閑話1 〜青少年カリム君の、不愉快な日常〜
ちょっと健全な青少年の妄想・・・的な内容になってます。夢オチなのでリアルではないですが、クダラナイ度MAXです。
俺の夢に、最近よくこの女が出てくるのは、一体なぜなんだろう?
確かに顔はちっと整ってるだろうけど、やせっぽちで胸だってねえ、姫の身代わりのくせにガサツで常識知らずで、時々ヘンタイで……
そうだ、こんな感じで……
* * *
「ねぇ、カリム?」
ああこれは夢だ。
「私と、一緒に寝て?」
夢だろ?
「カリムの、筋肉好き」
夢だよな?
「カリム、体温高くてあったかい」
夢だって、絶対!
「カリムの……」
夢だって言ってくれよ!
(……)
「お○っこも……」
夢夢夢夢夢……
(……ぃ)
「あったかいよ?」
夢だーーー!!!
(……ぉぃ)
「カーリム?」
てめーは夢魔だ!怪物だ!
(……ぉい)
「ねえ、ちゅーしよ?」
(……おい!)
「するかボケー!!!」
ガバっと起き上がった瞬間、俺の顔面は、何かもじゃもじゃとしたものに接触した。
そのもじゃの中の、何かふっくらやわらかいものが、俺の唇に当たったような気がする。
「てんめぇ……」
そこには、日焼けした顔を真っ赤……を通り超して、ドス赤黒く染めて、額に青筋を立てたひげもじゃがいた。
「てめえの分まで部屋がねーからって、俺の寝床半分貸してやったらよ……」
ひくひくと、赤い唇をひきつらせながら、ヒゲは俺のシャツの胸倉を掴んだ。
ああ、殺られる。
絶対、逃げらんねえ。
「どんだけエロい寝言ぬかしとんじゃー!!」
その後、俺は盗賊オヤジの年季入り拳骨ボコボコにくらって、ヒゲの部屋を追い出された。
「欲求不満は、女で解消しろっ!!」
痛かった。
でもこれが、オヤジの愛のムチってやつなんだろうな。
オヤジという存在が居ないまま育った俺は、イテーと呟きながらも、なぜかちょっと胸が熱くなったのだ。
* * *
しかし、その時偶然早起きして、ヒゲの捨て台詞を立ち聞きしていたリコに、
「カリム君はー、だれのことでー、どんだけ欲求不満なんでちゅか〜?」
と、しばらくまとわりつかれたことで、俺の胸の温度は一気に急降下したのだった。
↓次号予告&作者の言い訳(痛いかも?)です。読みたくない方は、素早くスクロールを。
どーしてもヒゲが出したかったんです。ヒゲは黒と赤ってイメージで。
しかしカリム君は、第二章以降ではイカスキャラ予定だったんだけど、こんなヘタレ、いや健康優良児なネタは想定外?彼は別にサラちゃんのこと特別好きとかじゃないはずです。たぶん。この直後にサラ生ちゅー見て鼻血直前でしたというオチ。
次回は、ドッキドキ王道ファンタジー下克上バージョン目指します!常に目指してますが特濃4.2レベルで。