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己の歩むべき道は己で見つけてみせる  作者: 飛来針
第三章 ─ アデスラン王国 ─
36/48

毒に愛されたかも知れない男

 翌日。


 初日の狩猟でそれなりの食料の確保が出来た為、今日はジルとウェルと住民のハンターとで食料の追加確保へ行って貰った。

 エレニアはと言うと、その間に俺に10属性をと簡単な使い方を教えると言い残った。


 ホールとアービィは町の巡回で出入り口は、エチゴールのゴーレムを二体ずつ置いた。

 リッケンは港から少し離れた所で、海上の監視をして貰ってる。




「属性は私が一つ一つアールに流しこむから、それを魔力の核で取り込んで、どういった魔力の流れか確認して覚える事。これが一番簡単な単属性の覚え方だからね。」


 両手の掌を上に向けて出せと言われ、出すとそこにエレニアが手を合わせてくる。

 すると直ぐに小さな魔力の塊が流れ込んできたのが分かる。

 それを魔力の核で取り込むと、僅かに体の外から魔力が流れ込んでくるのが分かる。

 次の属性も試すとさっきの流れ方と確かに違う。


 こうして十種類全て試したが、全て流れ込み方や流れてくる場所が違うことが分かった。

 しかし一度で覚えきれないと思っていると、確認のためもう一度やってくれると言う。

 そして二度目が終わると、順番に小さな魔法を試せと言われた。


「まずは指先からこんな感じの火を出してみて。」

 そう言ってエレニアは、小さな指先ほどの火を出して見せた。



 先ず体内に小さな魔力の核を作りさっきの様に、魔力を集めようとしてみる。

 しかし集まらない。うんうんと唸りながら書くに穴を開けてみたり核を動かしてみたりした。


「魔力の核をもう一つつくって、私の送った火属性を取り込んで比べてみるといい。」

 そしてもう一度属性を送られた。


 左の核は火属性を取り込んだ核、右のものは今から取り込もうとしている核。

 二つの差はなんだろう、と感覚を鋭くしてみる。

 しかし感覚や考えて変わる物じゃなかった。


 出来なくてふぅ…と力を抜いた瞬間、右の核に火属性が宿った。

 もう一度右の核を解除して、新しく作りなおしてみるがまた出来ない。

 何故だと思いさっき力が抜けた事を思い出した。

 すーっと力を抜き自然体に近付けていくと、ある所で火属性が宿る。


 この感覚を忘れないように何度もやる。

 直ぐには出来ないが、徐々に早くなってきた。

「まだ出来ないか・・・何故かな。」


 集中してたら三十分くらいやってた様で、エレニアにそう言われた。

「ごめんごめん感覚を忘れない様に、何度も核を作ってた。」

「じゃあ出せる?」


 指先に集めて魔力の放出の要領で出してみる。

 ポゥっと小さな炎が指先に灯る、放出で少し動かしてみた。

 指先や掌をグルングルンと回る。近くを回っているのにそれ程熱くない。

「魔力の放出で慣れてるだけあって、操作は上手いもんだね。」


「次は水の塊を同じくらいのサイズで出してみようか。」

 こうして全ての属性が出せるようになった。


「次は各属性で何か形を作ってみて。それが出来たら強度を持たせる事。」

 これは簡単だった。元々魔力の放出をずっと使ってたから、それを応用するだけで出来た。


「放出を先に覚えてると、ここがこんなに簡単に進むのね。」

「あの魔法書結構高かったからな。」

「魔法書使えば雷とか氷とか直ぐに覚えれるけどね。」

「え?じゃあ初めから魔法書でやればよかったんじゃ・・・。」

「でもそれだと決まった複合魔法しか、使いこなせなくなるよ。」

「このやり方だとどうなるんだ。」

「複合の仕方さえ分かれば二種で四十五種・三種以上は分かってない物が多いがそれだけ混ぜれるわよ。二種は比較的簡単だけど三種からは分かるまでが大変よ。まず氷属性を作ってみようか。まず私の氷属性を書くに取り込むの、そしてどんな感じで混ざってるか感じてみて。」


 …

 ……

 ………

 …………

 ……………

「なかなかいい感じね、これが一般的に使われている、火の炎火(イグナイト)・氷の雲水(アイス)・雷の風樹(ライトニング)と聖の雲風樹(ライト・ヒール)、闇の泥樹業魔(ダークネス)よ。何故闇に泥が必要なのか、未だに謎だけどね。」

「ちょっと試してみたい属性が有るから、試してみていいかな。」

「今日の残りは好きに試すといいわよ。」



 そして全て試したが、見本がないとかなり難しい。

 俺に新たに出せたのは六つ。炎水(えんすい)雲土(うんど)風泥(ふうでい)泥業(でいごう)業樹(ごうじゅ)泥魔(でいま)だった。そして三種が偶然一つ出来た、泥水魔(でいすいま)の複合魔法だ。」

