一人寂しく最低ランク
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俺達一行は王都ロクに到着した。
パルイムは国軍兵士が到着するやいなや、我が物顔で仕切りだし他所者はお払い箱ですよ。
町を助けた礼なんて無く、立ち去れの一言のみ。
と言う事で今後追撃が有っても、助ける義理はもうない。
そんなこんなで予定より大幅に遅れた。
俺達は宿屋を決め、ホールは当初の目的をしに、商談の手筈を整えに行った。
この王都ロクと言う街は、大きな港を含む巨大都市である。
海を東に渡ればゲハノコ王国の玄関口と言われる、カヒルと言う港街がある。
場所はアデスラン王国の北東に位置し、周辺は平原で北西にレイセ湖・北にレイセ川・北東に魔物生息地域が存在する。
この知覚の魔物生息地域に居る魔物は大して強くなく、駆け出しの冒険者には程よい相手となっている様である。
街並みはと言うと、城下町を含む大きな城になっている。
東西南北の城門に周囲の分厚く高い城壁、中心へ進むにつれ商業区・工房区・居住区が四方向にある。他は方角により異なるものがあると言う。
街の中心部には一段高くなり貴族区がありそこ専用の商業区がある。
そして貴族区の中心は更に一段高くなり城壁で囲われた城が存在している。
貴族と聞くと良いイメージが湧かなかったが、アデスランの貴族と言うのは法と規則が非常に厳しく、私利私欲に走ると即座に爵位を召し上げれられてしまうのだ。
アデスラン王国は国民より貴族に対する法律や罰則が厳しく、そして監視もされていると言う。
そんな貴族に誰がなると言うのだと思うかもしれないが、名誉に縛られた名家というものはそれでも名を捨てられないのだろう。
現在アデスラン王国の国王は〚モフサーデ16世〛と言うらしく、かなり長い間続いている国と言うのが分かる。
この国の貴族の爵位は公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵の五爵である。
そして私利私欲に塗れれば、公爵であれ直ぐ様切り捨てられる、過去にそう言った事例もあるようだ。
そして貴族の数がかなり少ないのである。
五爵全て含めて、五十家程しかない。そしてその全てが領地を治めている訳でもない。
それが今回の土地の話に繋がる訳でも有る。
二年程前に出現し討伐までに相当な時間が掛かったバジリスク。
ヤツが動きまわった土地全てが汚染されており浄化出来る目処が立たない上、周囲の街道に魔物が出始めているという。
貴族達に土地を与えるから誰かやれといった所で、出来るか分からぬ上住民もおらず採算も取れない。
しかも魔物もでてくる場所となってしまった。
アデスラン王国は貴族が治めていない土地は、国が大金で個人に売る事が稀にある。
大体はどうにもならない様な痩せた土地や、不便な土地や、近くに強い魔物が出る土地である。
しかし今回に限っては中央街道のほぼ真ん中であり、小さいながらにも村や町が作られれば後々リア木が見込めるいい場所である。
しかし劇毒や猛毒に汚染され魔物も多くとなってしまったので、王国側としては誰でも良いから買って何とかして欲しいと言う感じらしい。
しかしアデスラン王国は各ギルドが、土地を買う事を許可していないためあくまで個人なのである。
そうなるとここに手出しできる人間などそういない事になる。
そこに目をつけたのがホールだったと言うわけである。
アールなら自前の薬で浄化が出来るかもしれない。仲間内に強い魔物でも倒せるものがいる。
そして資金も豊富である為、商業ギルド側は支援をしておけば後々儲けに繋がると言う事だろう。
俺自身は利用されたと分かってるが、ホールなら良いだろうと言うのが本音だ。
ある程度話は煮詰まっているらい。
