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ブループリントヒトゲノム  作者: 冬蜂
第一章 千年大国編
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第六話 全知全能

・千年大国とは

かつてある地には"全知全能"を司る螺旋塔が存在した。


"全知全能"を手に入れれば、この世における神羅万象全てのゲノムを理解できる。


それは即ち、全てのゲノムを入手出来るという事。


なので当然、独占したいが為に人間同士で争いごとが起こってしまう。


螺旋塔の守護者である一人の天使はそれに大変嘆いたと言う。


なにせ全知全能ゲノムに全ゲノム入手なんて効果は無いのだから。このゲノムの効果は世界の全てをただ知識として蓄えられるだけだと言うのに。


ああ、なんと愚かな人類か。


天使は空に何でも吸い込む黒い大穴を作った。半径15㎞程の円を描いて。


後にそれは"奈落"、或いは"ブラックホール"と呼ばれる。


奈落作成レシピ

"吸引"×20+"空間操作"×10+"時間操作"×10


そして奈落へ天使は螺旋塔を落としてしまう。


「人間はどのような進化が適正か」


天使は人類へ試練を与える。


「この奈落を通ることが出来た者のみ、全知全能を与える。そして私が迎え入れよう、選ばれた民だけの王国。千年大国へ」



千年大国とは――、


数百年前に作られた"天界"である。


千年先まで続く秩序を目指した"王国"である。


全ての民を救うゲノムユートピアとは真逆の位置に居ながらも同じ"理想郷"である。


それでは次のページからは千年大国を創設した偉大なる天使について紹介しよう。




「成程……随分凝った内容の旅のしおりだね」


「その割には抽象的でフワフワした説明ですけどね。もっと映えスポットとか美味しいレストランとか教えて欲しいんですけど」


「君は天界をテーマパークか何かだと思ってる?」


まずはっきりと此処は一つ。


今日は学校サボってません。


今宵は休日。私とライル、リラ、マスターの四人は空港にある滑走路のど真ん中でわちゃわちゃたむろしていた。


何とも言ってもこれから四人で旅に出るからだ。(一泊二日)(代金全部リラ持ち)


瞬間移動すれば一瞬じゃないか、と思われるかもしれない。でも基本的に瞬間移動での入国は不法とされており、国によっては即現行犯逮捕なんてことも。


今までずっと教科書やノートと言ったつまらない物を詰め込んでいた黒いリュック(相棒)も、今日と明日だけは夢と希望とお手製感満載の旅のしおりでいっぱいだ。


「だが謝罪の気持ちも込めて、リラが天界に連れて行ってくれるのだから少しは観光気分でも良いのかもしれないね」


あの後の話をしよう。


リラとマスターが非礼を詫びる(私も内心ディスってた事を詫びる)

改めてリラとライルが協力関係になる

お詫びとして天界旅行にタダで連れて行ってくれる←いまここ!


終わり。


「しかし……露骨にテンションが高いねアーミー君」


             ウキウキ

ウキウキ「そうですか。特に普通だと思いますけど」ウキウキ

                   ウキウキ

    ウキウキ 


「私にはウキウキに見えるが……まあいっか」


するとSFでしか見ない様なハイテクに満ちた宇宙船染みた巨大ジェット機が私達の前に登場する。


"瞬間移動"byリラ


私とライルは飛行機を認識した途端、その内部に移動される。


「ようこそお越しくださいました! 私のプライベートジェット機へ!」


その内装はまさにハイテクの一言。薄暗い大部屋スペースを軸に、青白くぼんやり光る間接照明がサイバーバンクの雰囲気を忠実に醸し出している。


「そして改めて、あの時は申し訳ございませんでしたお二人さん共……!」


「まあまあ、私は全身を氷で貫かれたくらいだから」


「まあまあ、私もトラウマを引き起こして倒れたくらいですので」


「あ"っ!!!!死んでお詫びしますっ!!!!!!!」


何故か手際よく氷の刃が出現して、腹を切ろうとするリラ。


「ハラキリなんて一芸、数百年前でもウケなくて廃れたのに今やられても困るよ」


「止め方が独特すぎて意味分からん」


さて私のツッコミも冴え渡ったところで、ずっと腕組後方ニヤニヤオタクしてたマスターがようやく喋る。


      ニヤニヤ

ニヤニヤ「ちなみに旅のしおりはリラ様がおひとりで全てお書きになられたものです」ニヤニヤ

            ニヤニヤ

                      ニヤニヤ


ああ、ずっとそれ言いたかったんだろうな。だからニヤニヤしてるのか。


「ほう……中々面白かったよ。もっと読んでみたいとも思ったね」


「そっそんな事言われても何も出ませんよっ!!!! し、舌を引っこ抜いて凍らせましょうか!!!!」


「大丈夫? 殺意出てない?」


リラはツンデレキャラだった。


ただテンションが酷すぎる。街頭モニターの時こんなんだったっけ。


「ツンデレの概念が問われるね」


だがあまりに我々が浮かれていたのか、マスターが一気に喝を入れる。


「楽しむのも大いに結構ですが……目的を忘れないで下さい。あくまでも我々の目的はヒトゲノムを探すこと」


ただし勿論、ライルを殺す為ではない。ライルが正真正銘、人として生きられる方法を探す為に。


そして白羽の矢が立ったのが、"全知全能"。


このゲノムを使えば、ヒトゲノムの場所もあっという間に分かる。


さらに千年大国の守護者はリラと同じ天使であり、思想は違うものの親友の間柄。


関係性で言うと、"どっちの理想郷が実現できるか競争だな!"みたいなそんなあれ。


「あとこれはゲノムユートピアの問題だがリラ様が旅に出る為、守護者の代理を用意する必要がある。其処で彼女の親友に掛け合ってみる予定だ」




以上二つの目的で私達四人は千年大国に出発する――。




「そう言えばさ、マスターの本名って聞いた事無いんだけど」


「ああ、私の名はドゥーバンエイロック・オブラバーナイトだ」


「ちょっと長いからマスターでいっか」


「そうですね」


「良いかもしれません……!(小声)」


「もしかして……一番精神がマトモなのは私か……?」







◇    ◇    ◇    ◇







とある暗闇の一室にて。


虹色に輝く羽が舞う。


真っ赤な血飛沫と共に。


そして転がるのは――、××。


その男は食べていた。


意地汚く食べていた。


天使を食べていた。


"暴食"発動。


"天使"を食したことにより、"全知全能"を入手。


「おーおー、早速俺の脳みそに全知全能なる情報が届いたぜ。……天使はゲロマズってな」

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