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己の歩むべき道は己で見つけてみせる  作者: 飛来針
第一章 ─ エル商国 ─
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商人とは鼻が利くらしい

漸く旅再開です。

 漸くある程度売り物になる各種薬の数が整った。

 詳細を書くと長くなる、なのでそこは省こう。


 細い小瓶70個と小瓶35個の各種薬や保存剤などの便利品を用意した。

 更に別に毒も細い小瓶15個と小瓶10個用意しておいた。

 冒険者とかなら需要が無い事も無いと思ったのである。



 旅の準備を終わらせ、最後に装備品を身に着け準備完了。


「エリオ、ちょっとエンシーに行きたいから森の東口まで送ってくれないか」


「分かりましたがお帰りはいつ頃でしょうか?」


 何事もなければ一週間ほどで戻れるはずなのだが、

 面白い事や何か問題が起こると一か月くらいになるのかと思ったので。


「早ければ一週間で戻る、何か面白い事見つけたら一か月かそれ以上になると思う。

 金貨1枚置いていくからディージーの店で細い小瓶と小瓶を補充して

 毒以外の薬を作って"雑草"の勉強と訓練をしておくんだよ」


 そう言うとうんうん(・・・・)と頷いているエリオ。

 そして送りますのでつかまってくださいと言って手を繋ぐ。

 相変わらず視界がブレて焦点が合わずに気持ち悪い。


 そう思っているとあっと言う間に見慣れない景色へと変わった。


「おやエリオじゃないか、彼がアールだね。

 初めましてだね、私は森の東口を見守るものでカッシュベーンと言う。

 今度此処から中心街に戻る時は私に言えば良い」


 そう挨拶したのはエリオが転移した場所にいたドルイドである。

 このカッシュベーンこそ東口を管理するものであった。


「こちらこそ今後ともよろしくお願いします」


 いつもの適当な口調でなく初対面の挨拶はきちんとする。

 それが当たり前の様に出来るのは、子供の頃から外面だけは優等生を演じていたからだろうか。


「でもエリオ、帰るときはどうすんの?」


「大丈夫です街にいるほかのドルイドのところに飛びますから」


 ああそういう事が基本なのねと納得した表情を浮かべていると

 またしてもエリオはうんうん(・・・・)と頷いている。


「じゃあ行ってくるよ」


 と言った途端に思い出した。


「そうだ細い橙の実の甘水漬(かんすいづ)けを忘れず作っとく事、

 エレニアが来た時に切らしてるとまた膨れっ面になるぞ」


「わかりましたー、ではいってらっしゃいませ」


「ああ、行ってくる」


 そうして約三年半振りとなる旅が始まる。

 といっても前回は旅と言うくらいの事はしてないけどな。




 ***



 森の端から街道の左右を見渡し見える範囲に人が居ない事を確認した後、

 採集道具を手に森を離れ街道に歩いていく。

 如何にも採集をしに行ってましたという風体(ふうてい)を滲み出しつつ。


 これで人に見られても不自然に森の方から出て来るのではなく、

 採集するものを探してたのだなと見えるからだ。


 ドルイドの森の存在を人間には教えてはならぬと言うのは、

 人間以外の種族の暗黙のルールとなっているからである。


 気配を消して覗く者が居ないとは限らない。

 やりすぎと言う事はないだろう。



 そうして街道に入りエンシーへ向かうべく進路を東に取る。

 大体ここから休憩を取りつつ歩いても半日足らずで着くと言う事だ。

 一応道を歩いているが"気配"の能力を上げる事も考え気配を使う。


 以前と違うことはただ使うのではなく、体の表面に気配を帯びた魔力を這わせる事で

 より一層気配を消すことが出来ると訓練で学んだのである。


 体内には魔力の核の球を極小で常時作っておくのは基本で

 最近ではどんな時でも殆ど魔力を使わずに核を維持出来る。

 寝ていても体から脱力が滲み出る事も無くなった。


 魔力の核も操作することで自在に形を変え前にのみ放出したり

 ピンポイントに放出したり出来る様にもなった。

 未だ距離はそれほどでは無いが15mくらいまでなら届くようになった。


 これの実験はエレニアが手伝ってくれたのだ、報酬は当然細い橙の実の甘水漬(かんすいづ)けである。

 そろそろあの実にも名前を付けた方が良いなと思うが、今度帰ったらやろう。



 そう考えていると後ろの方からゴトゴトゴトゴトと言う音が聞こえてくる。

 おそらく商人の荷馬車だろうと思って振り返るとやはり荷馬車だった。


 後ろから来ると言う事はヒルリア方面かテンの村方面からエンシーに向かうのだろう。


