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異世界人の手引き書  作者: たっくるん
第一章 帝国黎明期
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44 気が付いた気持ち

甘口注意

寝起きでお嬢様を発見して、思わず抱き付いた


異世界で生き残る為に貴族に従った

異世界で生き残る為に戦いの訓練をした

異世界で生き残る為に大貴族の娘、ベアトリーチェお嬢様と婚約した


生き残る為に……


その筈だったんだ……




生き残る為には皇室との繋がりが要る


皇女と結婚してお嬢様を側室にする


それが正しい解答なんだろうな……





いつからだろうか?



このいつも不機嫌そうなお嬢様がかわいいと思ったのは


俺だけが聞こえる本音に愛しさを感じたのは


心から好きだと思ったのは


死んでも失いたくないと思ったのは





「ベアト、私はあなたを愛しています。誰よりも」



思わず口から出た言葉にお嬢様…いや、ベアトがピクンと反応する


「…わたくしも…ですわ」

『…わたくしも…ですわ』


真っ赤になりながら、泣きそうな目をしているベアト



そんな彼女に俺はゆっくりと唇を重ねた……








(ご主人様達、ちゅーしてるです!!)



……精霊よ

今は邪魔するんじゃない!



ん?



ご主人様……【達】?



聞き捨てならない事を言ったぞ!?



名残惜しいがベアトと離れる


ベアト、そんな顔するな

俺が無理矢理したみたいじゃないか……


少し凹みながら精霊に確認する


「なあ精霊よ、ご主人様【達】って、ベアトリーチェはお前の何だ?」


(ん?ご主人様ですよ)


…………おいおい


「じゃあ、俺は?」


(ご主人様ですよ)




いったん落ち着こう俺……


ベアト何だ?袖を引っ張って、ん?精霊と遊びたい?

解った解った、そこで遊んでなさい



ベアトをご主人様と呼ぶ?


俺の妻だから?

いや、まだ結婚していない…


まさか……




「なあ精霊、お前を産み出したのは誰だい?」


キョトンとした顔で答える


(ご主人様とご主人様ですよ?当たり前じゃないですか)







精霊化は俺が起こした前提条件で考えていた……


違うんだよ


俺とベアトリーチェが起こしたのか!!




「は、はは、はははは、はっはーはっはっはーあははは」



駄目だ、笑いが止まらない!!


そうか二人で精霊化を起こしたんだ!

それなら話が変わってくるじゃないか




そんな俺にベアトと精霊が近付く


ベアトがかわいいハンカチでそっと俺の目を拭う


「どうしましたの?何を泣いてますの?」


やや心配そうな無表情で拭いてくれた

そうか、俺は泣いてたのか……


「すまない、心配かけたね。大丈夫だよ」


そう言ってベアトの頭を撫でる

精霊は肩に座ってニコニコだ


「なら、結構ですわ。何がありましたの?」


「いや、心配事が解消したのさ。ベアトと気兼ね無く……皆に祝福されながら結婚出来るって思ったら泣いたみたいだよ。嬉し泣きだな」


また真っ赤になったベアトが軽く睨む


「そのような恥ずかしい事を、真面目な顔で言わないでください。でも……」


一旦区切り、下を向く


「わたくしも…結婚出来るのは…嬉しいですわ…」


そう言って微笑む彼女は、本当に可愛かった


そして、そんな彼女を

俺はまた抱き締めた…













…………ん?


何か違和感があるな…………












「ベアトが笑った!?」










思わず、誰かが立った並みに驚いてしまった…………

しかも心声もしなかったし


何が起きたし

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