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異世界人の手引き書  作者: たっくるん
第二章 帝国の剣
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89 好景気の理由

「まさしく神のご采配という他に言葉が出ません。あまねく大地に福音が響くであろう今日という日に、美しい白烏が見つかりました」


うっとりと目を潤ませて語るポンコツシスター

今日も絶好調だね!


「止まり木は神への感謝に波の無い海を望み、神は起伏の無い山をお造りになるでしょう。それが神のご意向なのです!」

「……神のご慈悲に感謝を捧げましょう」


ウンウンと頷き、無い胸の前で手を合わせる祈りのポーズをしてポンコツは続けた



「神への感謝は『ぶらじゃー』を寄進すると伝わります!」

「…………そのように手配しましょう」


そこだけはハッキリ解るんだね、お前普通に喋れるだろ?



鼻息が荒いポンコツに別れを告げて館に帰る

ライラック聖教国に出かけるのに許可を貰いたかったのだが、手紙を預けたから様子見しよう

許可したのか、しないか全く解らんよ……あれだからさ……



館の執務室でポンコツにブラジャーを届けるように手配した

カタリナとメイド部隊が命を削りながら仕上げたブラジャーは大人気であった

ワイヤーは再現するよりも、魔物の素材を使った方が簡単だと元冒険者にアドバイスを貰ってからはあっという間で、今では女性に大人気のアイテムである


「ダークウルフ狩りだ、気合いを入れろ!」

「私のブラジャーが待っている」

「最低でも20匹は狩らないと順番が……」

「ブラジャーの為に1匹でも多く狩らないと!」


このダークウルフの尻尾が重要になるのだ

鞭のように使う尻尾をバラバラにするとワイヤーのような物になる

それがブラジャーの素材になるから討伐隊の士気は高い


ダークウルフは大型の狼みたいな魔物だ

集団で村を襲ったり旅人の馬車を襲ったりする危険な魔物で、並の兵士だと1対1では勝てない強さだ

だいたい10匹前後の群れが多いので50~100人単位の討伐隊が組まれるのが一般的だな


そんな危険な魔物だから討伐しまくっても問題ない

むしろやらないと民衆が不安になるから、現在絶賛討伐祭りだ



「散歩していたら出て来ましたの。ウフフ、困った事ですわ」

(この犬、お母さんが真っ二つにしました!凄いです!)


昨日はバルディッシュを担いだベアトがそう言って笑っていた

妊婦なんだが良いのか?……散歩なら文句言えないな、仕方ない


ブラジャーで大忙しになり、量が増えた書類を片付けて自室に戻った

経済効果は抜群だが、仕事量も抜群に増えたよ……



ようやく帰ってきた自室でベアトとトトにシスターの件を報告した


「では、お手紙の返事次第なんですね」

(大丈夫ですよ!私はお出かけ楽しみです!)


ニッコリ笑うトトを定位置の肩に乗せてゆっくりと紅茶を楽しむ

そんな様子をベアトもにこやかに見守っている


「でもブラジャーって凄いですわね、こんなに違うなんて」

(トトも着けました!見ますか?)


トト、脱がなくていいからな?お前はそもそも必要ないだろうが


だがベアトは凄いな……元からDカップくらいあったのだが間違いなく戦力は増えている

思わずそこをじっくり見てしまう


「……ゼスト様?女性は視線が解るんですよ?」

(お父さん、トトのも見ますか?)


「す、済まない。トトは早く服を着なさい」



女性の胸はガン見したら駄目だな……気を付けよう……

やんわりベアトに叱られた俺は若干いじけながらベッドに入る

今日は罰としておさわりは無しだから大人しく寝よう






女性の胸はガン見しない事


そう学習した筈の俺だが、その日は執務室でカタリナの胸をガン見していた


「ゼスト閣下、ライラック聖教国からお手紙が来ておりますニャ」

「あっありがとう……」


手紙を渡して机に戻るカタリナ

その胸は不思議な膨らみをたたえていた


…………おかしい

あんなに急成長するのか胸は?

いや、胸博士じゃないから詳しくないけどさ…………


Dカップは有るだろう胸を揺らしながら仕事をしている


「ふぅ、肩がこるニャ。困ったものだニャ」


全く困っていない笑顔のカタリナに声をかけられない

手紙を確認する余裕すらありはしない


部屋に居るメイド部隊達も視線は合わせない

女性ですらその話題には触れられないのだ、俺が聞ける筈がない



…………誰か聞けよ


そんな雰囲気が蔓延する執務室に救世主はやってきた


「ゼスト閣下、シスターがお越しですがいかが…………」

「すぐここに通せ!」


助かった……手紙の件かな?何でもいいさ、とりあえずこの空気には耐えられない


アルバートが出て行くと、すぐにシスターはやってきた



「ゼスト閣下、お約束もなく失礼いたしました。お目通りありがとうございます」




そう言ってニッコリ笑うポンコツシスターの胸もDカップになっていた…………


状況は悪化したようです…………

打開出来る気がしない…………

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