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ブループリントヒトゲノム  作者: 冬蜂
第一章 千年大国編
10/19

第十話 氷ノ天使

"    "


"全知全能"


"組換"×600


"組換"×600


"時間操作"×5


"時間操作"×5



"空間操作"×400


"空間操作"×350



"重力操作"×200


"    "



"サイコキネシス"×450


"サイコキネシス"×300



"運勢操作"×500


"    "



"銃弾"×600 "混乱"×200 "毒"×200 "麻痺"×200


"  "   "  " " "    "  "


「……や、や……やめ、ろっ」


"光属性"+"空間操作"+"斬撃属性付与"+"パンチ力強化"+"会心の一撃"+"幻影"


「やめ、やめろって言ってん……だろうが!!」


"光属性"+"空間操作"+"斬撃属性付与"+"パンチ力強化"+"会心の一撃"+"幻影"+"爆音波"+"火属性"+"石化"+"バーサーカー"+"風属性"+鉄拳+"影操作"+"鬼人化"


「い、いくつ持ってるんだよ。てめえの……ゲノっ


"光属性"+"空間操作"+"斬撃属性付与"+"パンチ力強化"+"会心の一撃"+"幻影"+"爆音波"+"火属性"+"石化"+"バーサーカー"+"風属性"+鉄拳+"影操作"+"鬼人化"+"腐敗化"+"鱗"+"血液操作"+"硬化"+"伸縮化"+(以下略




淡々と行われていたのは一方的な殴打。ライルは武器すら使わず、ひたすら両の拳にゲノムを込めて殴り続ける。


まるで力の差を分からせる様に、丹念に丹念に丹念に殴り続ける。


勿論そのお相手は……、黒の天使。


「……こ、ころ、ころっ……ころされる……!」


ライルの圧倒的な暴力に耐えきれず、彼は弱音を吐きながらダウンしてしまう。


この状況から分かる通り、既にもう勝負は終わっていた。


結果は――、ライルの圧勝。


いくら全知全能でもライルのゲノムが多過ぎて、情報の取捨選択が黒い天使には出来なかったらしい。


「な、なんでこんなに…怒ってるんだよ……? ま……まるで、人みたい、じゃねえかよ、怪物の癖に。……あれだろ。此処の守護者を食べちまったから…そんな怒ってんのか?」


「……」


「あの天使……ゲロマズだったから、てめえは食べなくて正解だったぜ。ははっ……お前、マジでラッキーだな」


ライルは無言で天使の顔面がめり込むほどパンチを放つ。


「馬鹿か……馬鹿、すぎるっ。てめえと同じ顔してるんだぞ……俺は! どう考えてもよぉ……重要な情報持ってるに決まってる……だろうが!」


するとずっと無言であったライルはようやくその重たい口を開く。


「興味がないね。さて……個人的には殺したい気分なんだけど、リラ達の事を考えて此処はなるべく半殺しで済ませたいと……?」



"瞬間移動"



このゲノムを発動して、ライルと黒い天使の前に現れたのは……リラ。


それもアーミーとマスターの二人のおまけつき。








時は遡る。


この私アーミーとリラはあの後、何も当てもなくとりあえず彷徨い続けていた。


クズ人間たちを氷漬けにして壊しても、特に状況自体は変わらない。千年問題は何も解決していない。


「……あっ、上の方見てください! アーミーさん!」


のはずだったのだが何の奇跡か慈悲か、突然分厚い暗雲を裂くが如く木漏れ日が漏れだしていく。


さらに続いて私たちに訪れたのは"詠唱"。


(思ったより早くお二方を見つけられて良かった。)


詠唱の主は離れ離れになっていたマスターだった。


ちなみに詠唱ゲノムとは簡単に言うとテレパシー。相手が見えている状態ならどこでも可能。さらに実際に口に出して詠唱することで、他のゲノムにおける効果が20%UPする。


