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何このラスボス臭!! 私主人公のはずなのに!?  作者: kuroe113
吸血鬼誕生編(リメイク後の作品。なので上の迷宮篇とは話が切れています)
18/22

side エリス; 独白

怒りとは、不思議なものだ。

人を動物的なものに近づけるのだから。

故に、私は憤怒を触媒として獣へと変化した。


血を吸う鬼から悪魔へと。

化外から化外に変化。

どちらも違いがないとは言わないでほしい。


俗にいう二重人格。

ソフト面では多大な変化があった。

故に、私は(エリス)負の部分を担う悪魔(エリス)だ。


だからどうか、どちらも悪だとひとくくりにはしてくれぬな。


この憤りを生み出したのは眼下に並ぶ、騎士甲冑を着込んだものども。

突然押し掛けてきたかと思うと、攻撃してきた。

故に、私が(負の人格)表質することとなったのだ。


戸惑うばかりではあるが、喜悦を感じていることも間違いない。


奴らは私が誕生するとともにここに押し行った。故に、同胞たちの世界(人生)を終わらせた元凶に違いない。

結果、暗い喜びを抑えられぬ。


仲間たちの世界(思い)を引き継いだ私が前に進むにあたって避けれぬ道だ!

故にやつらを殺す!


だが、失敗もしてしまった。

リーダー格の男を殺したはいいが、自身よりも大きなものを抱えるものではないな、視界が遮られる。

反省!!


んっ!?

傷が治らない。

先ほどは、すぐさま塞がったというのに!?


私には目指すべき世界(未来)がある。

だから、まで死ねぬ。

故に、回復を。


それにしても死体がまずい!

よくサメが人間を食べたとニュースとなっているが、サメからすると、人間はまずいらしい。

確認してみると実際にまずい。


だが、血液の味はなかなかだ。

もと(吸血鬼)の影響かもしれん!

故に、回復力も期待したのだが、効果はいまいち。


残念!

補給としての価値は低く、これでは盾にしかならぬ。

捨てるか!


目標は、リーダーらしき人員の抹殺。

故に、声を上げ周りを鼓舞している二人が表的だな。

片方は、服装が見れたものではない、故に、本当に指揮官か疑問に思うが、案外異世界の風習かもしれぬ。

文化なんてそんなものだ。(注! これは彼女の完璧な偏見です)


ポイッ!

手にある死体を服装がしっかりしている方に投げてやった。

ぼろぞうきんを着込んだ奴のほうがほうが殺しやすすそうだ。


イメージはクラウチングスタート!

目標へまっすぐにっつこむ。

結果、弾き飛ばされた。


贅力で押し切れると思ったが、無理だった。

元の人格は喧嘩などから縁が遠かったからな、経験の不足が露呈したともいえる。


おかげで、右腕、つまり、利き腕がつぶれた。

これでは繊細な動きができぬ。

故に力技で行くしかない。


だが、押し切れるのか?

繊細な動きができぬのだぞ!

いや、利き腕とは、筋力や神経の発達具合なども影響する(適当)。

ならば、生まれたばかりのこの身体では、右も左も大差ない、はず?


故に、利き腕は左手! 利き腕は左手! 利き腕は左手と心中で何度も繰り返す。

効果のほどは……、まぁ、よかろう。

今も敵が迫ってきておるのだ。


体勢を崩したまま。結果、追い打ちがやってくる。

死んだな!

短い人生ではあったがくいはない。


三文芝居でよく見られる筋書き、そんなありきたりなものはいらない。

故に、あがく。

幸運なことに思ったよりも、刃がやってくるのが遅い。


飛びつけ。

必死の思いで前へと飛び出した、今度は必死さが通じたのか、鎧を貫通した。

んっ? 今の感覚はいったい!?


悠長に考える暇はない。

わき腹を串刺しにした、こ奴をどうするか。

とりあえず、先と同じ役を願いたい。


ブン投げようと、腕を大きく横にふるった。だが、何かがちぎれる感覚が私を襲った。

しかも、肩には短剣が投げつけられた。

どうして、動きが読まれた!


いや、考えてみれば当然であろう!

この動きは二番煎じにすぎぬのだからな。

それよりも問題は左腕だ。


うわ~、完全に切れている。

鎧のせいだな。

左腕もつぶされた。


接近戦は死ぬ。

故に、一端距離をとらねば。

そう思い、騎士を首で支え後ろに下がる。


そして、後ろに下がったから様々なことが見えてくる。

傷ついた仲間を気づかう情愛。味方の死を嘆く悲哀。高を並べ前へと進む信頼。

全体を俯瞰できるがゆえに、奴らの人間らしさも感じ取れた。


ならば何故ーーー、

「何故だ! 何故っ!! 貴様らはむさぼる! 苦しめる! 殺す!! 人の首に首輪をかけるのだ!!」


このような非道がまかり通る!


「残念ですが、悪魔よ。僕らにはお前を救う方法などありません。ですから、安らかに眠ってください」



い・ま・こ・い・つ・は・な・ん・と・い・っ・た!!



「貴様がっ! 貴様等が! 救いを口にするなっ!!」


血に(かばね)をさらす同胞たち。

嘆く必要はありはしない。

兄妹が見た世界はここに。

死者の弔い方など知らぬ。

故に、血には血で返礼する。


直後、世界(洞窟)は光で満たされた。

この話は、かなり勘違い混じっています。

よく漫画とかであるのが、主人公が勘違いしないってことですよね。

絶対ではありませんが、最終的には誤解が解けて和解する。

けれど、ここではもう、和解なんてありえません。

騎士団にとっては、どっち道抹殺対象だし、仲間を殺されている。

エリスにしたって、いきなりやってきて半殺しにされ、その上お前を殺すって言っているんだから、納得なんてできません。

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