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なにかのために。

ルドによるブーヒュット王国とナライリャ王国を消滅と『我楽の軍衆(ガヤ・ファイラク)』による完全監視管理宣言を行って以来、人々は息を殺し、静かに暮らしていた。


 いつどんな理由でルドに消されてしまうか分からなかったからだ。


 人々はただただ息を潜め、何もせず、生きた。


「いい世界だ……争いも、憎しみも、悲しみもない世界……夢にまで見た世界」


 ルドは人形をかいして世界を見つめる。


 とある人形が病気に苦しむ子供とその子を抱き抱える少し老けた女性を見つける。


 もちろん、助ける。


 『我楽の軍衆(ガヤ・ファイラク)』の人形に直せない怪我や病気はない。


 しかし、助けに来たのに子供は顔を歪め泣き叫ぶ。


 少し老けた女性は子供を必死にあやす。


「哀れな……」


 ルドは子供と女性、二人に消滅による救済を行った。


 たった一度の涙でも、世界と周りの人々、そして本人を悪にむじばむ、ルドは消滅させることにより救済したのだ。


 すると体格のいい男が、泣きながら大声で人形を殴りつける。


 よほど、悲しいことがあったのだろう……


 ルドはそう思い、その悲しみから男を解き放った、消滅による救済で。


 これでルドは3人、不幸から救済した


 小さい事でもルドにとって人が救われるのは至高の喜びだ。


 ルドはひたすら世界を見つめる、世界と人々を救うために。


 ルドは世界をもっとより良き方向へ導くこと以外に興味はない。


 ルドは世界と人々に尽くす。


「着実に世界はより良い方向に導かれているな……」


 ルドは静かに笑いながら、世界を見つめる。


......................................................


 ルルリはとある遺跡の最深部にいる。


 遺跡の数多の罠により、ボロボロになり、血がべっとりついた手で、錆びた小汚い剣を握る。


 かつてこの世界に魔王が居た、そしてこの剣はその魔王を打倒うちたおした勇者の剣だ。


 ルルリは剣を強く握り締める。


 この剣を握れたこと自体途方も無い奇跡だった。


 何度も死を覚悟した。


 しかし、ルドを止めるためルルリは諦めずに進んだ。


「勇者様……私に力をお与えください……! 」


 ルルリは祈った。


 するとルルリの体が光りだした。


 傷が癒され、今まで感じたこともない力を感じた。


「ルド……」


 ルルリはそう呟いて遺跡をあとにした。


......................................................


 ルドは古びた剣を持ったルルリが自分の元へ向かうの見た。


 だが、気にしない


 たとえ、ルルリが何をしようとも、ルドにとってはどうでもいいことだ。


 しばらく経ち


「ルド……もう、やめよう」


 ルルリはルドの目の前に立ち、まっすぐとルドを見据え、力強く、優しくそう声をかけた。


「…………」


 ルドは何も答えない。


 ルルリは悲しそうに目を伏せたあと。


 顔を上げ、剣を構え、ルドに斬りかかる。


 だが『我楽の軍衆(ガヤ・ファイラク)』の人形に簡単に防がれてしまう。


 ルルリは何度も剣を打ち付ける


 だが、全て人形に防がれてしまう。


 どれだけ強くなろうと人では、神の力を持つルドや人形に太刀打ちすることできない。

 

 神と人では完全に格が違うのだ。


「はぁ……はぁ……」


 ルルリは息を切らしながらもルドをまっすぐと見つめる。


 ルドはそのまま近くにいる人形の赤い水晶のような頭に手をいれると


 ルルリの目の前の人形からルドの手が出てきた。


 このまま、ルルリに向けて『神罰の光(バラー・ダウゥ)』を放つつもりだ。


 ルルリは力なく笑う。


 私じゃ……ダメだったんだね……ルド……


 ルルリの瞳から1つの雫がこぼれ落ちた瞬間。


 ルルリの頭に『神罰の光(バラー・ダウゥ)』の軌道が浮かんだ。


 放たれた『神罰の光(バラー・ダウゥ)』は壁と床を消滅させただけであった。


「…………! 」


 ルドが目を見開き驚愕する。


 『神罰の光(バラー・ダウゥ)』は先に消す場所を決める、その時に指先から事前に消す場所をマークする光りがでる、その後『神罰の光(バラー・ダウゥ)』が発動にその場所を消す。


 本来『神罰の光(バラー・ダウゥ)』は発動も遅く、回避しやすい、しかしこれらのことは全て神の時間に行われるため、人が感知することはできず、回避不可能の零秒消去となる。


 だが、ルルリは感知し回避した。


「まさか……自力で……神の力を……! 」


 ルドはまっすぐとルルリを見つめる


「…………」


 ルルリは何も答えない。

 

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