繁文縟礼レジュメ
人間を諦めた生き物は
二足歩行をする事すら少ない
一つの場所で動かず
二つの目で追いかける物は
燃えながら飛ぶ紙飛行機
感覚の移り変わりは
時間の流れと変化で落ちる
砂場に置き忘れ
雨水に濡れたスコップ
落陽を見せない雨雲
蛾の舞い落ちる
落葉樹の道には
ビールの空き缶が広がっている
穴の中は虫の住処
噛み付く痺れに
抜け殻と吸い殻
木箱に流れる神鳴り
ステンドグラスの窓から
柔らかな日差しが入る日は
拡散した物が一つになる
大地という皿に盛られ
生き死には無関係な生き物
新しいという古さを愛玩具に
海月が満月をお茶に誘い
プランクトンが雰囲気を作る
切っても切れず
繋いでも繋がらない
無粋な生き物は
味覚を通り抜けて
存在を堪能する
燃えた紙飛行機になる為に