冒険者
冒険者が倒れている。
どうやら見た感じ怪我を負って動けなくなって閉まったのであろう。
意識はあるかないか分からんが、木に寄りかかり、息を切らすようにしていた。
取り敢えず声をを掛けるか。
「おい、アンタ大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫じゃないんだ。先程モンスターにやられて腕が動かないんだ。」
どうやら結構やばいらしい。
「俺で良ければ何か手伝えることはあるか?」
「俺のサイドバッグについてるポーションを出してくれ。」
言われた通りサイドバッグから青い薬が入った試験管のような物を取り出し、蓋を開ける。
「それを俺の口に入れてくれ。」
ポーションと言われた物を注いだ。
すると、動く気配のなかった腕が動き出したのだ。
「ありがとう、助かったよ。俺の名前はヴェル。先程、ブラックゴブリンにやられて、こうなってしまった。」
「俺の名前は立花奏。俺はこの世界から違う世界から人間で、先程ゴブリンと戦闘して、今ここに至る。」
「なるほど、流れ人か。ゴブリンのことを聞きたい。どんな色だった?」
「緑色だったよ。」
「なるほど、普通のか。そうだな、流れ人なら今から話す話を真面目に聞いて欲しい。」
彼をそう言って立ち上がった。
「はい、わかりました。」
「君は誰に呼ばれた?」
「えーと…いきなりです。気づいたらこの世界にいました。」
「召喚ではない…では、転生とか?」
「いえ、死んでないです。」
「とすると、君は真の意味で流れ人なんだね。」
「あの…先程から言っている流れ人とは?」
「流れ人、誰かに召喚又は転生で来る人の事だ。例えば、召喚陣を用いたもので城とかに呼ばれたり、神様に転生のチャンスを貰い、どこかで転生する。そして、共通点はこの世界に来た時点で強力なスキル、魔術、肉体的な能力を得て来るものだが、君からはそういうものを全く感じられない。」
「詳しいんですね。」
「まぁ、結構来るからね。年に20〜30人くらいは来てるみたいだね。」
「で、君でも流れ人ならある特性があるんだ。」
「特性?」
「あぁ、それはユニークや特殊なスキルを除くスキルなら条件が揃えば全て適性がある。」
「す、すごいですね。」
「すごいが、これは実は一般的な流れ人には関係ない。なぜなら彼らが持つものはユニークや特殊なスキル、それに匹敵するなにかがあるからだ。しかし、君場合はそういうのがない。」
「何故ないって言えるんですか?」
「流れ人ならある程度、先程の該当する何かを持っているのがわかるくらいの何かを感じるのだ。俺も何人も…いや、何十人も会ってきている。だが、キミにはそれがない。ということはさっきの君の話であったように意図的にここに呼ばれたわけではない。何かしらの因果で転移してしまった。だから、何もないんだ。」
「えーと、俺って結構まずい感じですか?」
微妙な顔でヴェルを答えた。
「あぁ、不味いね。だって、この世界で固有の能力がない状態で来るなら村人の方が強い。幸い、スキルに関する適性が有利ってことはあるが、それだって条件が緩和され取得し易いと言ったって全てのスキルを取ろうものなら一生がやっても恐らく終わらんだろうし、1つのスキルを最大に上げるのも大変だ。なので、本題に入ろう。」
「はい。」
マジかよ。俺やばいのかよ。
「今すぐ取得できて、これから取り敢えず生きれるようにするために簡単かつ使い易いスキルを今すぐ取得しよう。」
「手伝ってくれるんですか?」
「あぁ助けてくれたお礼にね。」