表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/31

私の邪魔

ガラッ。突然ドアが開いた。

すると、知らない男子が嬉しそうに教室を見渡す。

「ねぇ、なんか超カッコ良くない?」

「ヤッバ!あたし超タイプ~♥」

女子がこそこそし始める。

なるほど。これが世間で言うイケてるメンズ、略してイケメンか~。

・・・って!

納得している場合じゃなーい!

なんなの急に!

転校生?そんな話きいてない!

てゆーか、担任がクラス委員長である私に話さないはずない!

そんなことを考えている私や、クラスの連中の前で、彼は悠々と黒板に自分の名前らしき文字を書いた。

「葛城 海斗です。今日からこの3-4の一員になったので、宜しく!!」

にっこり笑う彼に、女子はずっキューン!となる。

カツラギ カイト・・・どっかで聞いたことがあるような・・・。

その時、

ガラッ。またドアが開いた。

今度はウチのクラスの担任と、隣のクラスの担任が立っていた。

二人は困惑した表情で、

「困るよ、葛城君」

「そうですよ。君は、4組ではなく、3組の転校生なんだよ?」

とか、何か言い始めた。

でも当の本人は・・・

「先生、オレもう自己紹介も終わらせちゃったよ~。

 もうこのクラスがいい!」

とか問題発言をしている。 

「え?葛城君って、ウチのクラスじゃないの?!」

「え~!?やだぁ~!せっかくイケメンきたのにぃ~」

クラスまでもが混乱し始めた。

いかん!ここはクラス委員長の出番!

私は席からすっと移動し、ドアに足を運んだ。

私を見ると、先生が安心したように

「あっ、桐嶋さん。葛城君になんとか言ってくれないかしら?」

「・・・わかりました」

私は葛城海斗に向き直ると、少しキツめの口調で彼の説得にあたった。

「葛城君よね?アンタなんでこのクラスにこだわってんの?」

「君名前は?」

「・・・なんでこのクラスにこだわるの?」

「え?なんとなく。ていうか、名前は?」

・・・聞く耳持たず・・・とまではいかないか。

「とにかく、アンタはウチのクラスじゃなくて、隣の3組の転校生なの。早く移ってくれる?」

「君キツイこと言うね!クラス委員長?ツンデレっ娘?」

「・・・(怒)」

「だってクラスは転校生の自由じゃん!オレこのクラスでやってきたいの!お願い!」

手を合わせて頼み込む彼。

「私に頼まないでくれる?」

先生に

「どうします?」

というと、

「そうねぇ、彼がここにいたいなら、それでいいんじゃないの?」

「そうですね、僕からもクラスの連中に話しておきますよ」

あっさり承諾。

私出てこなくてもよかったのかも。

「ラッキー★てことで宜しく!えーと・・・」

「クラス委員長の桐嶋さんよ。頼れる人だから、分からないことがあったら彼女になんでも聞いて」

「宜しく!桐嶋!」

「・・・席は空いてるとこに座って」

私は速やかに席に着いた。

空いてるのは、前にウチのクラスから転校した皆川の席。

私は窓際の席で、列の最後尾。

葛城が座る席からは結構離れている。

葛城の席の付近の席の奴らが

「よろしっく!」

「よろしくね!」

とか言ってる。

あぁ、ウザイ!

私ならあのウザさに耐え切れない!!

「あー・・・うん。オレ、こっちじゃなくてさぁ・・・」

「ん?」

「桐嶋の隣に行くんだけど・・・」

「マジでか!?」

「桐嶋か!ズりーぞ!」

騒ぎ出す男子共。

女子は私をチラチラ見ながらコソコソしてる。

「もぉ~!!最悪ぅ!!」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