第1話『恋愛応援部、爆誕!?俺の高校生活は始まる前から詰んでいる』
四月。春の光が教室の窓からこぼれる頃、俺――相田ハルは、平凡な新入生として高校生活の第一歩を踏み出した……はずだった。
「相田ハルくんですね? こちらへどうぞ!」
笑顔が眩しすぎる上級生に連れられ、入学式後の誘導に従って辿り着いたのは、なぜか“第3体育倉庫”。
……あれ? ここ、進路相談室じゃなかったっけ?
扉を開けると、目の前に広がったのは、謎のピンクのポスターだらけの部室だった。
「ようこそ! 恋愛応援部へ!」
そう叫んだのは、金髪ツインテールで制服のスカートをやや不適切な角度に翻す、宇佐美リリカ先輩。
この高校に“まともな部活”はないのか?
「待て待て待て! 俺、何も入部するなんて言ってない! 第一、恋愛応援部ってなんだよ!」
「簡単に言えばね、他人の恋路を勝手に応援して爆発させる部活よ! 時にはラブレターを代筆し、時には手を繋ぐタイミングを見張り、時には告白のBGMを流す!」
「お前らどんな権限持ってんだよ!?」
だが俺の抗議も虚しく、すでに“恋愛応援部 新入部員:相田ハル”の名札が作られていた。しかもラミネート加工済み。
おそらく、入学前からリストに名前が載っていたのだろう。
「ご安心を! まずはあなた自身の恋愛成就から始めますから!」
「いらんわぁ!」
そんな部活動に巻き込まれながらも、俺の周囲には次々と“フラグ製造機”たちが現れる。
◆生徒会長・白雪ミコ(クール・冷静・超美人・ただしツンデレ)
「……君のこと、別に気になってないけど?」
(↑絶対気になってる顔)
◆幼馴染・水瀬カナ(元気っ子・朝起こしに来る系)
「ほらっ、遅刻だよ! お姫様抱っこで行くしかないかもっ」
◆転校生・天宮メイ(無表情系・ロボットみたいだが実は……)
「あなたに、興味があります。観察対象として、です」
◆なぜか俺の恋路を実況中継するクラスのオタク・八神ユウト
「ここで告白イベント……くるぞ!? ……きたぁぁぁぁぁぁっ!!!」
恋なんて、当分はいいと思っていた。
なのにこの学園、“ラブ”が空気中に含まれてるレベルで恋愛濃度が高すぎる!!
そして、俺がまだ知らなかったのは、
この“恋愛応援部”こそが、学園で最大の権力を持つ“非公認生徒会”だったことだ――。
──平凡を夢見た俺に、平穏な日常などなかった。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
この作品は、モテない系男子がなぜか周囲の女子たちに好かれてしまう“ハーレム未満のラブコメ”をベースにしていますが、ただのフラグ乱立ではなく、1人1人のキャラクターとの関係性をじっくりと描いていく予定です。
今後は文化祭、合宿、告白大作戦など、青春イベントも満載で進んでいきますので、ぜひ続きをお楽しみに!
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