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一夜限りの自由な夜

作者: 雪紀

初めての読み切り作品です。

読んだ感想教えてくれたら嬉しいです。

それではとっとと本編どうぞ!

???「…やはりアスリー、貴方までついてくる必要はないのですよ?無理に付き添う必要は…」

と、目の前に居る侍女に言う。

私の名前はレン・ミリィムーン。所謂お嬢様だ。

そして…

???「いえ、私はお嬢様…いえ、レン様に着いていきたいのです。元はと言えば提案したのは私ですし。」

ここにいるメイドの名前はアスリー・ナイトルーン。

私の家、ミリィムーン家に代々仕えている…らしい。

実態は知らない。聞いてもはぐらかされる。

レン「だとしても、貴方まで危険な目に遭う必要は…」

話は1日前に遡る。

~1日前~

私のお母様とお父様は私を外に出そうとしない、出させようとしない。勉強、運動が室内は当たり前。

遊びなどはしたことがない。やりたいと言ったら怒られるから言ってもいない。

この家では私の感情は塵に等しい。私の両親は私の事を金のためだけの道具と思っている。

私はいい加減こんな生活に嫌気が差していた。

そんな時、アスリーがこんな提案をした。

アスリー「それならば逃げてしまえば良いのでは?」

と、簡単に言ってくれる。警備が多すぎて抜け出せるものじゃない。そもそも玄関には厳重なロックが掛かっている。私の部屋に窓は無い。他の窓は封鎖されている。

よく私おかしくならなかったな

レン「どうやって逃げると言うんですか…こんな厳重な警備の中、玄関も窓も開けれない小娘が。」

それに…

レン「それに、明日私は18歳になってしまいます。それ以降は余計警備が強くなるでしょう。私が逃げ出さないように。」

18歳になれば嫁に嫁げる。つまり、有名な他のお金持ちの嫁に嫁がせれば更にお金が入ると考えているのだろう。本当に道具としか見られていないんだな。

アスリー「いえ、抜け出す方法はございます。唯一、一つだけですが」

そんな事をアスリーが言い出す。あるわけがないでしょう。そんな方法。

…でも。本当に可能性があるのであれば…私は…

レン「…詳しく聞かせてくれますか?アスリー」

アスリーは私に説明してくれた。要約するとこうだ。

1、お父様達が私が居るかの確認に来る時私がお父様とお母様に外に出たいとお願いする。

2、私が注意を引いてる間にアスリーが玄関を開ける。

鍵が必要なら盗る。

3、私が侍女の服を着てアスリーと共に出る。護衛には、「街に買い物に出る。この人(私)は新入りだ。」

と説明する。

4、そのまま逃げ続ける。

ということだ。現実的ではある。

でもそんなに上手くいくのか?という疑問がある。

しかし、やるしかないのだ。やらなければ両親に良いように使われるだけ。それならいっそのこと…

レン「いいですよ、乗ります。」

そう私が言ったらアスリーが安堵している

アスリー「…では…!」

レン「でも」

アスリーが何か言おうとしているのを遮り、言葉を続ける。

レン「私は二度とこんな場所に戻りたくありません。なので…捕まりそうになったその時は…私と一緒に死んでくれますか?アスリー。」

そのようなことを言う。そしたらアスリーは…

アスリー「元よりそのつもりでございます。地獄の果てまでもお供いたしましょう。」

そう返してくれたアスリーは心強かった。

~現在~

現在に戻る。あと数分もすればお父様達が来る。

作戦開始だ。成功するかは分からない。

やるしかないのだ。やるしか…ない…のだ。

正直不安だ。成功するのか。成功したとして逃げ切れるのか。アスリーが付いていても不安は拭えない。

アスリー「…大丈夫です。レン様。今の貴方は一人ではありません…死ぬ時までもご一緒致しますよ。

私の不安を感じ取ったのかアスリーはそう言ってくれた。

レン「…ええ、ありがとう。貴方と話せて私はよかった。」

アスリー「不安は拭えましたか?」

そう聞くアスリーに対し私は

レン「ええ、バッチリと。それでは作戦開始と行きましょうか。アスリー。」

アスリー「了解しました。レン様」

〜作戦開始〜

お父様「レン、居るか?」

とお父様達が聞きに来た。作戦開始だ。

レン「居ますよ。お父様」

そう言うと部屋に入ってきた。相変わらず気色悪い

レン「今回はどのようなご要件でしょうか。お父様方」

お母様「決まってるじゃない。アンタが逃げ出してないか見に来てやってんのよ」

レン「お心遣い感謝します。」

