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魔王のお孫さん  作者: 笑う猫
召喚されし勇者と転生されし魔王
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六話


「お迎えにあがりました。アリシエル様」


食事を済ませ、荷物を持って宿屋の前で待っていると大きな馬車がやってきた


「おはようございます。随分と早いですね」

「詳しいことは城に着くまでに」


俺は馬車に乗るように急かされる


「少々問題が発生しまして」


馬車に乗り、移動し始めたころ、ミリアさんが深刻な顔で話を始める


「問題?」

「はい、アリシエル様とタティア様のお乗りになる馬車の御者をこちらで用意していたのですが・・・」


御者ってのは馬車の運転手みたいなもの


「その御者が死体で発見されたのです」

「死体・・・?殺されたってこと?」

「はい、それでアリシエル様に一つお聞きしたいんですけど」

「なんですか?」

「アリシエル様は馬車をお引きになられた経験は?」

「ありますけど・・・」


一度だけだけど

それも馬じゃないけど


「ではアリシエル様に御者を行っていただきたいのですがよろしいでしょうか?」

「ええ、それは構いませんが・・・それで御者を殺したのは?」

「現在調査中です」


殺された・・・ね

まぁいいけど


その後、依頼の内容を詳しく聞きながら城まで向かう


「タティア様は人見知りする性格なので最初は距離をとっていただきたいのですが」

「人見知り?あぁ、わかりました」


城の門の前に俺が乗っている馬車よりも一回り小さい

四人乗りの馬車を鎧を着た人が囲んでいる


「では」


そういって鎧の人たちが全員どこかに行ってしまう


「タティア様、私がダルクス・アリシエル。これからタティア様をラーシス国までお連れする者です」

「・・・・・・」



馬車の中で横になっている女の子

歳は13歳くらいだろうか

金髪に少し赤が混じった髪の色をしており

背は俺よりでかそうだ


「ではさっそく出発いたしますね」


タティア様は一言も話さない

人見知りってやつですか

そうですか





一日目


馬車を走らせること一時間

タティア様は俺の方をちらちらと見るだけで話しかけようとしない


「タティア様?」


俺が声をかけるとサッと馬車の中にもぐり込む


「・・・ん~、どうしたものか・・・」


女の子の扱い方なんか知らないんだけどな~

もし俺がハーレム系の主人公なら適当にイベント起きてくれるんだろうけど

俺の立ち位置って実際ラスボスだよね 

だって魔王だし


「・・・・・・止まってくれ」


俺は馬車を引いている一匹の馬の魔物に話しかける

馬車を引いている馬は黒く艶のある毛並みのブラックホースていう馬

まぁまんま黒い馬だけど

ただしB級指定の魔物で肉食


「なんでこんなところに・・・」


ここはアルパシブ帝国の少し離れた場所にある森

数多の魔物が生息してるんだけどブラックホースが引いてるから雑魚魔物は襲ってこないんだけど


「グリフォン・・・タティア様・・・少し静かにしていてくださいね。どこかに行くのを待ちますから」


グリフォン

鷲の翼と上半身を持ち、ライオンの下半身をし、尾が猛毒の蛇という異形の鳥

A級指定の強力な魔物で風を操る


「き」


タティア様が荷台から少し顔を出してグリフォンを見据え


「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「あ、ちょ!」


超デカい声で叫ぶ


『ピギャァァァァァ!!』


耳をつんざくような奇声

そしてあたりに突然突風が噴き出す


「気付かれた・・・くっそ」


タティアという守る相手がいる以上逃げるわけにはいかない

それに馬車を捨てるわけにも

ってことは


「なんだ・・・イベント発生ってか」


前途多難な旅の始まりだぜ

改変しました

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