第七話 一玻『だってあなたはカミサマじゃない』
守り切れませんでした。
香奈子は余命を告げられました。
司皇はまた欠落した存在になります。
あの特異な女の子は母親を知らずに育つのでしょう。
後悔で押し潰されそうだった私は、今、腕の中で眠る少年の体温に支えられ、なんとか立ち上がろうとしています。
暗闇の中、泣いていた私を見つけ出してくれた彼は、大きな黒い瞳で私を見つめこう言いました。
──だってあなたはカミサマじゃないじゃん。と、
ああ、ですが、
「……けれど私はカミサマの使いではあるのです」
そして彼女は狭間の世界に行き。
私達は進む方向を見失っていました。
けれど、
「落ち込んでいて何が生まれますの?」
幼い、幼い妹が、
「わたくし達が紗々蘭を幸せにしなければいけませんのに」
強い意思を持って、
「わたくしは紗々蘭の為に生きます。香奈子ママの分まで」
たった一人でも進んで行こうとしているから、
「……立ち止まってはいられないですよね。司皇」
「ああ……約束、したしな」
香奈子の分……には足りないでしょうが、
「紗々蘭に愛を注ぎましょう」
自然に笑える女の子になってくれるように。
待っているでしょう彼女に叱られないように。
それ以外にも色々しますがね。例えば……、
「桜花院家の没落防止……」
を、しようと思ったら原作通りに婦人に夜ばいされましたよ司皇。彼は翌日こそ激昂してましたが、
「……逃げる為と俺を奮い立たせる為だろうな」
と、さらに翌日、苦笑して流しました。……年の離れた姉のような関係だったそうです。
お金の為に嫁がされるはずの双子さんも初恋の執事達とラブラブっぽいですし、
「……うーん、必要なかったですかね」
三兄弟の長男さんの怪我を防げなかった後悔もかねて色々準備していたんですが……、
と、油断していたら次女さんが借金のかたに!?
慌ててアタフタと対応策を練っていたら桐生が借金を肩代わりして……、
「……その1同士が婚約者に……」
……ええとまあ、
「没落はしていないから……良いですよね? ……きっと」
だって私はカミサマじゃないんですから!
……はあ。
桜花院家と司皇の関係のゲームと現実との違い。
これは一戸一玻の通う学園が本校か分校かが原因。
司皇に恋する一玻と香奈子さんの後見をしている桜花院家は対立、一玻が住む圓城寺家に桜花院家が近寄らない状況でした。
ちなみに今世の一玻さんが分校を選んだのは、元聖女スキル『天啓』が発動? し、なんとなく決めました。




