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異世界人の手引き書  作者: たっくるん
第二章 帝国の剣
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73 一瞬の平和に祝福を

ベアト全裸事件から20日が過ぎた



必死に走り回った俺を知って、黒騎士達が笑っていたので丹念に訓練したり

ハーマン達と飲んだ時にアルバートの『獣人ですが草食系です』で、笑いすぎて過呼吸になった者が出たりと平和に過ごしていた



地方領主も次々に降伏し、順調に進んでいた

残党狩りではターセルとメディアのコンビが暴れまわり、兵士達も訓練に回す余裕も出来たんだ

今日はアルバートが直轄軍をかわいがりしている筈だ



書類仕事は無いが、一応執務室いる俺をメイドが訪ねてくる


「閣下、皇帝陛下からお手紙です」


来たか、この後の対応を指示してもらわないと不味いからな

急いで手紙を開ける

『任せた』


…………2枚目を探すが入っていない

丸投げかよ、陛下には精霊の雫は渡さなくて良いな

任せたって言われてもなぁ


軽く頭を抱えているとまたメイドだ


「ライラック聖教国からのお手紙です」



まさか『解った』とかじゃないよな?

少し不安になりながら開ける


『神の導きは全てに等しい。また使徒との繋がりは…………』


これは聖書か?まったく意味が解らない……

はい か いいえ で、済む筈の手紙だったのに………


聖教国って、やっぱり怖いわ



混乱しながらも聖書のような手紙を読み返す

もはや手紙のような聖書に見えてきた


パニック状態の俺の前にメディアが来ていた


気が付かなかったな……

身体をそちらに向けると、お腹をさすりながら満面の笑みだった


「閣下、わたくし赤ちゃんが出来ました!」

「そうかそうか、おめでとう。しばらくは軍を休んで構わない、ゆっくりして身体を労れ」

「はい、ありがとうございます。失礼します」


そう言ってメディアは出て行った



そうか、メディアが母親か

ふふ……先を越されたな……

まあ急ぐ事は無い、俺達のペースでベアトと頑張ろう


窓の側に行き中庭を見る

ターセルが模擬戦に励んでいた

相手はアルバートか、なかなか見応えが有る激しい模擬戦だ




…………?

……………………!?



窓を開けて声を張り上げる


「妊婦が模擬戦などするな!メディアの馬鹿を連れてこい!!」



危うく騙されるところだった……





執務室でたっぷり2時間程、メディアを説教しているとメイドがやってくる

……また手紙か?


「閣下、ライラック聖教国の使者がいらっしゃいました」


「……解った、応接室に待たせておけ」




メイドが出て行った後、手紙のような聖書をもう一度読んだ

…………やはりよく解らなかった




諦めて応接室に行くと茶髪のシスターが待っていた


「待たせたな、私が旧ターミナル王国の総司令官ゼストだ」


特徴の無いのが特徴のようなシスターはニコリとしながら話し出す



「はじめまして、わたくしはライラック聖教国のシスターでございます。洗礼を受けて名前はございません、ご了承くださいませ」



そう言って膝を折り胸の前で手を合わせる

それがこの世界のしきたりなんだな

やはり少し日本が混じってるみたいだ



「ああ、ではシスター。どのようなご用件で来たのだ?」



ニコリと笑うとキラキラした目で語りだす



「わたくしが用件が有る無しに関わらず、神のご意志に逆らうような事自体を祝福がはね除けるのです。流れ落ちる水は決して海に辿り着かないのです。何故ならば、それが神の導きですから」



ドヤッ!


そんな擬音が付きそうな笑顔で無い胸を張るシスター














えっと…………


神の導きだけは……解った……のか?

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