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優しい香り

作者: 膝野サラ

ある日彼女はこう言った。

「私この名前嫌いなの。私優しくないし。」


そしてまたある日の彼女はこう言った。

「私死にたいんだけど、自殺するの嫌だし、誰かに殺してほしいの。」




彼女はどちらかというと、

人よりやんちゃな子。

口も悪くすぐ人の悪口を言うし、

正直僕のタイプではなかった。

でもどこか彼女に惹かれるところがあった。


彼女と付き合ったのはつい数ヶ月前の事だ。

僕は学校に行く準備をしていた。

そんな時携帯を見ていると、

彼女がTwitterで何かをつぶやいた。

何をつぶやいたかは覚えていない、

僕はそれを見て彼女にLINEを送った。


当時僕と彼女はそれほど仲が良いわけでもなく、

LINEで何度か喋った事があるだけだった。


そして彼女に、

「大丈夫ですか(?)何かありましたか(?)」と、送っていた。


おそらく彼女はTwitterで、

「しんどい」みたいな事をつぶやいていたのだろう。


すると彼女は、「大丈夫じゃない笑」そう言った。


その後話を聞いていくと、

どうやらクラスに馴染めず、

始まったばかりの高校生活に慣れないとの事だった。


僕はB組、彼女はA組だったが、

僕は部活を通じてA組の人と仲良くしていたが、

僕もクラスには馴染めていなかった。


そして30分くらいLINEで話したあと、

彼女がこう言った、

「今日学校行く?」


僕は、「体調いいし行くよ、行かなくてもいいけど」

そしてそれに続くようにこう言った、

「でも学校休んでどこかに行ってしまいたい気分」


すると彼女はこう言った。

「私もどっか行きたい気分やわ笑」


そして僕は彼女になんとなく、

学校を休んでどこかに行こうと誘ったのだ。

「逃亡するかい?」と。


すると彼女は、「逃げよっか笑」と、返信してきた。


そして僕たちは遊ぶ場所を、

ショッピングモールに決めた。

僕は電車で、彼女は自転車で現地集合。

お互い近かったためそこまで時間もかからなかった。


そしてショッピングモール近くの駅から、

ショッピングモールまでの間、

印象にも残らないようなたわいもない話をしていた。

そしてショッピングモールに着き、

広いショッピングモール内を歩き回った。


しかし僕も女性と出かける、

つまりデート的なものは初めてで、

何を買うとかでもなく僕たちは椅子に腰掛けた。

やはり暇な人間同士が集まっても、

暇な現状は変わらないのだ。


できるだけ暇というものから遠ざけるために、

いろんな話をした。

お互いの家族の事。

お互いの学校での事。

お互いの中学時代の事。


そうしている間に僕と彼女は打ち解け、

彼女の誘いでプリクラなるものまで撮った。


その後特に何をするわけでもなく、

結局ショッピングモールを出た。

そして帰り際彼女と外で立ち話をしていた。


そしてどっちかが告白をしたというわけでもなく、

自然と僕らは付き合うことになった。


そしてその週末には花火大会に行ったりもした。

僕にとっては数年ぶりの花火大会だった。

田舎の花火大会なのでそこまで迫力はなかったが、

とても綺麗だった。

花火も彼女も。


そしてそれからは僕も彼女も学校にはあまり行かなくなり、

LINEでのやり取りが主流になった。


彼女は人付き合いが苦手なのか、

いつも誰々が嫌いなんてことを言う。

おそらく人自体あまり好きではないのだろう。

それでも僕のことは好いてくれているみたいだ。


壮大な青春をしたくなるような夏前の、

梅雨のジメジメした暑さが出てきたある日、

彼女はこう言った、

「私もうすぐ学校辞めることにした」

「学校辞めてバイトしてそのお金でいっぱい遊ぶの」


僕はそう驚かなかった。

前から辞めたいとは言っていたし、

彼女らしかったからだ。




そしてその1週間後、

彼女は完全に学校を辞めた。

早速翌日からバイトを始めるそうだ。


彼女からその報告をされ、

僕は彼女に訊いた、


「辞めてみた気分はどうだい」


すると彼女はこう答えた。


「普通かな笑」


彼女らしいや。






そしてそれから一ヶ月。

向こうのバイト、

僕の体調などで会う事どころか、

LINEをする事も無くなった。

そしてある日僕は彼女に久々にLINEをした。




「今少し話せるかい?」


「何?久々やね笑」


「僕ももう直学校辞める事にしたよ。」


「あらら笑まじですか笑」


「人間関係で色々とねw」


「まあ頑張って。」




そろそろ本題に参ろうか。




「もう勘付いているかもしれないが、別れないかい?」


「そうしよっか、付き合ってる意味も無いしね笑」


「だな、じゃあ別れようか、」


「やな笑」




いつか用があればまた連絡する、

そう僕は言ったが、

彼女は、

「用なんてないでしょ笑」

そう言った、全くその通りだな。


恐らくもう僕と彼女は一生喋る事はないのだろう。

ちゃんと好きになれなかった事、

本当に申し訳ない。

結局お互い好きになれないままだったな。

でもありがとね。






いつかの彼女はこう言った。

「私この名前嫌いなの。私優しくないし。」


僕と付き合ってくれてただけでも充分僕にとっては優しいさ。


またいつかの彼女はこう言った。

「私死にたいんだけど、自殺するの嫌だし、誰かに殺してほしいの。」


『君が望んでくれるなら君を殺して僕も死ぬよ。』


なんて言葉は言えないみたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回の作品は7月〜8月辺りに書いた作品なので、

舞台設定が夏になっています。

ずっとストックしてありましたが、

投稿してなかった意味は特にありません。

何か完成しているのか微妙なところだったので、

投稿できていませんでしたが、

最後の仕上げをしてようやく投稿しました。

最近では持病の調子もまだ良い方ですし、

投稿頻度は今まで通り一週間〜一ヶ月に一回、

そのくらいのペースであげていきますので、

どうかよろしくお願いします。m(_ _)m


評価感想などお待ちしております。


Twitter【hizanosara_2525】

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