第六話 一玻『特異点たる血統の……』
──普通赤子というのは生まれたばかりの時は大抵お猿さんのようだと相場が決まっているのですけどー、
「ああ! 紗々蘭! お前はなんて可愛いんだ!」
険のある美貌を崩壊させている父親に抱かれた従姉妹は、異様なほど美しい赤ちゃんです。
「さすが『美し過ぎて生きづらい』とのキャッチフレーズ付きですねー」
「あら、凄いキャッチフレーズねー」
母親はコロコロと笑ってますが笑えないレベルで大変な人生を送るんですよねー。
──圓城寺という世界の特異点たる血統の、さらに特異点たる才を授けられたこの少女は。
私は以前、父から圓城寺と言う血統が持つ特殊な性質について聞いていて気付きました。
──特異点たる血統、だと、
たまに存在するのですよ、『のぞき見』や『先読み』と呼ばれる能力や、度を超した強運を持つ者が生まれやすい一族が、そして概ねそういう特殊な人間は、
──魂が欠けている。
実は、魂というのは結構割れやすい性質を持っている。
それは良くも悪くも魂が震えるほどに感情が揺れることで起こります。
例えば熱狂的な恋愛、例えば命を削るような戦い、例えば──突然の大事故。
そして割れた魂の欠片は、近くにいる魂に引っ付く性質があるのですよー。
前世熱烈に愛し合った恋人達が再び巡り会い一瞬で恋に堕ちる。そんなロマンチックなことの原因でもあるそれは──精神の不安定さという副作用があることが多いのです。
その不安定さは才能という形で発露することが多く『天才』と呼ばれる存在の多くは欠けている存在です。……まあ、ほかの形で発露することももちろん多く、
──圓城寺の『唯一』への執着は完全にこれですよねー。
恋人達が同時に他界する。なんてことはほぼ無い訳で、大抵は失った、遺した。という感情が強く残り、相手に対しての執着という形で発露するのです。けれどその強さが同等か、といえばまあ違う訳で、
──それが悲劇の原因にもなるのですよねー。
……さて、この子はどうかしら?
──失ったのか、遺したのか。欠落はいかほどか。才の発露はいかなるものか?
──『欠片』を持つ存在は誰か?
……できれば例の彼だけは勘弁で、
……1もだけどエクストラでのバッドエンド祭はほんと酷かったんですよー。




