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私の起床
「ん・・・・」
目が覚めた。
私の目の前には、知らない風景が広がる。
かなり広いリビング、そこのソファに眠っていることに気が付く。
上等とはいえ、斉藤の家では無かった。
思い出すのもイヤだ。
「ここは・・・?」
辺りを見渡す。
上半身を起こすと、自分が布団を被っていたことに気が付く。
「・・・・・」
思い出した。
確か、葛城に連れられて・・・。
私は急いで自分の服の確認をする。
制服には、特に異常なしだった。
「起きた?」
葛城の声が聞こえる。
どこからとも無く現れた。
「ここ、アンタの家?」
「うん」
何してんだ。
誘拐か監禁かと思ったじゃねえか。
「あのさ、桐嶋」
「何」
ぶっきら棒に返す。
「何か・・・辛いことあった?」
何でそんな簡単に人のプライバシーに立ち入れるの?
「関係ない、でしょ」
何故か、涙が零れる。
「話してくれないか?」