表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この学園には攻略対象者はいません。  作者:
第一章 彼らは冷酷副会長と黒幕令嬢、又は、鳥籃の幸福の姫君と凶悪過ぎた当て馬、でした。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/121

紗々蘭さんの愛するモノ達  

短いです。

三人称です。

  



 紗々蘭さんが栄次君に契約を申し込んだその日、同時刻の圓城寺家本邸、その厨房の片隅にある広い作業台で、簡素なスツールに座った紗々蘭さんの『七席』達は、敷地内で採れた栗の実──既に重曹で下茹で済み──の鬼皮剥きを黙々と行っている、毎年の恒例行事、主の大好物、栗の渋皮煮を仕込んでいるのだ、


 なお、失敗して渋皮まで剥いてしまった栗は今日の夕食の栗ご飯に使用される、ちなみに本日の献立は主菜に鶏の竜田揚げ、副菜に茄子の味噌田楽、それにきのこ汁の秋の和定食を予定している、


「姫さん、ちゃんと口説き墜とせたかねぇ……」


 危なげ無い手つきで次々と栗を剥いているのは『七席』の盛り上げ担当、将来は紗々蘭さんの専属運転手になる予定の四倉緑郎よつくらろくろう君、長身のがっしりとした体型、染めた赤い髪、両耳合わせて七つのピアスを付けたワイルドな男前です。


「……調査結果を見た限りでは我が君と圓城寺にとって、扱いを間違えなければ良薬になると判断しましたが……」


 一つ一つ丁寧に栗を剥いているのは『七席』の理性担当、将来は紗々蘭さん専用の庭の庭師になる予定の五藤伸喜ごとうのぶよし君、癖の無い焦げ茶の髪にメタルフレームの眼鏡の賢そうな美少年です。


「……それって、もし今日ミレディが口説くのをうっかり失敗したら、猛毒になるかもって事だよね……」


 スピードは速いがミスも多いのは『七席』の体力担当、将来は紗々蘭さんの家の保守管理と清掃を担当する予定の二条拓にじょうたく君、焼けた茶髪に小麦色の肌の闊達な美少年です。


「うっうっう、本当に主様、婚約しちゃうんですかぁ……」


 泣きながらも、もの凄いスピードで栗を剥いていくのは『七席』の可憐さ担当、将来は紗々蘭さんの専属料理人になる予定の三澤松太みさわしょうた君、ふわふわした栗色の髪の愛くるしい美少年です。


「…………俺は納得してねぇよ、ただでさえ他の従者連中に親友やら友人なんて奴らと分け合ってるマスターの時間と愛情の取り分がますます減っちまうじゃねぇか」


 不器用過ぎて栗剥きを免除され、殻を捨てたり栗を補充したりの雑用をしているのは『七席』の色物担当、将来は紗々蘭さんの為に裏で色々な情報を収集する予定の七瀬ななせクロエさん、金髪青眼のビスクドールの様なハーフ美少女です。


「お嬢がフラれるなんて事はありえないよ、ボク達が考えるのは婚約が成立した後、栄次先輩とどう付き合うか、だよ」


 覚束ない手つきながら慎重に一つづつ剥いているのは『七席』の頭脳担当、将来は紗々蘭さんの秘書になる予定の一戸今璃いちのへいまりさん、黒髪黒瞳の猫の様な美少女です。


「…………全てはご主人様の望む様に、俺達の役目はそれだけだ」


 迷いの無い手つきでナイフを操り栗を剥き続けるのは『七席』の決断担当、現在進行形で紗々蘭さんの護衛を勤めている六崎月史むざきつきひと君、長めの黒髪の中性的な美少年です。


 リーダーである月史君の決定に約二名ほど不満を滲ませながらも会話は終了し、その後の七人はただ黙々と栗を剥き続けます、10kgぐらいあったそれをあらかた剥き終わった頃、彼らの愛する主、紗々蘭様の帰宅が告げられ、出迎えた彼らは満面の笑みで勝利を宣言する主に七者七様の反応を見せるのでした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