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異世界人の手引き書  作者: たっくるん
第二章 帝国の剣
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93 楽しい模擬戦

模擬戦が行われている……そう聞いて訓練所に駆けつけた俺達が見たものは…………



「ははは、メイド部隊は強いわね!感心したわ!」

「聖騎士団こそあの一撃を耐えるとは、素晴らしい」

「あ、おつまみ追加しますね」

「ちょっと!それ私のですよ?」

「凄い!ブラジャーって凄い!」



楽しい女子会が開催されていた


「…………お前達。模擬戦は?」


ガバッと振り返り、立ち上がろうとするのを手を振って止める


「閣下、実はそのぅ……」


申し訳なさそうなメディアが上目遣いでもじもじしていた

やめろ、男がやるな馬鹿が


「聖騎士団のかたがメイド部隊の見た目でからかったといいますか……なんというか」

「…………大方、聖騎士団がメイド部隊に使いでも頼んでそれに反発。言い争いから模擬戦になり、仲良く宴会か?」


パァっと笑顔になるメディア


「はい!よくおわかりで!流石閣下!」

「…………」


悔しいが叱れないな……

決闘や喧嘩なら『馬鹿が』って叱れるのに、模擬戦では無理だわ

メイド部隊は身の回りの世話……つまりメイドとして同行しているんだ

黒騎士達のような護衛じゃないから、時間に余裕があればある程度自由だからなぁ



「……よし、友好の為に模擬戦をしていたなら罪はない。そうだな?」

「おっしゃる通りです、閣下」


嬉しそうに胸の前で手を合わせてクネクネするメディア

……なんでだろうか、イライラする

ちょっとおしおきするか



「なら、私も参加しよう。友好の為なのだろう?」


ふふ、メディアめ……久々にブッ飛ばしてやろう


「!?やったぁ!お願いいたします閣下!」


…………あれ?

喜びながら準備をするメディア達

え?何で嫌がらないの?俺は結構無茶するよ?


「ゼスト様、逆効果ですわ」

(お父さん、ごほうびにしかなりませんよ?)


呆れ顔のベアトとトトに突っ込まれた

…………メイド部隊が心底脳筋なのを忘れてました


「閣下が相手だから殺すつもりで行け!」

「いいか?死ぬなよ?死ななければ治る」

「メイド部隊に入って良かったぁ」

「閣下と模擬戦……ウフフ……閣下と模擬戦……」




軽いおしおきの筈がご褒美になり、模擬戦がまた始まったのである


聖騎士団は喜んで参加するのはまだ解る

何故シスターがメイスを素振りしながら待っているのか……


「我が宗派の教義ですから!」


素振りをポカーンと見ていた俺に、モーニングスターを構えたシスターが教えてくれた

教義ですか、そうですか


半ば諦めた俺はゆっくりと訓練所の真ん中へ歩き出した






「あぁ……疲れた……」

「お疲れ様でした、ゼスト様」

(お父さん!メディアがポーンって飛んで面白かったです!)


たっぷり3時間程かけた模擬戦が終わり、用意された部屋でくつろいでいる

おしとやかそうな神官服のシスター達が、裾を捲り上げて襲ってきたのは夢に見そうだった


あれほど嬉しくないパンチラを初めて見たよ……


紅茶を飲む手を止めたベアトがニッコリ言う


「あら、シスターを思い出しましたか?ウフフ……」

(シスター達はパンツがよく見えました!)


「……そうなのかい?気が付かなかたよ」


なんだ『気が付かなかたよ』って……謎の中国人かよ


「神官服がお好きなんですか?シスター達がお気に入りなんですか?」

(あ~、トトはおねむしなきゃ。おやすみなさい)


トト!ここはむしろ行かないでくれ!


「何を言っているんだい?私が気にするのはベアトだけだよ」

「……そうですか?…………本当に?」


プクッと頬を膨らませたベアトの頭を撫でる


「本当だとも……あのシスター達の件は、戦いと普段の落差に驚いただけだよ」

「……でも、妊娠してからは……その……あれだから、ゼスト様は満足なさっていないでしょう?」


それを気にしてたのか……

まったく、俺にはベアトだけなんだから大丈夫なのに


「それで心配していたのかい?」

「……もうっ!知りませんわ」


真っ赤になりポカポカと叩いてくるベアト

これは辛抱出来ません……ええ、出来ませんとも


「知ってるかい?妊娠が安定期に入ったら……少しくらいなら平気なんだよ?ベアト」

「…………メイド達に……聞きましたわ。だから……」



少し潤んだ瞳のベアトにキスをする

ベアトの身体に負担をかけないように、ゆっくりとソファーに押し倒し…………





「閣下!模擬戦があったのに何故私達がっ!?」






ドレスを直しながらゆっくり立ち上がり、バルディッシュを手に取るベアト

俺も魔力強化を全身に纏いながら剣を抜く




「「アルバート、表に出ろ(なさい)」」




その後、大聖堂に犬が鳴く声が一晩中響いたのだった…………

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