何故今このタイミングで説明するのかと言うと、この情報はついさっきリラから教えて貰ったからだ。


ライルは何も説明してこないから非常に助かる。


そして私達はなんとかマスターとも合流。再び近くにあった荒廃した神殿に入り、これまで互いに起こった出来事を含めて情報共有を図る。


◇マスターが知ってる情報リスト

・試練の間はライルによって既にクリア

・私達もいつでも此処から出られる

・ただし全ての元凶が空の光の先にいる

・その元凶が危険なのでライル一人で突っ込み、マスターは避難誘導の為に私たちや千年大国の住民を探していた


さて……"これまで互いに起こった出来事を含めて情報共有を図る"と言っていたけど、あれは嘘だ。


いやだって……クズ人間達のことなんて胸糞過ぎて言える訳ないし……。


リラもそれを察しており、露骨に自分達の情報では無くマスターの情報を元に話を膨らませていく。


「……私は全ての民を救う天使です! 勿論、その中にはライルさんも入っています! なので私達三人で助けに行きましょう!」


「しかし相手は危険だとライル氏が言っている故……」


「だったら尚更助けに行かないと駄目じゃないですか! それに……その元凶とやらが、私の親友の行方を知っている可能性だってありますし」


「それは……そうですが……」


マスターはあまり気が進まないらしく、表情が見るからに曇っている。


理由は私でも分かる。


その元凶が恐らく親友を殺しているから。そしてそれを知ってしまったリラは……その元凶を殺してしまうから。


それは絶対に彼女が目指す"慈悲"では無い。


だがマスターは知らない。


残念ながら……もうリラは一線を超えてるってことに。




「それじゃあ、瞬間移動でパパっと行っちゃいますねっ!」


「待ってください。ライル氏の言う事を






――と言う訳で、現在に至る。





リラは意外にも元凶である彼に慈悲深い表情で接する。


まあ顔面は酷くボコボコで、ライルが既に徹底的にまでぶん殴っていたのは分かっていたからか。


「此処の守護者である私の親友はどうしたんですか? なんでこんな行為に及んだんですか? どうしてライルさんと同じ顔をしているんですか?」


「ふっ……てめえの親友ならな……喰っちまったよ。今頃、俺の糞になってんじゃね?」


"氷属性"+"組換"


黒い天使の右腕を彼女は凍らせる。そして即座に組換。氷を一瞬でトゲまみれに変えて、奴の身体中に付き刺していく。


「いってえな……!て、めえ……慈悲深き、天使じゃねえのよ!おい!!!」


マスターやライルは彼女の度が過ぎた行為に止めようと考えるが、リラの瞳の奥に垣間見える気迫に押されてしまう。


「なんでこんな行為に及んだんですか?」


黒い天使は荒い息遣いながらも必死にライルの方に指を差す。


「おれ、俺はさ……ゲノム研究所の主に命令に従ったまでなんだよ。ゲノム研究所は人間の浄化……じゃねえ、虐殺を目的としたイカれ組織でよ……。お前等、人間を守ろうとする千年大国とゲノムユートピアが邪魔だったんだよ。だから……壊した。俺とライル・ジッドでな」


「……おや、此処で私に振るのか」


「しらばっくれるなよ! ライルが一人で此処に来たがってたのも……俺と実は手を組んでいたからなんだぜ。俺は千年大国を壊すから、ライルはゲノムユートピアを壊すって言う計画を実行する為に!」


まあライルと黒い天使が同じ顔をしている以上、何かしらの関連性はあると考えていた。


しかしそれでも……あまりに幼稚な嘘であることは明白だった。


"全知全能"でもその知識を活かせる頭脳が無ければ、何も意味は為さない。


「私がライルさんと対話していなかったらその話、信じていたでしょうね」


今度は黒天使の左手に氷を生成。続けて先程と同じ様にトゲを発生させ、彼を串刺しの刑に処する。







「なんでこんな行為に及んだんですか?」


既に彼の身体は穴だらけ。それでも兵器と言うだけあり身体はタフらしく未だ意識があった。


「い、いってえ……。天使様ぁ……助けてくれよぉ……」


「なんでこんな行為に及んだんですか?」


「民の声を聴いてくれよぉ……。こんなに傷付けられてるのになんでだよぉ……」


「なんでこんな行為に及んだんですか?」


すると彼は急に真顔になる。


「退屈だったから」






私の心臓はドキンッと一つ、大きく鳴らした。


「お前等天使の造る世界が、つまんねぇから」


あまりに軽い口調で奴は答えた。


「人間に媚び売ってて、虫唾が走るんだよ」





"「やっぱりあなたも私たちと同じ悪人じゃないですか」"


"「ほんと、つまんねぇ世界」"


"「私を退屈させないで下さい」"




彼は奇しくも……私と同じ考えを持っていた。




そしてリラはその言葉を無言でじっくり嗜んだ後―—、私の方へ一瞬瞳を傾ける。


「それだけの理由で……殺したんですか? 私の親友を」


恐らく黒天使と私を同じ"人間"として彼女は重ねてしまったはず。


私と彼は本当に何も変わらないのでは……?