個人の土地売買は各ギルドのある程度の仲介人と、エンデリー=アウズ=オーディウルフ子爵と本人である俺で契約がなされると言う。
オーデウルフ侯爵家は昔から土地売買を任されている貴族家である。
本来支払いに関して商人ギルドのロク支部長が立ち会うらしいが、ホールが代表代理なので免除されている。
契約そのものは恙無く終わり、契約金は俺個人の口座から国庫の口座へ金貨55,000枚の移譲手続き、簡単な取り決まりを聞かされた。
それと村や町を作るのは自由で、優遇したい種族の有無は俺次第で決めていいと言う。
貴族ではないからそのへんは厳しくないそうだ。
そして種族に対する規則も決めておかないと、後々揉め事の原因になると言う。
例えば優遇種族なしで平等なのに他種族を蔑む行為による罰則など、予め決めておく様にと言われた。
色々あるからその辺は此方へ聞いて貰えれば答えると言う。
国民に優しい国で有名と言うのは、本当かもしれない。
エンデリー=アウズ=オーディウルフ子爵が言うには町を作ったら一声掛けて貰うと、国内交易は国家が主導でやっているから、担当している子爵を紹介すると言う。
「商人ギルドにはあまりいい顔をされてないけどな。これも持ちつ持たれつだよ。」
とホール目の前で言っていた。
そんな感じで直ぐに契約はおわり特に更新とかも無いらしく、一日も早い安全な街道に戻してくれと言われた。
ホールが言うには何をするにも先ず、土地の浄化と魔物討伐を最優先しないと何も始まらないという。
浄化に関しては使えそうな物を持って来ているが、魔物討伐はこの人数ではきついのでカミーザに寄って冒険者ギルドに討伐依頼を出すのが良策だと言う事で、俺達はカミーザへ向かった
──カミーザ冒険者ギルド。
行きのゴルウォールの様な事もなく、順調にカミーザへ着いた。
道中の話し合いで俺達も、冒険者ギルドに登録をしておこうと言う事になった。
登録時に一人あたり金貨1枚支払う事で登録が終わる。
そして個人で活動するかパーティを組んで活動するか、報告し登録せよと言う。
いつでもパーティを解散して個人活動することも可能だし、逆も可能だという。
また冒険者にはランクと言う物が有り、ランク分けは能力の色と同じで、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫・黒の8ランクある。
ランクはパーティランクと個人ランクが存在する。
試験を受けなければ赤ランクから始まり、橙から青までで指定した試験を受けてクリアするとそのランクから、失敗すると赤ランクからと言う仕組みだそうだ。
今回は俺とアービィ、ジル、ウェルの他にエレニアが気まぐれで参加する。
先ず個人で試験を行いあとでパーティで試験を行うというのだ。
試験は青ランク冒険者ギルド員が試験官だと言う。
各人につき一人の試験官。
どんな物か分からないので、取り敢えずアービィにやらせてみたのだが予想外なことが起きた。
冒険者ギルドの立会人ソバルがアービィと試験管モッズルマを呼ぶ。
「では青ランクの試験を試験を始める。モッズアルマとアーバインさん前へ。」
「アーバイン?あのアーバイン?」
「どのアーバインか分かりませぬが、ミセリア国におりましたアーバインです。よろしくお願いします。」
「いや待ってくれ、降参だ。ソバル!勝てるわけがないだろ!」
「しかし戦わないと試験が始まりません。」
「じゃあ誰か変わってくれ。」
しかし誰一人代わりたいと言う者が居なかった。
「諦めて戦って下さい、死ぬことはないでしょうから。」
そして始めっ!という合図の直後モッズアルマは喉元に模擬戦の武器を突きつけられ試験は終了した。
「ほらー試験するまでもない、アーバインならもう黒でいいでしょ黒で・・・。」
モッズアルマはブツブツと文句を言っている。
