ため息の多い一日
「はあ」
本日5回目のため息。
オレは授業を受けている。
面白くない。
勉強なんて教科書読んでりゃ、ちょちょいのちょい。
桐嶋はさっきからずっと真剣に授業を聞き、ノートを書いている。
その真剣な表情と言ったら・・・。
誰だって惚れるであろう。
ああ女神様(桐嶋)、オレにその美しすぎる顔を向けて下さい。
なんて言いたいぐらい。
桐嶋はオレの視線に気付いたのか、横目でちょっとだけ、オレを見つめた。
でもすぐに、桐嶋の視線は黒板に戻った。
オレはちょっとショックだった。
「私、アンタ嫌いじゃない・・・」
あの言葉は嘘だったのか?
なんて、ドラマっぽすぎる。
でもなんか気になる。
本当に気になる。
オレって本当に桐嶋の事が好きなんだ。
初めて会った時からあの瞳に見つめられると心臓が飛び出しそうになる。
凛々しすぎる顔立ち。
なめらかに流れる髪。
ほっそりとしたスタイル。
あの甘い声・・・。
その全てがオレの感覚を支配する。
好きになっても仕方ない。
可愛いだけじゃない。
オレの事、嫌いにならないと思うし。
多分。
家に帰ってから、桐嶋にメールしてみた。
「葛城 海斗です。
登録宜しく!」
という普通のメールを送った。
返信は来なかった。
「はあ」
本日12回目のため息。