そんな事を考えているとリラの質問にこれまた黒天使が答える。


「人間を崇め奉る邪教は浄化しなければならない。此処も。ライルも。ゲノムユートピアも。全部だ。それが……主の命令。……ははっ、時間稼ぎはこれくらいでいいだろ」


「…… 私のゲノムユートピアに何をした」





"五感強化"


彼の口ぶりから何かを察したっぽいリラは、視覚を強化してゲノムユートピアを監視。






◇    ◇    ◇    ◇




視界を埋め尽くすは――、どこかで見た千を超える魔物たち。


そして彼等は嘲笑うかの様に、ゲノムユートピアに住まう人間達を喰らっていた。


街頭モニターでは慌ただしく緊急ニュースが映し出される。


「皆さん! 避難して下さい! きゅ、急に螺旋塔から大量のモンスターが現れました! 至急、安全な場所まで……」





最終的にこのゲノムユートピアで行われた、魔物による大虐殺の死亡者数は2万を超える。


これはほぼゲノムユートピアの人口に等しい。


人々は死ぬ最後の最後まで、天使の救いを求めていたと言う。


「助けて、天使様。」と。






◇    ◇    ◇    ◇










「……私が、私達が一体何をしたと言うんです」


心が壊れる音がした。


即刻、壊れた心の破片を氷の刃として黒の天使の脳天目掛けて飛ばそうと企む。



誰もが思った。ライルや私も思った。


もうリラは――、止められない。いや止めるべきかも分からない。




そのはずだった。




彼女の目の前にはマスターが居た。



「また……あんなクズにも慈悲とか分かり合えるとか綺麗事ほざくんですか。もううんざりです。止めないで下さい」


「いいえ、もっと単純な理由で止めます」


「……それじゃあ、警察だからって言う理由で止めるんですか。そうですか。だったら、私より先にあいつを逮捕にして死刑にして下さい」


「私がそんな利己的な人間に見えますか」


「だったら……! だったら、なんで


「貴方に人殺しをさせたくないからに決まってるじゃないですか」



"まず両腕を凍らせた後に折りました。あの時の折れる音がなんとも心地が良いんです。"



「大丈夫です。私は貴方が優しいことを知っていますから」



"次に怯えきった顔を一発殴ります。そうすると大抵のクズは鼻血を出します。その顔がまたみっともなくて笑えるんです。"



「優しい貴方に元に戻って下さい」



"そしたら少しずつ足を凍らせて動けなくさせて、許しを請わせます。死んだあの世の親友が少しでも安らぐ為に。そして最後に心臓を……"



「貴方は慈悲深い天使リラ・シーカーなんですから」



"最後に心臓を氷で突き刺して、この世に生まれたことを後悔させる程の痛みを味合わせてやるんです"




"まあ最後の最後まで謝罪も何も無く「はらがへった」としか言いませんでしたけど"



「私はもう、貴方(マスター)の気持ちが分かりません」





こんな時でも涙が出てこないのは……、きっと哀しい事なんだろう。




リラの瞳は乾いていた。






マスターは大量の血反吐を吐いて倒れる。


理由は簡単。リラが発動した氷属性ゲノムによって、心臓を突き刺されていたから。


あのライルを持ってしても動けなかった。


理由は簡単。リラはマスターに好意を寄せている故、傷付ける訳がないと思っていたから。







「私は……この光景を見たことある……」




"私のお父さんは両目を××られて、×を抜かれて、両手両足を××取られ、それを目の前に見せつけられた。"


"私のお母さんは全ての歯を××れて、そこから××を代わりに入れられて、それを目の前に見せつけられた。"


殺人鬼の犯行理由はゲノムの暴走だった。





リラ・シーカーは現在、ゲノムの暴走に陥っていた。



「何なんですか……何なんですか、私をどうしたいんですか、お前等人間はああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」



氷の翼が背中から生えて来て、それは彼女を包み込む。


殻と化した翼からは大量の棘になって、私達に明確な殺意を向ける。


「あ、悪魔だ……!」


全知全能を持っている彼は今から行われるリラの言動に既に怯えていた。


「え」



"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"+"氷属性"


+"組換"


="???"





◇螺旋塔と魔物の関係性について

・螺旋塔にはゲノムを守護する目的で魔物が配置されている。

・基本的にそれぞれ、螺旋塔にあるゲノムに関連した魔物が生み出される。

【"水属性"ゲノムなら、水に関連する魔物(魚やスライム等)が生成。】

・ちなみにゲノムユートピアが司る螺旋塔は"組換"。

このゲノムで自らの身体を自由に組み替えて角や髪の色を変えることが可能。また螺旋塔のシステムそのものを「そもそも魔物が生成されない」様に組み換えている。





"・ただし緊急時の際は例外で即座に他のゲノムに組み換えて、魔物を生成出来る様にしている。"



こう言う仕様で千年大国の螺旋塔は"全知全能"から"暴食"に変えていた。


結果、暴食に合わせた環境が生じ千匹の魔物や共食いが発生した。



ではそれが全て"氷属性"に変わるとしたならば――。






="氷河期"

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