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革命の種

ルルリはルドの唐突で意味不明な発言に固まっていた。


 今までの雰囲気から、てっきりプロポーズでもするのかと思っていたルルリにとって、ルドの「俺は神に力を貰ったんだ」という発言は理解しがたく、また落胆するようなものであった。


「え…………? どういうこと?? 」


 ルルリはとりあえずそう聞くと


「そのままの通り、俺は神に力を貰ったんだ」


 ルドは淡々と答える。


「…………もしかして、疲れてるの? あ! ならしばらく休んでいたほうがいいよ! 大丈夫! お金のことなら任せて! 」


 ルルリはルドは疲れていたから変なことを言い出したと思い、身を案じるように、そう言った。


「いや……本当だ」


 ルドはルルリの目の前で、『我楽の軍衆(ガヤ・ファイラク)』により人形を2体生成する。


「…………!!? 」


 魔法に精通したルルリは驚きのあまり目を見開く、生物の生成は現段階では不可能とされた魔法であること、そして魔法を使えば必ず魔力の波ができるが、ルドがさっき使った力は魔力の波が一切感じられ無かったこと、ありえない出来事二つが同時に起きたからだ。


「本当……なのね……」


 ルルリはルドのありえない特異な能力と信じがたい出来事に現実感を感じられなかったが、目の前で起きた現実をそしてルドを信じることにした。


「ああ……本当だ……」


 ルドはうなずいた後


「そして二つ目……この力で俺はこの世界に革命をもたらそうと考えている……協力してくれるか? 」


 ルドはルルリの目を見据える。


 しかしルド自身こんな荒唐無稽こうとむけいな話しに乗るとは考えていない、だが拒否しようが関係ないこと、無理やり力ずくで従えさせればいい、と考えていた、それは褒められた考えではないが、しかしがあればこの世界をもっとより良き方向へ導くとい至高の善行のためには、下らない論理や感情など切り捨てるべきだと、ルドは思っていた。


「うん……わかった……」


 ルルリはルドの予想に反して話しに乗ってきた。


 ルルリ自身、この世界を変えたいと思っており、そしてルドなら変えられると信じて、頷いた。


「そうか……、ならどうすればいいといいと思う? 」


 ルドはルルリに対し、暴力的な行為をせず済んだことに安堵しつつ、そう聞くと


「その、人形……どのぐらい用意できる? 」


 ルルリはルドが出した人形が5体もあれば世界中の国を制圧することが可能だと考えていた。


 冷や汗を流しながらそう聞く。


 ルルリはとてつもない威圧感が人形を人形から感じる、ルドが出したものでなければ小便を漏らし気を失っていたかもしれないほどに。


「ん? まあ、いくらでも出せるぞ」


 ルドはあっさりと何でもないことのようにそう答える。


「いくらでも……」


 ルルリは声を失いそうになりながらも、かろうじて声を出す。


「そうだ、その気になれば100億だって軽く出せるぞ」


 ルドのその言葉にルルリは目を見開く。


 下手したら1体で12の国の総戦力以上あるかもしれない化け物を100億は軽く出せる、もはや戦慄すら越えた、未知の感情にルルリは支配されてしまう。


「な……なら、とりあえずいっぱい出して、各国の国王が降伏するまで戦えばいいと思うよ……」


 あまりに桁外れな力を持ったルドにルルリはそうアドバイスするしかなかった。


「そうか……よしわかった! 」


 ルドは大量すら超えた量の人形を生成した。


 人形は生成された直後に空を飛びどこかに行ってしまう。


 全ての空を覆い尽くす雲になった人形を、ルドとルルリはただ見ていた。



 ルドの人形と世界各国の戦いは、もはや戦いと呼べるものではなかった。


 人形は一切の攻撃行為をしなかった。


 ただ歩き、ただ飛びながら、ルドの

 

「降伏せよ」


 と言う降伏勧告を垂れ流す。


 それしかする必要がなかった。


 なぜなら、あらゆる攻撃手段が一つたりとも効かないからだ。


 むしろ、人々を人形に対する攻撃の余波から守っていた。


 そんな、圧倒的な存在に抵抗する気力も起きるはずがなく、12の国は6時間以内に全て、ルドに対して降伏宣言をした。


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