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政治経済エッセイ

金融所得課税では何の格差是正にもならない! 消費減税と低所得者の社会保障負担見直しがベスト!

作者: 中将

◇金融所得課税に新NISAは含まれないことは濃厚なので安心して良い



筆者:

 本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。


 今回は自民党総裁選で争点の一つとなっている金融所得課税や富裕層と一般人の格差是正について個人的な意見を述べていこうと思います。



質問者:

 金融所得課税について、新NISAについても非課税が課税になってしまうのではないか? という事が言われていますがそれについてはどうなんでしょうか?



筆者:

 実は「金融所得課税」と一口に言っても色々なパターンがあるようなのですが、

 つみたて新NISAが課税になるといった案は存在しないようなので安心して投資をしていいと思います。


 何せ非課税を唄っておきながら後で課税するとかただでさえ信頼が無い政府が、

いよいよ失墜することになるでしょうから、流石にやらないと思います。


 そもそも「年金制度破綻宣言」として社会保険徴収を引き続きやりながらの非課税何でそんなに有益なものだと僕は思っていないです。


 そして消費税を上げるなど、搾り取る方法はいくらでもあると思っているでしょうからね。



質問者:

 そうなると突如として総裁選で話題に上がってきているのは、


 やはり富裕層から増税をすることによって総裁選の党員票を獲得しようという考えなのでしょうか?



筆者:

 ただ、“増税“と言うワードによってネットでの評判は悪いようなのでその点は良いと思います。


 基本的には対象となっている人たちは「NISA枠以上の投資を年間でできる人」になるために、比較的資金に余裕があるといっていいとは思いますけどね。



◇現状の制度の2つの問題点



質問者:

 現行の制度はいったいどういう点が「富裕層優遇」と言われているんですか?



筆者:

 現行の株式の売買や株の配当に関しては分離課税(所得税・住民税合わせて20%)と総合課税(15%~55%)に分かれているんですね。


 これを総合課税に統一または分離課税の税率を上げることが検討されているわけです。


 また、分離課税においては最初から源泉が納付されている)ために必ずしも確定申告をする必要が無い場合もあります(源泉が返ってくる可能性があるので確定申告をした方が有利な場合もある)。


 また分離課税では国民健康保険料の所得割額を算定する総所得金額等に計上されないことに不公平感があると言われているという事です。


(※簡単に言うのなら分離課税のままの方が有利で、保険料の納付が少なくなります)


質問者:

 確かに税率の計算が最高55%が20%になる上に保険料計算も有利なら影響は大きそうですね……。



筆者:

 ただし、分離課税の完全廃止を行うとなると別の問題点が発生します。

 分離課税には株式以外にも不動産の譲渡や退職金も含まれていますからね。

 

 特に退職金はこれまで我慢して働いた功労なのにも関わらず税率が上がってはとてもたまらないですし、不満もいよいよ爆発するでしょう。

 

 しかし、政府や周囲の財政検討系統の委員会は退職金についても言及しているのでこの点はとても注意が必要だと思います。


 ただ、基本的には金融所得のみに関する論点と言って良いでしょうね。



◇やれてもせいぜい保険料の是正ぐらいしかできないと思われる



質問者:

 しかしどうして、実行されないんでしょうか?

 

 増税があんなにも大好きなのに……。



筆者:

 まず、政治家の方々も年収が高く、そもそも自身も富裕層のカテゴリです。

 株式投資なども多分に行っていることでしょう。

 

 政治資金規正法に関してもそうですが、自分に不利になることは率先してやるとは思えません。

行ったとしても必ず“抜け道”を用意してあるのです。


 また、支援(献金)してくれている人たちは余裕がある方であるために金融所得を得ている人たちも多いと思います。


 僕は日経平均株価を評価していませんが、日経平均が落ち込むことを是としない傾向が政府にはあります。

 これも支援しているのが大企業と言う要素も多分にあると思います。


 岸田氏が首相になった際には当時は金融所得課税を掲げていたために8営業日連続で株価が下落(30,277円から27,665円)と言う現象が起きたために、

 政策の一覧から後に消滅すると言ったことがありました。


 このように一時の支持率のために自分の利益にマイナスになることは公約に掲げていたとしても結果としてやりづらいと言う要素があります。

 

 

質問者:

 なるほど……政治資金の問題の時も思いましたが結局は自分の懐事情のさじ加減で決まっている感じはありますからね……。



筆者:

 彼らのほとんどは残念ながら日本国民の生活を良くしようと思っているのではなく、「良くしようと見せかけて我田引水をしている」と言うことです。


 また、先ほどもお伝えしましたが金融所得課税を言っただけで株価が下落したことを考えると日本から投資が逃げていくと言った可能性もあるので苛烈な金融所得に関する増税を行うとも思えません。

  

 案としては「ガス抜き」として株式などの配当の分離課税も確定申告強制にする又はハガキの時点で保険料まで引いてくることが有力案として浮上してくるぐらいですかね?


 河野氏の「全員確定申告」が税務署職員の実務的な負担が増加することから炎上しているので、なるべく手軽に徴収する方法を考えるでしょうね。



◇国民が一致団結して格差是正のための減税を要求することが大事



質問者:

 結局、格差是正のためにはどうしたらいいんでしょうか?



筆者:

 他に影響を与えないような増税は現在最高45%の所得税の累進課税を強化するぐらいでしょうか?


 しかし根本問題としては、増税において格差は是正されないと思います。

 なぜなら、真の富裕層と言うのは正直「日本に資産を所有していない」んです。



質問者:

 えっ!? どういうことですか!?



