でも話題に挙がり、中には得意気にうんちくを語った友人もいた。



「うわぁ。本当に圏外っス。……こんなの困るっス! 早く元の世界に帰して欲しいっスッ!!」



 悠馬は激しく憤る。しかし元々のタレ目と童顔が災いし、まるで迫力がない。


 それでもジェームズは、憤る悠馬に戸惑った表情を見せる。すると彼は悠馬から視線を外し、自身の隣に向いて口を開いたのである。



「アネリアよ。その、我々に何か落ち度はあっただろうか?」


「勇者召喚の式そのものは、特に問題なく成功したように見えたけど」



 長身であるジェームズの陰に隠れていて悠馬は気付かなかったが、果たして、そこには一人の少女がいた。

 小柄な悠馬と比べても頭一つ背丈の低い少女。目深に被ったフードから、紺色の髪がこぼれている。意図して染めたものでない限り、地球上ではまず存在しない髪色である。



「ユウマ様。質問、良いです?」



 アネリアと呼ばれたその少女は、未だ憤る様子の悠馬に声をかけた。



「何っスか? あと自分のことは悠馬で良いっスよ。呼び捨てで良いっス」


「……ではユウマ。ユウマはなぜそんなに急いでる? ひょっとして、その『カイシャ』という人と会う約束をしていた?」


「へっ?」



 彼女の質問に、悠馬の声が裏返った。



「会社という人……ぶふッ! いやいや会社というのは人じゃないっスよ! 自分が働いている場所のことっス」



 質問はある意味で的を得たものであったらしい。一瞬にして機嫌が直った悠馬は自転車を降り、背負っていたリュックを開けて幾つかのパックを取り出した。



「これは乾燥みかんの試供品っス。国産の良質なものを使ってるっス! 冬に限らず年間通してみかんのちょっと変わった風味が楽しめる、うちの会社でも人気の商品なんっスよ」



 自社で取り扱う商品の宣伝文句が、口からよどみなく流れていく。



「ちょっと手を出して欲しいっス」


「……こう?」


「ハイ、どうぞっス」



 悠馬に言われるがままにアネリアが右手を出すと、その上に、パックから取り出されたオレンジ色の物体が乗せられた。



「…………」



 ここ異世界――もといグルーナ公国にも、ミドラという柑橘系の果物がある。悠馬から渡されたそれは、ミドラに似ている。

 アネリアはある種の予感めいたものを感じ、それを口の中に入れた。すると、それを噛みしめるごとにミドラ以上に濃厚な甘みが口の中に広がったのである。




「―――おいしい」




 アネリアは目を輝かせる。悠馬は笑みを深くして、パックに入った乾燥みかんをジェームズや周りの騎士達にも配っていった。

 アネリアの様子を見ていたジェームズと騎士達は、一つずつ配られたそれを、次々と口の中に入れていく。



「む!」

「乾いているが中々イケるな」

「俺は普通のミドラの方が好きかな?」

「いや、私はこちらの方が好みですよ」


「他にも海外から取り寄せたナッツもあるっス。こっちも食べてみると良いっスよ!」



 思いがけぬ所から降って湧いたご馳走に、騎士たちは大いに盛り上がる。悠馬はそんな騎士たちの様子を嬉しそうに眺めていたが、その表情が次第に切なげなものに変わる。



「今日は、確かトニーさんと打合せがあったっスね。今日こそ新作ピザのサルサソースを決めたかったっス。あと、幼稚園に食育のパンフレットを渡して、帰りに木村さんと山崎さんの家にも寄ろうと思っていたっス。……二人とも高齢で一人暮らしだから、ちゃんとやれてるか心配っスよ」



 黄昏れた様子で悠馬をアネリアはじっと眺める。間もなく彼女は目を伏せて、小さくため息をついた。



「? どうしたのだ、アネリアよ」



 そのため息を耳に拾ったジェームズが問う。すると彼女の懸念が、ジェームズだけに聞こえるように語られたのである。




「ジェームズ。ユウマは勇者である前に一人の人間。向こうの世界での仕事、生活、友人、家族がある。……あった、と考えるのが自然」



―――



 一泊の時が流れた。


 ジェームズから滝のような汗が流れ出す。


 その目は大きく見開かれ、瞳が激しく左右に揺れる。そうした様子は、勇者であれば義に厚く勇気に満ち溢れ、快く我々に協力してくれるに違いない! ……などとの身勝手な思い込みを打ち砕かれた哀しき中年男に見えなくもない。



