第一話 この学園には攻略対象者はいません。
お久しぶりです。
……実にお久しぶりです。
とりあえず最終章開始します。
全話五千字以内、今話を除きサブタイトルの前に語り手の名前がつきます。
お読みいただければ幸いです。
…………何故あのイベントが?
今、私の目の前にはあのゲームの登場人物達が揃っています。
今日は学園祭最終日、私は発表会のリハーサルをしっかりとしたいと、伴奏者である先輩に言われ早朝の学園にやって来ました。
そしてその先輩に中央塔に連れて行かれ、そこに彼らが揃ってました。
……これは少しディテールが違いますが1の逆ハーエンドのラストイベントでは? あの誰も幸せにならない。
「あの先輩? これはどういう……」
私は伴奏者の先輩に問い掛けます。ゲームとは違い親切であったはずの先輩に、
「私達に嫌がらせをしていたのはあなた……というよりあなたのご両親が雇われた方達ですよね」
けれど答えをくれたのはヒロインであったはずの先輩。
彼女は、
「中傷するような噂を流したり、ピアノを狂わせたり……後、」
すべて知っていると、私達家族の罪を数え上げていった。
そして彼女は思わずその場にへたり込んだ私の前に来て膝を折り、
「この学園には攻略対象者はいません。……気づいていたでしょう?
ね? 栗原綾那さん」
そういたずらっぽく言った。
その言葉に、
私は口元が歪んでいくのを抑えられなかった。




