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異世界人の手引き書  作者: たっくるん
第一章 帝国黎明期
57/218

56 何故こうなる

「閣下、盗賊どものアジトを発見しました!」


「総員、戦闘準備だ」

「はっ!」






何故こんな事をしているのか……話は馬鹿貴族の模擬戦に遡る




あの馬鹿貴族の模擬戦に集まったのは300人

冒険者150人、メイド達50人、一般人100人だ



しかし、あの馬鹿貴族は一般人の相手と戦った後に逃走

その後、警備の兵士に斬られて死亡している


あまりの顛末に呆然とする参加者達、このままではガス抜きどころか暴発するわ……




殺気立つその場でボソリと冒険者がもらす


「これなら盗賊でも狩りに行けば良かったな……」


「「「「それだ!!!」」」」





こうして討伐隊が結成された



討伐した盗賊のお宝は山分け

賞金も用意され、ノリノリで出発する野郎達


何人かメイドや女性も混じっているが……

冒険者は解る、メイド達は帰れと言ったが


「盗賊討伐は淑女のたしなみですわ」


そう語るメイドに黙って頷くしか出来なかった



メイドにセクハラするときは命懸けなんだな……

怖いな異世界は





そうして今に至る



「メイド部隊、戦闘準備完了です閣下」


槍を担いだメイドが敬礼する


「女性捕虜が居る可能性がある、メイド部隊は待機だ。だが包囲網には参加せよ。逃げる賊は容赦するな」


「はっ!メイド部隊は待機、包囲網に専念します」


再び敬礼して去って行く


「……メイドってスゲェな」

「おっかねぇよな、メイド」


冒険者達のヒソヒソ話が聞こえる

実に同感だ、メイド達にお土産忘れないようにしよう



「閣下、黒騎士部隊、突撃準備完了しました」


アルバートがやって来た

うん、君もたまってるよな……わかるよ……俺もだからな



「よし、黒騎士部隊は俺に続け。冒険者達は敵拠点の包囲に参加し、斥候能力の有る者達は遊撃に回せ。一人も逃がすなよ」


「はっ!」

「はい、わかりました」

「か、閣下が突入するんで?」



「……あまり知られると叱られるからな、内緒だぞ?」


「閣下、行きましょう!」


よし、アルバート行こうぜ行こうぜ!

薄笑いを浮かべながら黒騎士達を率いて突入した





「……貴族ってスゲェな」

「ありゃ、こっち側の集まりだな」

「おーい、突入部隊って誰が行くんだ?騎士か?」


「騎士どころか公爵閣下が先頭で突入したぜ」

「はぁ?大丈夫かよ……」

「あれなら大丈夫だろ、笑ってたぜ?」


「……貴族って良く解らんな」

「俺も解らん」

「まったくだな……」





「終わったから帰るぞ……どうしたお前達、怪我でもしたのか?ほら、準備を急げ」


「か、閣下……もう終わったんで?」


俺が声をかけるとポカーンとしている


はは、盗賊がたくさん居ると思ったのか

まったく早とちりな奴等だな


「はは、盗賊は100人程度だったからな。1人で10人斬れば終わりだから先に帰ったんだ」



冒険者達に説明した俺は帰りの準備に取りかかる為にテントに戻る

意外と距離あったんだよな……2日もかかったよ




「なあ……」

「ああ、辺境伯軍はやっぱり異常だよな」

「俺、黒騎士とだけはやりたくないわ……」






その場に残っていた冒険者達がそんな会話をしているとは知らずに

俺はせっせとアイテムボックスに酒を詰めていた





「よし、お前達良くやったな!あちらの担当官に賞金をもらってから帰れよ。解散!」



帝都の訓練場に到着して解散だ

盗賊どもの蓄えは少しだったから、冒険者達に配った

メイド達にはお土産に買っていた服の生地と化粧品を配る


たいして稼げなかったからな

仕方ないだろう


ただ道中で出てきた熊やイノシシを狩る事が出来てストレスは発散したみたいだ

これなら安心だろう……

俺は宮殿の部屋へと帰ったのだった













「おいおい、レッドベアなんていつ倒したんだよ!」

「このイノシシ、変異種じゃねーかよ!」

「……閣下がメイド達と倒してたぜ?」


「……メイドってスゲェわ」

「おれ、メイドさんに修行してもらうわ」

「レッドベアを一突きとか、なんなんだメイドって……」


「えっ?盗賊のお宝は俺達にくれる!?」

「ひとり金貨28枚だと」

「ぶっ!俺の年収金貨10枚いかねーぞ!」



「ねえ、この生地って……」

「え?き、絹よねこれ……」

「……愛人になれって意味かしら?」


「!?け、化粧品よ」

「あーっ!これ高いやつだ!」

「……愛人……にしては豪華過ぎね」


「夜営してたのに肌がピカピカなんだけど……」

「閣下の魔法って反則ね」

「ねえ、閣下は新しく領地貰うならメイドが必要よね?」


「「「!!!!?」」」






いつの間にか着々と新領地で働きたい者達は集まっていったのだが

俺が知る事になるのは少し後の話である

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