「ええと。その、勇者……ユウマ様」


「自分のことは悠馬で良いっスよ。呼び捨てで良いっス。自分、そんな偉い人じゃないっスから」


「うむ。ユウマ殿は、その……」



 ジェームズが何かを言いかけた、その時




「敵襲ーーーーッ!!!」




 カン、カン、カン、と乾いた鐘の音と共に、男の怒鳴り声が室外から聞こえたのである。



「今度は何事っスか!?」



 突然の騒ぎに悠馬は狼狽うろたえる。そんな悠馬を尻目に、ジェームズは一瞬にして表情を引き締めたものに変えた。



「ユウマ殿。すみませんが、この場で少々お待ち頂いて宜しいですか? 私は戻り、指揮を執らねばなりませんので。……アネリア、ユウマ殿を頼む。他の者は私と来てくれ」



 そう言うと、ジェームズは全ての騎士達を引き連れて慌ただしく去って行った。この場には悠馬とアネリアの二人だけが残される。




「一体何の騒ぎっスかね。ええと、アネリアさん?」


「ユウマがこちらの世界に呼び出された原因。それと私の事は、気軽にアネさんと呼んで欲しい」



 フードを外しながらアネリアは答える。すると『アネさん』などとの軽すぎる呼称を遥かに凌駕するものが、悠馬の目に映った。



「……え」



 それは両サイドの青髪から大きくはみ出した、長く尖った耳である。日本のアイドルに匹敵する可愛らしい目鼻立ちも相まって、非現実味を帯びている。



「見ての通り私はエルフ。別にどうという事ではない」



 アネリアは無表情のまま淡々と告げる。



「いやいや。自分エルフなんて初めて見るっス。ていうか、その耳本物っスか? ちょっと触ってみて良いっスか?」


「それよりも、あれに触って欲しい。勇者としての力を確認する」



 悠馬の要望は素気すげなく断られた形である。アネリアが示した先には、ボウリングの玉を一回り大きくした程度の水晶玉が鎮座していた。



「あれに触れば良いんスね?」



 水晶玉を確認した悠馬はのこのこと近づき、あっさりとそれに手に触れる。

 ……異世界などというまるで知らない場所において、このように警戒心が全く無いのはいかがなものだろう。例えば召喚されたばかりで知識が無いのを良い事に奴隷契約を結んでしまうといった話は、悠馬も昨晩友人から聞かされたばかりであるが。



「おお……!」



 幸い、水晶玉に触れてもいかがわしい罠などが発動する事はなかった。悠馬が触れた手先から水晶玉は光り始め、表面に記号の羅列が浮かび上がったのである。



「光ったっス。ん? 中に何か書いてあるっスね。何て書いてあるっスか?」



 水晶玉の反応に、悠馬は一人ではしゃぐ。そうした悠馬の背後で、アネリアは独り表情を曇らせた。



 水晶玉は『鑑定球』と呼ばれるものであり、触れた生物の情報を読み取って文字として表示する機能を持つ。この際、その生物の力の源である魔力を使って発光する性質がある。その光量で、その生物の魔力量――(おおよ)その強さを計る事ができる。


 光量から見積もれる悠馬の力は、ここキレス砦の騎士の見習い達と同程度。勇者はおろか、ここでは最強の一角とされるジェームズやアネリア自身にすら遠く及ばない。



「……はぁ」



 アネリアはため息をつきながら『鑑定球』に近づく。悠馬の横から表面を覗き込み、そこに映る記号――この世界における文字の羅列を読み始めた。



「ユウマ・キジョウ、十九歳。巻き込まれた異世界人。……『巻き込まれた』?」



 アネリアは目を見開き悠馬に向いた。かと思うと、そのままの表情でゆっくりと『鑑定球』に視線を戻す。



「ユウマは『巻き込まれた異世界人』。『勇者』とは、一言も書かれていない。けど、さっきの勇者召喚の式は確かに成功を示した。これは……どういう事?」


「大丈夫っスか? ええと、アネさん?」



 ただならぬアネリアの様子に、悠馬は戸惑いつつも声をかける。しかしその声に反応を示さないまま、アネリアは独り言を続ける。



「もしかして、ユウマではない別の勇者が召喚された? だとするとその人は今どこに。砦の中であれば誰かが気づくはず。まさか、砦の……外」


「アネ……さん?」


「探しに行かなくては」



 アネリアは『鑑定球』を両腕に抱え込む。そして、虚ろな表情でふらふらと歩きだしたのである。


 実際には優れた魔道士であるアネリアだが、その少女の見た目から予測される通りの筋力しかない。『鑑定球』の重みでプルプルと両腕が震える様は、見るからに危なっかしい。



「ちょッ、危ないっスよアネさん! それ、自分が持つっス。ちょっと失礼するっスね」


「あ……」



 アネリアの様子を見かねた悠馬は、彼女の両腕から『鑑定球』を奪った。



「っと、と、と、……意外に重いっスね。コレ」



 男らしく奪ったのは良いが、男の悠馬にとっても『鑑定球』は重いらしい。


 アネリアのじっとりした視線を受けて悠馬は焦る。咄嗟に、たまたま目についたそれ(・・)を使うことを思いついた。



「よいしょっと」



 悠馬はスタンドを立てた状態の自分の自転車(・・・)に近づくと、その前かごの縁に『鑑定球』を嵌めたのである。



「……ふぅ。で、どこに運んだら良いっスかね?」



 自転車のハンドルを支え、悠馬が口を開いた次の瞬間




「―――え?」




 大量の光が、『鑑定球』からあふれ出たのである。


 記号の羅列が表面を走る事で室内に壮大な影絵が形成される。そんな幻想的とも言える光景に、悠馬とアネリアは立ちすくんだ。



「お、おお……!?」



 やがて、徐々に明滅を繰り返すようになり、最終的にピシリと亀裂音を立てて消灯した。そこから焦げ臭い匂いが漂いだす。



「目がチカチカするっスよ」


「…………」



 目を擦りながらぼやく悠馬の背後で、アネリアは、大きくヒビが入って記号の焼きついた『鑑定球』と、それを乗せている自転車とに、鋭い視線を向けるのである……。


・挿絵追加してみました(2020/5/10)。

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