そんな、心にもない言葉を言う。

レン「ところで、お願いがあるのですが、話だけでも聞いてはくれませんか。」

腰を低くすればこいつらは調子に乗って話は聞いてくれる。アスリーの為に時間稼ぎをしなければ。

お父様「おお、なんだ?話だけなら聞いてやる」

相変わらず単純だ。扱いやすくて助かる。

レン「少しで良いので可能であるならば外に出てみたいのですが。」

そう言うと一気に両親顔が曇る。めんどくさい。

お母様「何言ってるの?アンタは。馬鹿なの?」

お父様「出すわけがないだろう。お前は俺たちの金のため役に立ってもらうんだからな。それ以外は要らん。」

相変わらず下衆どもだ。吐き気がする。

レン「申し訳ありません。図々しかったと思います。

反省しているのでどうかご容赦を。」

お父様「一度は許す。もう一度同じ事があれば覚悟しておけ。」

レン「分かりました。肝に銘じておきます。」

そう言ったら二人は帰っていった。気持ち悪い。

そんな事を考えていたら。

アスリー「レン様。戻りました。」

アスリーが戻ってきた。ベストタイミングだ。

レン「おかえりなさい。作戦は?」

アスリー「鍵は手に入れました。玄関も開けれます。」

流石アスリーだ。期待をしたらそれ以上で返してくれる。信頼に足る。

レン「服はどうなりました?」

アスリー「用意しております。」

服を渡されたので着替える。

レン「では行きましょうか。」

アスリー「ええ、参りましょう。」

そう言って私は部屋を出るのであった。

[ミリィムーン家、屋敷、ロビー」

案外簡単にロビーまで出れた。

そして、玄関まで来た。アスリーが今解錠している。

初めての外だ。こんな状況だが心躍らないわけがない。

そして玄関が空いた先は…

雨だった。初めての外なのに気分が滅入る

レン「…行きましょうか。」

アスリー「ええ。行きましょう」

アスリーが手を出す。私はその手を取る。

そして、初めての外に踏み出した。

[ミリィムーン家の屋敷、庭園]

初めて土を踏んだ。泥になっているが家の冷たい床よりマシだ。地面を踏んでると言う感覚がある。

まだ私が出たことはバレてないはずだ。警備の者も話しかけてこない。アスリーのおかげだろう。

無事に屋敷の門をくぐれた。後は逃げるだけだ。

レン「アスリー。何で逃げるのですか?」

私がそう問うと。

こちらです。と車を見せてきた。本物は初めて見る。

車に乗って山の麓まで降りた。下町だ。屋敷より輝いて見える。

アスリー「本日はここで一泊しましょうか。疲れは一番の天敵ですから。」

レン「そうですわね。疲れているせいで逃げれないというのも大変です。」

そして、旅館に行き、初めて布団でのであった。

アスリーが抱きしめてくれていたから安心して寝れた。アスリーには感謝しかできないが、いつか恩返ししようと思う。

~翌日~

朝が来た。初めて太陽の光で目を覚ます。

アスリー「おはようございますレン様。よくお眠りになられたようで安心しました。」

アスリーが微笑んでいる。笑っている顔は初めて見たかもしれない。案外可愛いわね。

レン「ええ、おはよう。太陽って眩しくて暖かいのね。」

アスリー「レン様は初めてですね。どうですか?気分は」

そう聞かれたので私は…

レン「気持ちいいわ。これまでにないくらいにね。」

と、清々とした気持ちで言うのであった。

~3年後~

あれから3年が経った。私達は今ミリィムーン家から遠く離れた場所で二人でひっそりと暮らしている。

結局私の両親は私にかけるお金が無駄なので探すことはしないことにしたらしい。こちらとしてはありがたい

そして、今日は…

レン「アスリー誕生日おめでとう!」

アスリーの誕生日である。

あの後アスリーの年齢を聞いたら20歳だったそうで、案外私と近かった。近くて良かった。

アスリー「ありがとうございます。レンさん」

アスリーも嬉しそうだ。同じ様に私も嬉しくなる。

これから私達はここで一生苦楽を共にする友…

…いや、家族になるだろう。

もう二度と私は縛られない。これからは自由に生きる。

私はそんな事を思い、心に決めながらアスリーの誕生日を祝うのであった。

~完~

どうだったでしょうか。

至らぬ所はまだまだあると思います。

初めてここまで長いのを書いたので大目に見て頂けると幸いです。

好評なら続くかもしれません。続きを書けるかは俺次第ですね。ご読了ありがとうございました!

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