大儲け
「よし!分かった。下がるんだな」
俺はパソコンに向かい、下がる方向に賭けることにした。
いくらくらいかけるべきだ?マーガレットのこの能力は本物だと思うが、万が一ってこともあるだろうし……
俺は考えた結果、17万の残金のうち10万円賭けることにした。全部かけてもいいけど、まだちょっと怖いしやめておこう。
それにもしこれが当たれば何度でもして貰えばいいだけの話だし……
俺は下がる方向に10万円賭けた。FX自体初めてなことだったのでよく分からなかったが、現在のプラスマイナスの状況が画面に表示されており分かりやすい、
グラフが上下するたびに、10万円が9万円代になったり、11万円代になったりする。
ドキドキしながらグラフを見守っていると……
ガクッ!
赤い線が下がり始めた!マーガレットの言った通り、下がり始める。
ガクッガクッと二段階に分けて大きく下がったグラフに比例し、画面の10万円の文字が大きく跳ね上がっていた。
数分後、画面を確認すると10万円だったところの表示が信じられない数字に変わっていた。
【48万】
「え?嘘だろ。この短時間で48万だと?」
「どうしたのですか?天谷様?わたしの言った通りになってますか?」
「いや、なったよ。怖いくらいなってるよ」
「……それならよかったですわ!」
数分だ。
ものの数分で10万が48万になった。
たったの数分で38万円も増えた。
俺は下がったタイミングで売り抜け、38万円の儲けを確定させた。
すごい……やはりマーガレットの予測は未来予知みたいなものなんだ。マーガレットと協力すればあっという間に億万長者になれるぞ!
「……おい、マーガレット。今のもう一回出来るか?」
「……え?またやるんですか?一体何回やれば良いのでしょう?」
と言いつつも、マーガレットは渋々スマホの画面を眺めてくれた。
とりあえず付けていたテレビからは下らないコメンテーターが何やら話している。俺はもうテレビの声なんて一切入ってきていなかった。
「どうだ?マーガレット?分かったか?」
「もうちょっと待ってください」
しばらく音量の小さなテレビの音だけが部屋に響く。俺はもう何も話さず、ただただマーガレットの吉報を待つ、
「えーっと、上がります。とりあえず、赤い線は上がります」
マーガレットはスマホから手を離し、フーッと声を吐いた。
「ありがとう!」
俺はパソコンに向かった。45万だ。とりあえず少しだけ残しといて後は有り金全てをつぎ込もう!これはもう確実と言ってもいいんじゃないか!?
45万をつぎ込み、チャートの行方を固唾を飲んで見守る。
俺の後ろの方でやっとテレビに気づいたのかはしゃぎ出すマーガレット。
今は無視だ。テレビの説明はあとでしてやるとして、今は大事な金の案件だ。
そうこうしてるうちに線に動きがあった。
グン!グン!
カクッカクッと線が上がり始めた。やはり、マーガレットは予知能力を持っているんだ!
凄い!凄いぞ!信じられない!
天谷は画面に映る金額が信じられなかった。
402万
開設してたった20分の出来事である。