筆者:

 そもそも富裕層は株を持ちたい(会社に投資したい)から持っているという方は極少数で、「自分の資産を増やす又は保全したいから」と言う要素が一番大きいです。


 つまり試算が保全できればどこに投資していようと良いわけなんです。


 そのために、生活圏は暮らしやすい治安の良い日本ではあるものの、シンガポールやニュージーランドなどのタックスヘイブン(租税回避地)に本籍を移住して資産を保有して税金を回避しようとするからです。


 普通の人はそもそも海外に物件を持つことすらできないと思うので本当に特権階級のみに出来る租税回避方法なんですよね。


 富裕層の増税を強化すればよりそう言ったタックスヘイブンに資産を移す傾向が強まるだけで格差問題は解決しません。


 タックスヘイブン地の税制について介入することは国際法上違反になりますから日本の税制だけで解決する問題では無いのです。



質問者:

 なるほど、日本より税率が低い国に資産を逃してしまえばいくら高額所得者に対する増税をしたところで取るものがほとんど無いことになりますね……。



筆者:

 全く無意味とは言いませんけどね。


 財源! 財源! とかいう人たちに対してのカウンターとしては富裕層の課税、法人税の増税などの方が消費増税より先に取れるところから取るべきだと主張する必要があると思います。


 ただ、そもそも論として、クレジット・デフォルト・スワップと言う財政状況を評価する指標では、

GDP比の政府債務に関しては日本は世界で一番良くないですが、

 

 他の対外純資産/GDP、政府債務対外債務比率、経常収支の3つの財政基準も総合するとG7では2番目に財政状態は良く世界でも最上位に位置しています。


 日本が現在財政上問題ないとなれば減税が出来るので、増税による格差是正については考えなくてもいいんですよ。

 

 低所得者向けの減税(税金を取らない)を行っていって格差是正を行う方が無難であると言えます。



質問者:

 増税をすることに関してはやはりダメという事なんでしょうか?



筆者:

 国民のどこかのカテゴリを「敵」として引き摺り下ろしてそれぞれを対立させるというのは政府の戦術・常套手段となっているからです。

 これは高齢者の負担増や年金カットに関しても全く同様で、防いでいかなくてはいけません。


 政府は最終的には「不公平の是正」と言って次々とあらゆる分野において増税がなされていくことが予想されます。


 そのために基本的に「増税の足掛かり」をさせないために例え富裕層であっても増税を容認してはいけないと思います。


 金融所得課税に関しても「増税を国民が容認した」と言う実績作りを財務省や政治家は大事にしたいのだと思います。


 そして、誰かに対する増税の容認は「次に自分が増税の対象になる」ということを考慮に入れた方が良いです。

(“サラリーマン増税”なども検討されているために誰にでも増税の可能性がある)


それに、政治家みたいに高給取りでお金を猫糞するような人もいますけど、

 基本的には責任の重さに応じて給料の金額は決まっていきますからね。


(僕が大企業を批判しているのは自身がほとんど輸出還付金でノーダメージの消費増税を訴えつつ、自らの配当を増やすための法人減税への圧力をかけている点であり、消費減税も法人減税も両方訴えているのであれば批判しません)



質問者:

 なるほど……。いつもおっしゃっている「本当の敵」は政府そのものだという事ですか……。

 富裕層への増税がほとんど意味が無いとなると尚更そうですね……。



筆者:

 政治家の方々がまともに仕事をしてくださっていればいいんですけど、

実際は財務省の洗脳にやられてちゃんとした財政規律であるにも関わらず増税をやり続けているというのが実情ですからね。


 やはり新NISAを入ることすらままならない人々を救済することを考えるべきです。

 つまり、日々の生活に困っている人を助けると言った方法が最も格差是正にとって重要なことになります。


 それも非課税世帯への小手先の給付金では高齢者ばかりしか救済されないので、恒久的負担軽減が望ましいです。


 働いても、働いても収入・手取りが増えないワーキングプアみたいな人達が一番日本において気の毒ですからね。

 将来不安や年収が増えないことが少子化にも繋がっているので、このラインの根本治癒が出来れば日本は劇的に良くなると思います。


 一番望まれるのは消費減税や低所得に対する社会保障負担の減額です。


(給付金は一部の中抜き団体が潤うだけなので僕はあまりやるべきでは無いと考えます)



質問者:

 以前から筆者さんがおっしゃっていることとしては他人を下げて自分の地位を相対的に高める「スパイト行動」を行うのではなく、

国民が一致団結して減税の要請行わなければいけないという事でしたね……。



筆者:

 まさしくその通りです。国民同士での潰し合いは政府側の思う壺ですからね。


 「皆で豊かになろう」と言う発想が無ければこの国は発展していかないのではないかと僕は考えています。


 現在のところは輸出する産業は車ぐらいしかなく、相対的な競争をすることによって日本国内のパイの奪い合いをしています。

 その元々のパイを増やすためには減税などの処置を取らなくてはいけないという事です。


 是非とも富裕層の人たちも格差是正のための増税されたくないのであれば、「低所得者層の減税しろ!」と訴え、

 日々の生活に困っている人たちは富裕層を引き下げるのではなく「自分たちのために消費減税! 社会保障負担を軽くしろ!」と訴えて欲しいように思いますね。


 という事でここまでご覧いただきありがとうございました。


 今回は金融所得課税では貧富の差は埋まらず、やはり消費減税と社会保険料負担の軽減が大事だという事をお伝えしました。

 

 今後もこのようなトレンドや政治・経済について個人的な解説をしていきますのでどうぞご覧ください。

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