4、人の夢と書いて儚いと読む。
私と弟が『目覚め』た日、あの教会で、私達は誓い合った──圓城寺紗々蘭を『黒幕令嬢』にしない事を、それは私達の二つ目の『夢』になった………………が!
「あんのっ、毒婦っ! どんだけ性根が腐ってるんだっ!」
……私達は圓城寺家との接触を禁止された、理由は毒婦……私達の生母が、圓城寺家当主 に夜ばいをかけたから、だ。
私達の住む旧四季邸の春──我が家が没落する前、季節ごとに移り住んだ屋敷の春用──と、圓城寺家の敷地の間には門が設けられ、私達兄弟──双子の姉達と元弟の兄と私──が当主の奥方に面倒を見てもらっていた関係で、ここしばらくは鍵をかけてはいなかった、そこを毒婦が付け込んだ、らしい……まだ子供の私達は詳しく話してはもらえなかった、
「……何時か、何か、やらかすとは思ってたけど、あそこまで馬鹿で無茶だったとはね~、…………はぁ、こりゃ紗々蘭姫に直接働きかける以外の『黒幕令嬢』化阻止策を考えなきゃね~」
弟、いや、今は兄の、ゲームの攻略対象『桜花院覚』が、次善策を検討し始める……さすが出来た弟……いや今は兄……あー、もうっ! ややこしい! とにかく、頼りになる相棒はまだ諦めてはいない様だ……もちろん私もねっ!
「……圓城寺家の従者達に積極的な接触をとるのは危険だろうね……でも、同じ学園に通っている訳だし、世間話ついでにちょっと探りを入れるぐらいは出来そうかな? ……それから……」
……うーん、後は……、
「……黒幕は操る人間がいてこその黒幕……つまり、悪役令嬢を操られ無い──しっかりとした自我を持った子にすれば……」
……うん! 私は覚としっかりと見つめ合い、決意を固めた……行うのは反対側の隣家──桐生兄弟の生活改善、
私はもう一度誓う、……少なくともこの手の届く世界は、幸福な結末にする事を目指すと──桜花院優菜七歳小学二年生の初夏、ゲームではヒロインその1だった私の挑戦の日々が今、始まったのである。




