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この学園には攻略対象者はいません。  作者:
第一章 彼らは冷酷副会長と黒幕令嬢、又は、鳥籃の幸福の姫君と凶悪過ぎた当て馬、でした。

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番外編 バレンタインの、その前に……、栄次サイド

栄次君一人称です。

 





 バレンタインデー──日本では女性が男性にチョコレートを渡し告白する日とされているが欧米諸国では男性が恋人にカードやお菓子、花などを贈り共に過ごす日である。


「なので俺も紗々蘭(ささら)さんにプレゼントを贈ろうと思うんです」


 俺はキリッとした表情でこう君とひとしに宣言する、それに対する2人の反応は、


「ああ、うん、そうだね、俺もそうしよ」


「ああ、きっと大喜びするな」


 と、いう淡泊なものだった、いや、そうじゃなく、


「……つまり、何をあげたらいいかの相談なんだが……」


「? ブーケにカードを添えるぐらいじゃ? もしくは可愛いお菓子の詰め合わせとか?」


「……恋人未満の光君なら、それくらいが良いだろうけど、仮付きとは言え婚約者としては、消えもの以外もあげたいのです」


 思い出以外も残したいだろ?


「……………………」


「ん? 光君? 何スマホで調べてるの?」


「え? ああ、栄ちゃんの言う通りだと思って……可愛いケースに入ったお菓子を……女の子ってそういうの取っとくでしょ?」


 ……兄弟よりも好きな子か……まあ、俺もそうだが……、


「……史、紗々蘭さんが欲しがってる物に心当たりは……」


「……誕生日とクリスマスの時にも言ったが、紗々蘭はほぼ無欲だ」


 史はきっぱりと答える、……そうなんだよね……紗々蘭さんは物質的にも精神的にも満たされている為何かを欲しがったことは無いらしい……、


「……やっぱり困る……」


 結構な高給取りなバイト──圓城寺えんじょうじでの実地研修──をしているし、その前にも色々と稼いでいたから小金はある、けれど圓城寺家のご令嬢に相応しい品となると……、


「……ホントムズイ……」


 誕生日とクリスマス──間が十日しか無い──の時も悩んだが好きな子へのプレゼントって本当に悩む、


「……間違いなく何でも大喜びすると思うが……」


「もらったから喜ぶ、じゃなく、もらった物にも喜んでもらいたいんだ」


 その二つの間にはチョコレート入りコーヒーとコーヒー入りチョコレートぐらいの違いがある……ん? わかりにくいな?


「……とりあえず一月じっくり悩め」


 史は呆れた様に突き放す、一月十四日、お昼のヒトコマである。





「三週間じっくり悩んだが、決まらん! 何かヒントをくれ!」


 二月四日の放課後、俺は史と今璃いまりちゃんに残ってもらいそして頭を下げる、


「……俺としては何でも喜ぶとしか言え無いんだが……」


 史は軽く眉を寄せ唸る……うん、俺もそれ以外の答えが出なかったんだよ……、


「まあ、それ以外言え無いですよ~」


 クスクス笑いながら今璃ちゃんも同意する……紗々蘭さんは無欲過ぎて困る……これから少しづつ直していく予定だが……、


「フフ、ここは一つ逆転の発想で、ずばり、栄次先輩は紗々蘭に何をあげたいんですか?」


 今璃ちゃんに問われ考える、……紗々蘭さんにあげたいもの……、


「持ち歩ける物……かな?」


 誕生日とクリスマスはそうじゃ無かったし、


「うーん? そうなるとアクセサリーとかが基本ですが……」


 ピアスとネックレスは駄目ですよね……、今璃ちゃんの言葉に俺も深く頷く、その二つは常に香奈子さん(亡き母)関係の物を紗々蘭さんは付けている、


「で、そうなると指輪かブレスレットかアンクレットになる訳ですが……」


「どれも小学生が常に付ける物じゃ無いね……」


 アクセサリーは×(ペケ)っと、じゃあ……、


「……髪飾りとか……ああ、いや、駄目だ、下ろしてるのが一番似合う」


 結んでるのも可愛いけどな、


「……ああ! 常に持ち歩く物で紗々蘭が持っていない物があった」


 ずっと無言で俺と今璃ちゃんの会話を聞いていた史が唐突に声をあげた、


「……え? 何だ?」


 そして、教えられた紗々蘭さんの持っていない物に、俺は深く納得し、それを贈る事に決めた訳で、方々探し回り紗々蘭さんに相応しい品を選んだのだが……好きな子へのプレゼントを選ぶのは最高に楽しかった。




 そして二月十四日、娘のチョコレートを当日に食べたい、と例年は夫婦でディナーに出かけている両親と恋人のいない兄弟と将来の舅もふくめて七人で囲んだ夕食の後、紗々蘭さん特製のツヤッツヤのザッハトルテをメランジュ──ウィーンにいた時父が覚えた──を飲みながら食べ、それ以外にも大量のチョコレート菓子をもらい──元々家用に作ったもの以外に女子へのプレゼントの残りと使用人さん達に作ったものの残り──しつこく絡んで来る親達を振り切りようやく二人っきりになれた自室で最高のプレゼントを貰い、俺はとびきりの笑顔とプレゼントを彼女に返したんだが、それは……、






 ……俺の口からは言わないよ? ……もったいないからね。 





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