声の主
「サンダーボルト!!!!!」
ヅガン!!
いきなり目の前に雷が落ちてきた。
「ウォーターボール!!」
「ウガー」
直径1mぐらいの水の塊が俺を斬りつけようとしていた賊に激突。そして10mぐらいぶっ飛んでいった。
「サンダーボルト!!」
「サンダーボルト!!!」
「ウォーターボール!!」
「ウォーターボール!!」
残り二人の賊も巨大な水の玉が当たった瞬間、血を履きながら30mほど飛ばされていった。
助かった。危ないところだった。
あの剣が振り下ろされていたら死んでいたことだろう。
声の主の方を向くと
そこには骸骨が立っていた。
え?エ? えぇ? 誰? どちらさまですか?
この状況を理解することが出来なかった。
「白田く~~~~ん!!」
ぐわー骸骨さんが飛びついてきた~
??????????
なぜ、俺の名前を知っているの?俺の頭はパニック状態になっていた。
骸骨さんの知り合いはいないはずだけど。
「ヒーール」
将太が俺にヒールを掛けてくれた。
出血も止まり精神も安定してきた。
「キャーー、痛い、痛い、私、死んじゃう~~」
骸骨さんはヒールがお嫌いなようで。
一瞬、俺から離れヒールを掛け終わるとまた俺に抱きついてきた。
「ごめんなさい。もっと早く、魔法を使っていれば斬られずにすんだのに」
「そ、そ、その声は七海なの?」
「そうよ、七海紫音よ。骸骨になちゃったけど」
にこっと笑ったのが分かった。
「七海なんだね。七海でいいんだよね!」
「そうよ。七海紫音よ」
うわーーと大声で泣いた。
骸骨となった七海を力一杯強く抱きしめながら泣いた。
我ながら格好が悪い。が、涙が止まらなかった。
「良かった、良かったよ。七海が生きていくれて。
俺、ずっと後悔していたんだ。七海が死んだのは俺のせいじゃないかって。
俺がキチンセットを選んだから全部ずり上がっちゃって選ぼうとしたものを選べなかったのじゃないかと」
「私が悪いの、みんなに『聖女』『聖女』って言われていたから調子にのって選ぼうとした私に天罰が下ったの」
「七海さん、生きていたんだね。良かった。本当に良かった」
「七海さんでゴザルか? 良かったでゴザルよ」
「七海、生きていたんだな」
「みんな、ありがとう。骸骨になっちゃったんだけどね」
七海は立ち上がり、俺に手を差し出し、手を握ると引っ張り起こしてくれた。
思わず七海の骸骨となった体を見回してしまった。
「きゃーー、恥ずかしい」
七海は骨となった腕で骨だらけの体を隠した。
「あぁ、ごめん。思わず七海の裸体を見てしまった」
「もぅー エッチなんだから」
「七海さん、これ」
と言って将太がロングコートを渡した。
「骨だらけになっても羞恥心はあるのよね~」
と照れ笑いをしながらコートを着た。
将太がまた隣に来て、ヒールを掛けてくれた。
また、血は失われたけど痛みと傷は回復した。
「お前、死んではいなかったのか?」
と智弘が尋ねる。
「ううん」
と首を振ると頭がポロッと落ちた。
俺たち3人は「うわぁ~~」と情けない声を出し飛びのいた。
「よっこいしょ」
と七海は頭部を拾い上げ「ゴキゴキ」という音と共に頭をくっつけた。
「まだ、しっかりくっついていないみたい」
「ちょちょっと、七海さん、取り外し可能なのでしょうか?」
俺はビビクリながら問うた。
「色々試してみないと分からないけど分解可能みたい。
首を刎ねられたときは一瞬、意識が途絶えてしまったけど白田君が私を庇ってくれたことは記憶に残っているよ。
そして、みんなも私を助けてくれたことも覚えているよ」
「そうか。リッチは不死王と言われるくらいだからなぁ~簡単には死なないんだな。うんうん」
「何、水原君、納得しているのよ」
「ちょっと待て、さっき、将太がヒール掛けたとき拒絶したけど、
お前たち二人が斬られた時、俺と将太で全力でヒール掛けたのだけど、その時は?」
「あのときの方が死ぬかと思った~ 回復のためにスリープモード?とでも言えばいいのかな?
完全に動くことが出来なくなって意識が飛んじゃったよ。意識が戻っても動くことも話すことも出来なかったの。
完全に回復したのは町を出るときくらいかな?
急に動いたら動いたでみんなびっくりするでしょ。いつ伝えれば良いか迷ってたの」
「あの~七海さん、つかぬ事をお伺いしますが、意識が戻ったのはいつ頃でしょうか?
わ、わ、わたくしがベッドの横で手を握ったときは、まだお眠りになっていたのでしょうか?」
「あっ、その時は、まだ眠っていましたよ」
「本当でしょうか?」
俺は七海の顔をじっと見ながら問いただした。
あっ、顔をそむけた。
あぁ~~~あの恥ずかしいシーン記憶にあるのですね~
「うわ~~~、俺、恥ずかしくて死にそうなんですけど。智弘、俺を殺してくれ!」
「やだよ、何言ってるんだ、お前は!」
「白田君の思いが伝わってきました。暖かい涙の感触、今でもハッキリ覚えていますから」
「うわぁ~~やめて。それ以上、言わないで。恥ずかしくて死にそう」
「さぁ、積もる話は後にして、嫌なことを片付けるとしよう」
智弘が俺たちに声を掛けた。




