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交差点のお姉さん

作者: 多部 好香

 季節はすっかり冬。学ランだけでは寒さが堪えるようになった。

 俺は、白い息を吐きながら友人と二人でのんびり帰宅している。


「おい、なぁ、あれ……」

「あ!」


 俺たちの視線の先には、交差点の手前にあるバス停に立つひとりの女性。たぶん二十代だろう。白いコートを着た、髪の長いきれいなお姉さんだ。

 俺たちは誰にも聞かれないよう、ぼそぼそと相談を始めた。


「それじゃ、ジャンケンで勝った方が声をかけるってことで」

「ああ。いくぞ、最初はグー!」


 普段はクラスの女子にさえ満足に話しかけられない俺たちだが、それでも男のはしくれだ。あのきれいなお姉さんに声をかけずに帰るわけにはいかなかった。



 そのバス停は二週間ほど前に廃止になったのだから。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 綺麗なお姉さんだから声を掛けるんじゃないのですね。 いや、綺麗なお姉さんだから立候補が多くてジャンケンなのかな。 おっさんなら立候補がいなくてジャンケンかな。 少ない文字数なのにあれこれと…
[良い点] こういうオチ、大好きです。 [一言] 張り紙ぐらいしとけよバス会社、と突っ込みたくなりましたw
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