欠けたピース
「おい!マーガレット本当なんだな?レースの映像を見たんだな?」
「……はい。今ここで見たお馬さん達が走っている映像が見えました……」
「それで、どの馬がゴールしていた?」
「えっとぉ、すごい速さだったし体同士被っていたのでよく分からないんですけど、緑の帽子をかぶった人が1着でした。2番目のお馬さんは8番でした。手前でしたので見やすかったです。3番目は……1番のお馬さんか12番のお馬さんです。ごめんなさい被っててどちらかは判断つきませんわ。あとは、ごめんなさい。分からないです」
「すごいぞ。マーガレット。こんだけ分かれば十分すぎるくらいだ」
俺は急いで騎手の被っている帽子の色を調べた。濃い緑の帽子を被っている騎手と薄い緑をかぶっている騎手がいた。
「なぁ、マーガレット帽子の色は何色だった?薄かった?濃かった?」
「そんなこと言われましても、一瞬で過ぎ去ってしまいましたし、帽子の濃さなんてよく分かりませんでしたわ。それにそんな事はどうでもいいではありませんか。お馬さんを眺めましょう」
「どうでもよくないよ!帽子の濃さ、今むちゃむちゃ大事だから」
いや、まてまてまてまてまて。
どうでもいい。どうでもいい。どうでもいい。
この際、帽子の色なんてどうでもいい。マーガレットは3着まで予測してくれてるんだ。
俺は馬鹿だ。全通り買えばいいだけの話じゃないか!
「すまん、マーガレット。帽子の濃さどうでもよかった。ちょっと俺行くとこあるから、ここで待ってな」
「え?いや、ちょっと待って私も行きます!」
俺は馬券売り場に直行しながら、買うべき馬券を頭の中で整理した。
1着 薄い緑か濃い緑 つまり 14か19
2着 8番 ありがとうマーガレット
3着 1か12
つまり俺が買うべき馬券は2の二乗で4通り。
これだ!
14-8-1
14-8-12
19-8-1
19-8-12
この四通りの中に必ず当たり馬券はあるんだ!
俺は手持ちの金38万から五万づつ支払い計4通りの馬券を購入した。
「何をやってるですか?天谷様」
「馬券を買ったんだよ。今お前が見てくれたレースには金をかける事ができるんだ」
「え?あのお馬さんのレースはお金がかかっていたのですか?」
「……今まで説明してなかったな。そういえば」
「じゃあ、今買ったものは」
「そうお前が見えたお馬さんの順位通りの馬券さ」
俺とマーガレットは4枚の馬券、計20万の馬券を握りしめてレースを見守る。
ファンファーレが鳴り響き、20万の馬券を賭けたレースが始まった。