「これは青ランクが弱いのではなく、アーバインさんが強すぎるだけです。」
と立会人が一応説明した。
その後ジルが緑をクリアし
ウェルは自信がないらしく橙を受けクリア
エレニアは青を受け、相手が死なない程度に魔法で吹き飛ばしていた。
見ていて可哀想になった。
そして俺の番なのだがどれを受けようか迷っていると、
「青受けて失敗してこい。」
とエレニアに茶化された。
自分が強くないのは分かってるから俺もウェルと同じ橙を受けたが、魔法を使わなかったら試験を落ちた。
「何で魔法使わないのよ。」
「劇毒魔法なんて使ったら死ぬだろうが。」
とエレニアと少しばかり言い合いをしていた。
そしてパーティランクは魔物を使って試験をするらしく、青を受ける事になったので立会人と試験管二名とで、カミーザの西にある魔物生息地域で該当する魔物を狩れと言う事だった。
試験は翌日行われた。
──カミーザ西の魔物生息地域。
「ここにいるギルメドリンと言う魔物をパーティで狩って下さい。パーティランクは個人と違い人数により魔物お強さが違います。ギルメドリンは3人なら藍ランク試験となるくらい、強い魔物ですのでご注意下さい。危険だと判断したら試験を中断し、此方の二名が割り込み倒します。」
さてと強いらしいがアービィは倒せるかと、聞くと即答で倒せると言う。
ということでアービィには後方で待機しててもらう。危なそうなら手伝ってくれと言い。
俺はまず透視を使い属性を見る。すると雲水>炎火>火=水だと分かった。
エレニアも分かったらしく雲水・炎火属性は使うなよと釘を刺された。
なので今回はジルの槍に泥水樹業魔を使い劇毒を付与してみる。
そして俺はカミーザまでの道中に習得した、魔法を敵で直接展開する方法を使い毒をばら撒く。
エレニアも自分が手出しすると直ぐ終わるらしく、欠伸をしながら眺めているだけで、
「怪我したら治してあげるわよ。」
何て感じである。
前衛ジル・後衛俺・俺の護衛ウェルとよく分からない布陣であるがまあ何とかなるだろうと思っていた。
結果的にはジルの武器が強すぎた。一撃一撃でみるみる弱っていくギルメドリン、更に毒ダメージで時間毎に弱っていく。そして俺を狙う攻撃もウェルに防がれる。そして最後には毒にやられて動かなくなった。
「えっと・・・公式には五名試験ですが、どう見ても三名ですよね。非公式なので青ランクまでしか渡せませんが。」
多少青くなった立会人と共に、カミーザへ帰ることとなった。
道中立会人に聞くと、紫と黒の試験が別格で難しいと言う。
紫の試験はゴルダールと言う魔物なのだそうだ。
どういう魔物か聞くと、ゴルウォールを少し弱くした魔物らしい。
気になったので聞いてみた。
「ゴルウォールを試験にはしないんですか?」
「ゴルウォールを試験にすると、死人だらけになってしまいます。冒険者も自分の命が大事なので滅多にゴルウォールには近付きません。」
と言う事だ。
因みにアービィがゴルウォールを、一人で倒したことが有ると言う事だけ伝えたら、呆然としてこう言った。
「アーバインさんの個人ランクは、黒でいいんじゃないかと思いました。」
俺もそう思うよ。しかしゴルウォールは相当やばい魔物だったんだなと、今更ながら冷や汗が出て来た。
そうして俺達パーティは青ランクでエレニアとアービィが青・ジルが緑・ウェルが橙・俺が赤と言う事になった。
あれ?俺が一番雑魚じゃないかこれ。
冒険者ギルドに戻ったので、依頼を出しておく事にした。
文面や報酬はホールがうまい具合に考えてくれたので問題無かった。
ついでに依頼はアール個人として出してるので、パーティが参加する事は大丈夫だった。
自分で依頼を出し自分でも報酬を受け取ると。しかしこういう事はよくあることらしい。
そしてカミーザで三日の予定で宿を取り、準備を整えて現地へ向う事とする。




