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第十三話 翔馬『一つ前の終わり』
僕は彼女を救う、その為だけに生きて死んだ──何十回も。
ただその為だけに生きていたのに……。
「すみませんけど今世は諦めてくれますか?」
その人はこれまで会った『その人』とはどこか異なっていた。
灰色の瞳を言い得ぬ暗い歓喜に染め、キラキラと輝く髪を風に靡かせながら彼は続ける。
「んー、それにしても何十回も繰り返してるにしてはマトモ……そこが一番異常ですか」
「……僕を知っているの?」
「まあ、ちょっと高位の存在に聞いていまして……本来は私、君と彼女の幸せをサポートをする予定だったのですが」
「高位? サポート?」
「ですがねぇ。私の彼女が死んだ時点で今回も先細りですし……つーか、彼女のいない世界に俺は用ねぇから」
だからと彼は続ける。
「悪ぃけど世界壊すな? 多分次回は俺よりこういうのに向いてんのが来るはずだから」
「ま、」
「じゃあな、せめて幸運を祈っとく」
そして世界は暗転した。
お久しぶりです。
……大変お久しぶりですっ!
翔馬君編スタートです。
ぐるぐるしている彼を、どうかしばらく生温く見守って下さいませ。




