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満身創痍だったのでちょっと愚痴をこぼしたら、さらに身も心も削られました  作者: 朔島 涼


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11.今のソフィアはお呼びでない?!

翌朝の目覚めは最悪だった。夢の中にまでウィリアムが登場したので、彼がソフィアに構う姿を客観的に見ていたが、とんでもない事に気がついてしまった。


「ウィリアム殿下が長年恋焦がれて、待ちに待って結婚できるソフィアの中身が私じゃダメじゃん。」


ウィリアムが好きなのは、おそらくソフィアの外見だけでなはない。出会ってすぐ結婚するのであればバレないかもしれないが、幼馴染ともなれば、しばらく一緒にいればすぐに別人だとボロが出るだろう。肉体はソフィアのもので間違いはないため、罰せられる事はないかもしれないが、ウィリアムをガッカリさせるのは居た堪れない。


「あんなにソフィアが大好きで大好きで、やっと一緒になれるのに、中身が自分だなんて申し訳なさすぎる…。元のソフィアはウィリアム殿下のことどう思っていたのかしら。彼女はレイモンドと結婚できず、癇癪を起こして私と人生を入れ替えたと思っていたけれど。」


本当にそれだけで、こんなとんでもない事しでかすかしら?他のご令嬢と結婚するレイモンドではなく、あんなにも追いかけてきてくれるウィリアムではダメだったの?他にも別の理由が?夢の中でのウィリアムの様子を思い出して首を傾げる。


「ソフィアの事をきちんと知りもせず、決めつけてしまっていたわね。それは良くなかったわ。」


何か手がかりはないかと、部屋の中を物色しようとしたところで、侍女のエマが心配そうに部屋に入ってきた。


「ソフィア様、もう起きていらっしゃったんですね。何か探し物ですか?顔色は良さそうでそうで安心いたしました。昨夜はお疲れのようでしたので。」

「そうね、昨日よりはだいぶ元気よ。」


エマはホッとした様子で微笑む。


「では、朝食の用意ができていますので、ひとまずお着替えを。」

「ええ、お願い。」


用意されたワンピースに袖を通し、髪を結い、軽く化粧を施されてから部屋を出る。

食卓にはすでにローゼン侯爵とイルバートが座っており、何やら難しい話をしている。


「おはようございます。」

「おはようソフィー、体調は問題ない?」


イルバートが立ち上がり、ソフィアを椅子までエスコートする。


「ありがとうございます、イルお兄様。もうすっかりいつも通りですわ。」

「昨日は夕食を食べながら寝てしまいそうだったから、びっくりしたよ。赤ん坊の時のソフィアを思い出してしまった。」


ローゼン侯爵はクスクスと笑っている。


「お父様。わたくしはもう立派な淑女ですわ。昨日はいろいろあって疲れてしまっただけです。」


ソフィアは心外だと頬を膨らませた。


まもなくアンリも加わり、4人で朝食を食べ終えると、ローゼン侯爵とイルバートの見送りをしてからソフィアは自室に戻った。ちなみに、ローゼン侯爵もイルバートと同じく王宮で働いており、国王の補佐をしている。



自室に戻ったソフィアは、早速本棚を物色し始めた。


「何か、ソフィアの日記のような物が有れば良いんだけど…。あっ、この辺りかしら。」


すぐに、子どもの頃からつけられている4冊の日記を見つけた。最初の1冊は5歳頃からつけられていると思われ、初めの方は絵日記状態で何の情報も得られなかった。しかし、その終盤に重要な出会いについて書かれていた。


「ソフィアが7歳の夏にレイモンド殿下とウィリアム殿下に出会っているのね。と言う事は、レイモンド殿下が10歳、ウィリアム殿下が9歳。ソフィアがまだローゼン領の屋敷にいた頃に、国王陛下の公務に同行していた殿下たちと初めて会ったと書かれているわね。」


ローゼン侯爵領は王都のように栄えた街もあるが、一歩外へ出ると自然の多いところである。ソフィアが森で遊んでいるところに運悪く魔獣が現れ、襲われそうになったところをレイモンドが助けてくれたらしい。うっすらと記憶があるが、10年数前のことなのではっきりした映像は残っていない。


「それから仲良くなって、イルお兄様も含めて4人で遊ぶようになったのね。」


2冊目の日記はレイモンドとウィリアム、イルバートの名前がたくさん出てきたが、特にレイモンドへの好意がダダ漏れの、愛が溢れる日記であった。


日記が3冊目になり、ソフィアが12歳でセグノーツ学園の中等部に入学するとすぐに日記の様子が変わった。別校舎の高等部にいるはずのレイモンドをたびたび中等部で見かけるので、最初はラッキーと書かれていた。しかし、実はレイモンドはウィリアムやイルバートと同級生のエアリスに会いにきていたのだ。それを知ったソフィアの日記は荒れに荒れた。エアリスへの罵詈雑言を書き綴っていたり、レイモンドの不幸を祈っていたり、数ヶ月は正気を疑う内容が続いていた。しかし、すぐに『ごめんなさい神様、全部嘘です。』と謝りの文章を書いているところが可愛らしい。


次に様子が変わったのは、4冊目。ソフィアが中等部2年になり、ウィリアムやエアリス、イルバートの学年が高等部に上がった頃である。エアリスとレイモンドの姿を校舎内で見かける事がなくなり、ずいぶん心の平穏が戻ってきたようだ。


「ここから、急にウィリアム殿下の出現率が高くなるわね…。」

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