換金所
俺とマーガレット、浅井さんは換金所へ向かう。1人瀕死状態になっている神田主任は放っておいた。
もう一生会うことはないだろう。
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換金所に着くと人は全くおらず、ガラガラであった。
「やっぱりあの馬当てた人が少ないのか換金所にも人が少ないね」
10000倍の馬券を当てたことを少しずつ実感しようと試みるも、俺はまだ夢見心地だ。
「はい、おばさん、これ当たり馬券!」
マーガレットが600万の馬券を差し出した。
「あら!あんた当たったのかい!?嘘おっしゃい!おばちゃん、ちゃんと辞めとけって言ったんだからね!600万も馬券に突っ込むなんて馬鹿だよって!当たってるわけ……」
おばちゃんが馬券を確認する。
「嘘だわ。こんなこと35年働いてきて初めてよ……」
おばちゃんは急いで何やら調べ始める。
「600億の払戻金のマニュアルなんてあったかしら?新人時代もそんなこと教えられてないわ!どうしましょ!」
おばちゃんは必死で調べてくれる。やがて該当のページが見つかったようで戻ってきた。
「どうすればいいか分かったわ。600億に関しては今ここで現金で払うことは無理だから、銀行口座に振り込むみたい。とりあえず、ここに口座の情報書いてくれる?」
天谷は渡された用紙に必要事項を記入し始めた。
「嘘嘘嘘……こんなことほんとにあるのね……私鳥肌立っちゃったわ。ごめんね、お嬢ちゃん、買うななんか言っちゃって」
「いいのいいの。私気にしてないわ。それよりも、おばさんが丁寧に買い方教えてくれたおかげですわ」
「なんて良い子なの……」
マーガレットは後ろで棒立ちしている浅井さんをおばちゃんに差し出す。
「おばちゃん、まだ仕事終わってないですわ」
浅井さんはマーガレットに貰った馬券を差し出す。
「すいません、これもお願いします」
「あんたら、何者なのよ!まだあるのかい!」
おばちゃんは馬券を確認する。
「なんだ、500万か。大した額じゃないね。これくらいなら現金で用意できるよ。どうする?現金で今日持って帰るかい?」
おばちゃんは話終えてから気づく。
「いや!500万も相当ヤバイ金額やないかい!600億見た後だから感覚麻痺してたけど500万も大金やないかい!」
「あ、それじゃ現金でお願いします」
おばちゃんは1人ノリツッコミしながらお金を詰めてくれた。
浅井さんは500万が入った紙袋を持つ。
「はい、おめでとうさん。こりゃ凄いクリスマスになったねぇ」
おばちゃんは最後までうるさかったが、マーガレットはおばちゃんを気に入っているようで、名残惜しそうに手を振り別れていた。




