21/31
優子先輩の息子さん
私は今、恩人の先輩の家に向かっている。
頑固でどうしようもない私を絶望の淵から救ってくれた人。
私の4人の娘達も、そんな人に育って欲しかった。
3人はそうなった。
長女、二女、四女は。
ただ・・・。
三女だけは、私に似てとても頑固。
私のような絶望感を味わって欲しくない。
せめて・・・。
先輩のような素晴らしい人に出会って欲しい。
幸せになって欲しい・・・。
ねえ、貴方にそんな人はいる?
お願いだから、出会って。
ねえ、愛蝶。
「ええっ!!き、桐嶋ぁ?!?!」
優子先輩の息子さんは急に叫んだ。
この息子、なかなかのイケメン。
愛蝶と同じ学校だっけ?
「愛蝶の知り合いなの?」
お友達かしら?
「あ、クラスメートで隣の席です」
「へえ・・・」
「ん?
海斗、もしかしてあなたの好きな子って・・・」
「だあ!母さん言うなよ!」
「海斗君、あなた家の愛蝶のこと狙ってるの?」
「いや、その・・・」
「ほらほら~さっさと吐きな~♪」
「ぬわ、母さん!!」
そんなこんなで色々なりました。