「初日にこれだけ出せるなら、もしかして魔法の才能あるのかも知れないわね。」

「そうだと良いな。」


「炎水とか案外作りにくいのよ。それと泥水魔ってどんな物かしら。知らないから少し大きくして出してみてよ。」

 そう言われ、半径50cmくらいで地面に出してみた。


 べちょっと地面に落ち(しばら)くそのままだった。

「これって()しかして毒沼じゃないの。ちょっとアール毒に(えん)がありすぎよ。」

 なんて言いながらエレニアが笑ってる。


「毒魔法なんて持ってないから、教えて貰っていいかしら。」

 そういい小さい毒の核をエレニアに流し込むように入れてみた。

「なかなか上手いじゃない・・・なるどどーこういう感じで混ざってるのね。」

 そう言うと直ぐ様物体化して箱状の毒の塊を出した。

「もう出来たのか流石早いな。」

 フフンと言って笑ってる。


「あっ、なんか思いついた試してみる。」

 十分くらい何回も試すと二つ出来た。

「楽しいなこれ、二つ出来たぞ。」

「アンタ早すぎよ、何が出来たの。」


 泥水樹魔と泥水樹業魔の二種が出来それぞれ出してみた。

 すると毒沼と同じ様なものだが若干禍々(まがまが)しい。

「なんだこれ、ちょっとリッケン呼んでくる。」

 そう言い"判別"を持つリッケンを連れてきた。


「これちょっと"判別"で見てくれないか。」

 ワカッタといい俺達は暫く待つ。

「これハ猛毒沼ト劇毒沼ダ。」

「あっぶな、触らなくて良かった。」


「アンタ本当に毒にしか(えん)がないんじゃない。ちょっとっそれも教えて。」

 そして五分位で仕上げるエレニアがヤバい。


「しかしいきなり四種と五種は異常よ。まあ毒だけど。ところでこれどうやって消えるの。」

 いつまで経っても消えないから、仕方無く各解毒薬を流し込んだら消えた。


「効果時間長すぎでしょこの魔法。」

「毒魔法三つも覚えたぜ、これもし使うまで消えないなら、小瓶とかに入れて売れるのかな。」

「名前付ければ売れるんじゃないかな。」

 と言う事で早速名前を付けた。名前は簡単な方が良いはずだ。

 泥水魔(ポゾ)泥水樹魔(ポズナ)泥水樹業魔(ポインズ)これで少しは威力が上がるだろう。


「ポインズなんてポイズン入れ替えただけじゃないの。」

「でも覚えやすいでしょ。そうそうこの方法だと、どんな魔法でも詠唱は要らないからね。すぐ出せる練習をしておくと良いわよ。」

 詠唱なんてあるのかと、魔法に関して何も知らなかった俺だ。


「簡単なものや慣れてくると詠唱は要らないらしいけど、難しい物だと普通は要るわしいわよ。因みにこの魔法は人間には精霊式魔法と呼ばれてる物よ。精霊と仲が良い人間以外は使えないから。」


「有難うエレニア先生(・・)!」

「やめてよ恥ずかしいから。」


 こうして俺は精霊式魔法を会得した。


 そして今日は、特に何も起こらず一日が過ぎた。




 ──翌朝。


 今日も島の方向の海上の遠透視すると、小さいけど何か見える。

 まだ何か分からない、しかし数が多い。数えてみると四十ある。

 一応他全員にその事を伝える。


「まだ何か分からないのか。」

「遠すぎて豆粒以下なんだよ。あと何時間かすれば分かるかもしれない。」

「一応住民に、東口に集まって貰っておくか。」

 ホール達にそれを頼んだ。


 五時間してやっと姿が分かってきた。翼の生えた赤い体のゴブリンみたいな奴だとアービィに伝える。

「それは翼妖鬼(アンビュール)と言う体高三メートル魔物です。ゴルウォールに比べれば、随分弱いですが数が多いです。」

 これはあの島から、魔物が侵攻してきてると考えたほうが良いのか。

「四十体のアンビュールとか勘弁してよ。」

「アンビュールなら代償なしの合成魔法でなんとかなるわよ。」

 これは()しかして三隊に分けられるんじゃないか。

 取り敢えず班分けを考える為、六人の護衛に住民に避難誘導をお願いした。

 今更だが護衛各人の名前は。

 盾ゲイン。三角盾と片手剣。兜が黒

 盾ロイエル。楕円盾と片手剣。兜が銀色。

 槍ワンス。ホールを超える猛者。

 弓ベイン。白い弓と短剣(ダーク)

