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新•最高司令官降臨

亀更新。タイトル変えました。意味は前と同じ、蒼い悪魔です。

五月雨さんの過去編終了です。

多分...

「我が国の最高司令官は他国と違う、五月雨家が代々継いでいる。しかし、前最高司令官は我々の意思を無視し国民を差別した。私はそれが許せない!」

五月雨は大声を出していた。

わあああああ、と歓声が上がる。レルス要塞の裏にある、大きな闘技場。そこで新・差最高司令官の五月雨麗斗の就任式兼演説会が行われていた。

「悪魔否定派に問おう!悪魔否定派は何を思って差別をしている?差別をして意味があるのか?ーない。しかしそれでも差別をし続ける国民を見ていると私の心が辛くなる。自身を傷つけ、死んだ者は何万人といるという事実に」

闘技場のそこかしこから悪魔否定派の講義の声が響く。

「私は、差別をした者は犯罪者だと思っている。今すぐにでも犯罪にしたいとも思う。ただ、そんな事はしたくない。悪魔否定派よ、どうか、差別をやめてくれ。そして私を止めてくれ。私はこのままだと悪魔否定派を殺してしまうかもしれないのだ」

闘技場が静かになる。抗議の声は一瞬止んだが、また元に戻った。様々な言葉の嵐が彼を傷つけた。否定派の中には、兵に捕まる者もいた。

「私の言いたいことは、以上だ。」

麗斗は台を降り、その場を去った。


「五月雨様、お疲れ様です。流石でしたね。」

演説を終え、夜が近づいていた。白亜は麗斗に茶を差し出す。麗斗は静かに茶を飲んだ。机とソファぐらいしかない、執務室だ。

専用の一室で白亜と麗斗が会話を始める。麗斗は仕事以外では白亜以外と喋ろうとしなかった。前の側近はいつも扉の外にいたという。白亜は、それが嬉しかった。

「そうか、そういえば、私は今夜夜の相手を探しているのだが...」

「探して来ましょうか?」

「白亜、お前が相手になってくれないか」

真剣な眼差しで椅子に座った麗斗は白亜を見つめる。麗斗はまだ二十代という若さだった。他国のトップは中年男性が多いため、とても珍しく、しかも麗斗は整った顔立ちで、女性たちを魅了させてきた。しかし、女性経験はなかった。いや、彼が拒んだのだ。顔目当ての女性は嫌いだ、と。

「えと、私、ですか?私は男なのですが...」

「構わない。私はお前がいい。」

「でも....!!」

「黙れ。主は私だ。命令に従え。」

麗斗は低い声で言う。両目は白亜を真っ直ぐ見つめていた。自分の立場上、断る訳にはいかない。白亜は顔を上げ言った。

「了解致しました....五月雨様」

白亜は静かに主の前に立った。その顔は先程の白亜とは違っていた。完全に主に従う姿勢を示していた。麗斗が白亜の服に手を掛ける。静かに布がずれる音がした。その時、ドアが開いた。しかし麗斗は落ち着いた様子で言った。視線は白亜に向いたままだった。

「ヴァイラス、またか。ノックはしろと言っただろう?また躾けないとなぁ....今度首輪でも買うかな....」

麗斗はドアの前のヴァイラスと呼ばれた男に向かって言った。長い黒髪を整え、白亜から手を離した。そしてヴァイラスの方を見た。

ヴァイラスは麗斗と同じくらいの年齢で、紅いマフラーで口元を隠していた。黒に近い茶色の髪が綺麗に整えられていた。しかしその赤い眼光は見るものを恐怖に陥れるような光があった。若いのに、何故か全てを悟ったような、そんな雰囲気を漂わせた青年だった。

「取り込み中悪いが、報告をしに来た。暗殺の件、無事に片付いた。次の任務が出来次第呼んでくれ」

「ああ。ありがとう。流石軍一の暗殺執行員だな。それと、そこまで固くならなくていい。立場は違えど、幼馴染だ。私は固いのは嫌いなんだ」

「....もう俺はお前と違う。五年前に家系は崩壊した。もう俺の家系は栄光時代の名前しか残っていない、ただの一般人だ。もう俺とお前は対等に話せはしない...元々対等に話せる立場ではないがな」

ヴァイラスは目を閉じてそう言った。

「....お前はそれでいいのか」

「あぁ、俺はもうこのままでいい」

そう言うとヴァイラスは風のように部屋を立ち去った。

沈黙。白亜は言葉が出ないまま、立ち尽くす。麗斗は静かにドアを閉めた。ドアノブを握りしめたまま、

「悪かった..」一言、呟いた。小さな声が彼の心情を表していた。

「五月雨様...」

「悪いが、今夜はやめてもいいか。気分が乗らない」

「えぇ、私も今日はその方がよろしいかと思います」

白亜は服をきちんと整え、麗斗に向かって言った。

「ーでは、私はこれで失礼させて頂きます。五月雨様、今日一日、お疲れ様でした」

白亜はそそくさと部屋を出て行った。部屋には、麗斗一人だった。薄暗い部屋の中、彼は蝋燭に火を灯し、机の上に本を広げる。


Legend est veritas.

伝説は真実だ。


Par est diabolus.

人は悪魔に等しい。


Caelum est diabolo, quam nos homines eligendi.

天は我ら人間よりも悪魔を選ぶ。


Deus et Angelus pro strato utentibus.

神は天使を産み殺す。


Set diabolus diabolus jacuit occidere.

人は悪魔を産み悪魔を殺す。


Eligite solummodo diaboli.

悪魔が選ぶのは悪魔のみ。


「Mea mundi coeperunt.」


一人、麗斗はそう言った。

五月雨麗斗←どこのDQNネームだよwwwwwwくそわろたwwwうぇwwwwww


とか最近考えてた。


ラテン語翻訳、最高ですね。

一気に厨二臭くなります。


次回は蒼瀧さん登場予定。

主人公は蒼瀧さんです。五月雨さんじゃないです。


閲覧ありがとうございました。

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