桐嶋は1位
気になる。
何を言われたのか、桐嶋は授業中もずうっと上の空って感じだった。
だが、オレの読みは的中した。
やっぱ桐嶋は可愛い。
どこか遠くを見つめるその瞳はとても澄んでいた。
綺麗だ。
オレはこんなに人にトキめいたのは初めてだった。
「う~しっ!アレやるぞ!」
休み時間。
オレは教室で仲間と遊んでた。
もちろん女子もいた。
だが、「アレ」と言った瞬間、
「トイレ行こ」
と、顔を赤くしながらどっか行った。
その他の女子も、皆様子が変わり、緊張した空気になった。
「アレって何だよ?」
オレは仲間に聞いた。
「見てればわかるって」
それ以上は話してくれなかった。
「アレ」って何だ?
少し経ってから、白い紙が配られた。
配られたのは野郎だけ。
もちろんオレも。
野郎共は悩んだ様子だった。
「これで何すんだ?」
「彼女にしたい女子を書け」
そう言い残して去って行った。
なるほど。
これは「彼女にしたい女子ランキング」だな。
だから女子がああなったんだな。
納得。
オレはできるだけキレイな字で「キリシマ アゲハ」と書いた。
隣にいたヤツは「アンザイ ユナ」と書いていた。
周りを気にせずオレは堂々と投票箱に白紙を入れた。
これで桐嶋を狙ってる奴が大体どのくらいいるかわかる。
「結果発表!」
場は更に様子が変わった。
野郎はおぉっ!と萌える。
女子はもっと緊張してるようだ。
オレは桐嶋のコトで頭がいっぱいで、早く結果が知りたい。
黒板にベスト5が書かれた。
5位・・・違う。
4位・・・これも違う。
3位・・・こっちも。
2位・・・もうないのか?
そして1位。
「桐嶋 愛蝶」
・・・・・・・・・・・。
え?
桐嶋が1位?
オレは緊張した。
ライバルは11人。
コイツら以外にもいるはずだ。
だが。
オレは負けないっ!