一話
「ねぇ・・・君はどうして戦う?」
「どうして?みんなのため・・・この世界を救うためだ」
「世界?この世界の人間じゃない君がこの世界を救うの?」
「あぁ、約束したんだ・・・死んでいった仲間達と・・・」
白い髪に紅い目の身長150㎝程の少年が、黒い髪に黒い目の身長170㎝程の青年に話しかけている
「死んでいった仲間・・・ね、そう・・・いいよいいよ。勇者はそうじゃなくちゃね」
黒い髪の青年は勇者
異界より召喚された青年
「じゃぁ始めようか」
途端、白い髪の少年の背中が膨らみ、四枚二対の白い翼が生え、その頭には湾曲した角が生えている
「あぁ・・・やろうか・・・」
黒い髪の青年の体が銀色の光に包まれ、やがてその光は鎧へと変化する
「白銀の鎧ね・・・いいじゃないか」
白髪の少年は、その腰にまで伸びた髪をバッサリと手刀で切る
そしてその髪を頭上に投げる
「第1から第9万5895千4545の具現」
少年が投げた髪はそれぞれが形の違う、大小さまざまな武具へと変化する
黒い髪の青年――勇者はどこからか黒い日本刀のようなものを取り出し、少年に向ける
「黒の勇者」
「白の魔王」
少年と青年は同時に喋る
「「悪いがここで死んでもらう」」
ここは魔界と呼ばれる異界に存在する城
そしてここは玉座のある間
白い髪の少年の名前はダルクス・アリシエル
黒い髪の青年の名前は黒井 雄哉≪くろい ゆうや≫
片方は魔王、もう片方は勇者とよばれる人外の力を持つ二人
そしてここから物語が始まる
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