 もうすぐ後ろに来ているのだろう、荷馬車の音以外にも馬が地面を蹴る音まで聞こえる様になった。

 そう思っていると突如声を掛けられた。


「兄さんエンシーに行くなら乗ってくかい?」


 初対面だと言うのに気さくに話しかけて来るのは流石商人と言ったところか。


「いや手持ちが殆ど無いから遠慮しておくよ」

 そうなのであるエリオに金貨1枚を渡してきたので、所持金が金貨1枚と銀貨2枚しかないのだ。


「もうエンシーはそこだから金はいらねーよ、遠慮せず乗んな」


 裏も有るだろうが折角の親切なので甘えておくことにした。


「ありがとなおっちゃん」

 初対面でこの物言いはとさっきとの矛盾を突き付けられそうだが、

 これは相手を見てやる方がいい。彼は犬狼族(けんろうぞく)だ。


「気にすんな、ところで兄さんは採集道具持ってるから薬草でも売りに行くのかい?」


 ほうら来たやはり抜け目ないよく見ている。

 だがそこは感心として受け取っておく。


「薬草じゃないけどな自分で薬を作れるからそれを売りに来たんだ」


「薬師さんだったか、こりゃ見間違えた」

 そしてハハハと笑っている。


「良かったらエンシーで色んな薬を買い取ってくれる人か店を紹介してくれないか?」

 いきなりの失礼を承知で聞いてみた。


「兄さんついてるよ俺は薬の買い取りもしてるし、

 俺の働いてる店の親方はどんな薬であろうと毒であろうと売買する。

 本店はシュツーだけどな」


 はっははは……毒まで取り扱ってんのかよ


「まったく…何かしら持ってると踏んで乗せたと言う事か。

 鼻が利くというか何と言うか凄いねエルの商人は」


「これくらいじゃないと商人は稼げないもんだよ、物理的に鼻も利くけどな」


「エンシーに付いたら持ってるもの判別させてくれないか?

 その場で買えるものかシュツーまで帰るべきか決めたい。」


「何故シュツーまで?」


「兄さんはこの辺りじゃ新顔だが何かしら持ってそうな雰囲気を感じたんだ。

 しかも腕章をつけてないということは行商人でもない」


「腕章?」


「それも知らないか、一体どこから来たか知らないが説明してやるよ

 ああ、別にそれに対して情報料とか言わないから安心しな。

 まず店舗を構えずに行商できる権利を買わなきゃいけない。

 シュツーの商人ギルドでその権利を買うことが出来る。

 権利を買うのには金貨10枚が必要だ。

 そして赤と青の腕章を予備と合わせて二対貸与(たいよ)される。

 誰でも使える様にしない為に魔法により権利を買った人の物であると関連付けをする。

 関連付けされた腕章には黒い文字が浮かび上がりこれで自分専用の腕章となる。

 俺が今付けてる様な感じにな。

 これは他の人が付けると文字が出て来なくなる。

 これにより決まった人だけが行商人として活動出来る。

 だから文字がない奴は悪徳商人だったり盗賊だったりするから気をつけなよ。

 そして期間が切れると白字になるため、期間が切れる2ヶ月前から更新が出来る。

 権利の期間は一年間で更新料は金貨5枚だ。

 2か月前に更新してもちゃんと期間は2か月と一年がつくから安心だぞ。

 一応腕章を持たなくても腕章を持った者から売買は出来るが値段は相手が商人の言い値になる。

 値交渉する権利は商人にしか与えられていないこれは各国のルールだ。

 自分の思った値段で売買出来る権利と思った方が良い。

 商品の出回りが少ないものを売るときに法外な値段に出来、それでも文句を言わせないのが腕章効果だ。

 八カ国どこでも有効で、魔族国でも行商出来るがあまり行く人は居ない。

 最後にこれが重要だ、腕章を付けたものを襲うと、

 屈強な商人ギルドの武装商人を敵に回すことになる。

 これが後ろ盾で金貨10枚で買え更新料が5枚で済むと考えると非常に安いんだわ

 長くなったがこう言う便利なものがあるんだが、今まで知らずに生きてきたのか」


 本当に初めて聞いた、こんな便利なものがあるのかと思うが金貨10枚か、

 金貨10枚分売ってそのあと自分で値段を決めるのもいいが

 このおっちゃんの親方と顔を繋ぎたいな。



 そうしてる間にエンシーに着いたようだ。

 おっちゃんのが決まって泊まる宿があるから着いて来いという。

 そしてこのおっちゃんの名前はアウヴァッハと言うらしい。


 そしてアウヴァッハが宿を取り部屋に付いていく。

 いつもこうやって交渉をしているのだろう、宿の人も何も言わない。



今から書くので時間は掛かりますが、

今日はもう一話上げていきます。

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