第叫喚
今回短いです。
そこまで考えて、異変に気が付いた。
思考が回りすぎている。
何かを思い出すにしても、ここまで成功になるのか。まるで誰かに操作されているような……。
「ありゃりゃ、気がついちゃったか。
せっかく用意したおもちゃが見当たらないからどこに行ったのかと、身に来たら。なんだ、これ。
バビロンのやつに巻き込まれちゃったか。まったくこの子も運が悪い、宝くじに当たるよりも低確率だよね~」
目の前の存在は静かに考え込んでいた。
だというのに、震えが止まらない。
「そこの君、強く生きてくれたまえ。幸薄葬だから、すぐに死ぬだろうけどさ」
目を向けられた。それだけで震えが止まらない。
神だ。目の前にいるのは神だ。
全身の細胞が教えてくれた、目の前の存在との格の違いを。
「あっ……あっ―――」
「一体何だ、口をパクパクさせて。まぁ、気持ちはわからなくもないけどね。
君の予想は正しい、そうさ、私が神さ。
おや、腰が抜けちゃったかな」
相手はこちらに気を使っているのでしょうが、逆効果だ。
その表情一つ一つが作り物めいていて、うすら寒さしか感じない。
「まぁ、どうでもいいんだよね~」
そこまで言って急に黙り込む。
「さ~さ、皆さん。寄ってらっしゃい見てらっしゃい、今宵の演目は自己愛に浸った哀れな魔術師の話さ」
急遽始まったのは劇の演劇のような前口調。
戸惑うよりも先に、普通の人間ならあってしかるべき、大声を出す前に空気をためるという行為をおかなわなかったことに、目の前の女の化け物っぷりをより深く感じた。
「■ ■ ■ ■」 そして語られたのは冒涜の唄。
そして舞台はあるべき姿に回帰する。