 弓パッスル。青と白の弓と短剣(ダガー)

 魔道士パルミック。あまり強い魔法はないが、種類は多く回復も持つ。状態異常回復可能。

 と言う。今更過ぎるだろうが、やっと覚えたのだ。



「でだ、誰と誰を分けていくよ。」

 エレニアには、ロエイルとワンスを入れておこう。


 次はアービィ班だが味方を守りながらより、一人の方が自由に動けると言う。


 ホール班はゲインとパッスルとパルミックとゴーレム1。


 アール班はジルとベインとゴーレム2。


 そしてエチゴールとリッケンとウェルは、住民と共にゴーレム2を連れて退避。

 ウェルは狩猟が上手いから待機場所が出来たら、食料を取ってきてあげて欲しい。


「これで三班+アービィと避難班が出来た。」


 エチゴールに自動復活するゴーレム三つ作って、振り分けて貰いリッケンと共に退避して貰った。




 そして夜まで準備をし、夜通し見回りと数時間おきに叩き起こされて、あとどれくらいだと聞かれた。


 結局朝になってもまだ来なかったが、結構近くまで来ていた。

 そして昼前には目視で確認できる所にまで近づいた。

 そして一応追加がないか"遠透視"を使い確認すると、凄く嫌なものが見えた。

「豆粒みたいなアンビュール10体と・・・ゴルウォール一頭が島出たあたりを飛んでるぞ。」

 やはり来やがったゴルウォール。


「アンビュール四十体の制限時間は丸一日もあるぞ!余裕だな!」


「「「おおお!」」」

「まかせろ!」

「お任せ下さい、すぐり倒してみせましょう。」

 アービィがやる気だ・・・。



 ***



 まずアンビュールの半数二十体が先に到着した。

 後の二十体は五分位で着きそうだ。



 その二十体に先手でアービィが突入した。

 いきなり来ると思ってなかったのか、アンビュール達は統率が取れてない。

 そんな中ホール達が左端から突撃しゴーレムが続く、ゲイン[盾]はパッスル[弓]とパルミック[魔]を守るように立つ。

 エレニアは高台から魔法を打ち始めた。その前にはロエイル[盾]とワンス[槍]が、エレニアを守るように進路を塞ぐ。

 俺とジルとゴーレム[2]は来るのを待って戦う。


 アービィのそれは正に剣舞だった。

 短剣で短いがそれでも華麗に動く姿は、踊っている様にしか見えない。


 単騎で突入し一体すれ違ったと思うと、左手で逆手に持つスティレットを使い首の後に一撃。

 それを制しに来た他の魔物の股下を抜け、右手に持ったバゼラードで後から心臓を一刺し、刺された味方ごと突き刺してきた攻撃を回避し、死体を蹴りつけて体勢を崩させている間に、反対側のアンビュールの急所を左右の武器で一刺しし離脱してきた。

 一瞬で四体倒している。それを見たアンビュールは、迂闊にアービィには近付けない。


 アンビュールがアービィに気を取られてる間に、ホールが逆サイドを切り崩す。

 パッスル[弓]とパリミック[魔]の遠距離魔法を嫌がり、防いでいるとゴーレムに殴られ体勢を崩す。そこをホールに力技で数度斬られる。そんな戦い方をしている。

 エレニアはと言うと合成魔法で三体を瞬殺した。

 ・・・俺達出番なくね?というかこの面子強すぎじゃね。


 二体こっちに抜けてきた。

「ジル来るまで暫し待て、魔法を試してみる。」

 そして劇毒沼の泥水樹業魔(ポインズ)を、アンビュール二体が来るギリギリに設置してみた。

 足元がいきなり沼になったアンビュールは回避が間に合わず、二体とも毒沼に落ち藻掻(もが)いている。


 劇毒が効いてきたのか動きが鈍くなっていく。

 片方は這い上がってきた所でジルが止めを刺す。もう一体は這い上がれずそのまま毒で死んだ。

 エレニアはその光景を見ていたらしい。


 この毒沼強いかもしれない。


「危ないので一旦下がって下さいな!!」

 エレニアがそう言うとアービィやホール達はさっと下がった。

 それを見ていたエレニアは泥水樹業魔(ポインズ)を、警告してから敵のド真ん中に20mくらいの毒沼を作りアンビュールを一気に沈めた。

 毒沼でそのまま死ぬもの、這い上がった所を難なく(たお)されるもの。

 こうして第二陣が着く前に二十体が終わってしまった。



 そして第二陣も直ぐに(たお)された。


「早く終わったって事は、それだけゴルウォールに準備期間が取れるって事だ。」

「夜に来ることも視野に入れておくんだ。」

「かがり火を用意しておきましょう。」


 そして夜中ヤツが来た。




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